« 安静 | トップページ | 気配 »

2009.01.19

ふきのとう

成人式の日、庭の斜面でフキノトウが顔を出したのを見つけた。 ぱっと見ただけで複数認識できたが、今年の個体は例年になく小じんまりしており、「寒さの中でも元気よく出てきた」と言うよりは「本人達としても不本意で寒そう」にしか見えなかったので、摘んで食べる気になれず、なんとなくそのまんま見逃していた。

それから約一週間が経過し、部屋のガラス窓から覗いてもポコポコと数を増やしているのが見えたので行ってみると、ちゃんと大型のものも顔を出し、生命力の勢いのようなものもしっかり感じられるようになったので、「それでは・・」と、ありがたく頂戴することに。

上に積もった枯葉を掻き分けて、顔を出している薄緑色のフキノトウを根元からスパッと切って小さなボウルに集める。 蕗の香りがその辺に漂って、ここだけ一足先に春に包まれたみたいだ。

やっぱり初物はシンプルな天ぷらに。 さっと衣をくぐらせて短時間で揚げる。 天つゆではなく塩だけで、ぱくり。 さくっとした歯ごたえの後でほんのりと上品な苦みが来て、最後に香りがふんわりと。 こういうものの美味しさが分かるようになったことを思うと、「大人になって良かったな。」なんて考える。 単純。 悩んでいる若い人に、「生きていると分かってくることもたくさんありますから、大丈夫ですよ。」のお節介も言いたくなってしまう。 頭や心の中だけで堂々巡りしているだけでは理解できない、『極めて単純な身体の感覚』をバカにしてはいけないような気がする。

まだ『小寒』なことを思えばまだまだ寒い日もある筈で・・もうちょっとの辛抱かな。 フキノトウに分けてもらった力、大事にしたい。

|

« 安静 | トップページ | 気配 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ふきのとう:

« 安静 | トップページ | 気配 »