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2009.05.28

きっとセンスが無いんだと思う

ニュースを見聞きするにつけ継続的に気になっていた「裁判における精神鑑定」というものの存在・・とりあえずとっかかりが欲しくて本を読んでみる。 実際に鑑定医として800件以上の精神鑑定を行った著者の書いた「罪と罰と精神鑑定」という本だ。

何をやっているのか、その結果が裁判の過程においてどのような位置付けで使われるのかについては、とりあえず理解できた。 しかしながら、読み終わってもなお、いや、尚更にブラック・ボックスが深まってしまって、頭を抱えたくなった。

本来、科学における客観性というものは、「同じ実験を同じ条件で同じやり方で行った場合、必ず同じ結果になる」ということだった筈だが、「同じ被告人に精神鑑定をしても、全く違う結果が出る」ことを「客観性がある」とは言えないだろうし、それを証拠として採用するかしないかも裁判官に任せられているとなれば、何を基準に何を調べているのかの根源がぐらぐらで、風に吹かれて水面を移動する浮き草のように感じられてならない。 そもそも精神医学は科学に含めてしまって良いのだろうか、という疑問にも突き当たる。

折しも裁判員制度が導入されたばかり。 うーん・・。 「まあ法律も裁判も科学じゃないんだし、人間の作り上げた社会システムは多かれ少なかれそういうものだよね。」という開き直りで納得するしかないか。 それ以前の問題として、どうも自分には人文系の分野の概略を理解するためのセンスが足りないのが、とほほである。

●「罪と罰と精神鑑定 『心の闇』をどう裁くか」 影山任佐著 集英社インターナショナル 1365円 初版2009年4月

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