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2011.05.26

たまには一人旅 その2

郡上八幡と聞けば、とりあえずは「郡上おどり」とおということになるのだろう。 宿にご挨拶を兼ねて手荷物を預けてからすぐに歩き出し、ふと見上げるともう白いお城が山の上に見えている。 町は吉田川を挟むようにふたつに分かれているので、片側ずつ見て回ることに。 到着はちょうどお昼時。 目をつけておいたお蕎麦屋さんや鰻屋さんの前を通って様子を見ながら、お城へと向かう。 タイミングが合えばその場で店内へ入り、食事をしてしまおうかと目論んでいたのに、どちらも店の外まで待っている人の行列ができていたので、気を削がれてそのまんまスルーした。

お城への道はちゃんと整備されており、森林浴を兼ねた様な上り坂を楽しみながら一汗かく感じ。 車は数台すれ違う程度で、道を登ってゆく人と下ってくる人ともたまにすれ違うくらいだ。 その人たちがみんな穏やかな顔つきで、マイペースに歩いている。 鳥の鳴き声や風の音だけがBGM。 日差しは強いが風は冷たくて気持ちが良い。

天守閣まで登ると町が一望できる。 風に吹かれてクールダウンしながら、手持ちの地図と見下ろす町の景色を重ね合わせて、全体のイメージを頭の中に叩き込んだ。 陽射しと風と新緑、川面の光、パーフェクト!

お城の内部には歴史的解説や主ゆかりの品々が展示されていたが、目を惹いたのは、展示品の傍に飾られている雛人形の数々だ。 お内裏様や三人官女や翁が、可笑しなことにミニ雑巾を持たされて展示品の武具を掃除していたり、刀を磨いたり、持っている箒で下を掃いていたり、展示品を指差しながら「ここです」みたいな解説をしていたり・・なんだかそれぞれの役割でお仕事をしているのである。 可愛らしいし、健気な感じも楽しい。 50体近くは使われていただろうか。 楽しみ驚きながら入城料を管理している方に帰り際に伺うと、町民の各家に眠っている不要になった雛人形を集めて、もう一度現役として働いてもらおうという『芸術的試み』らしい。 「郡上八幡博覧館」という観光スポットでは、その再就職した(?)お雛様たちの特別展も行われているという。 これは是非とも行ってみなくては。

ちなみに郡上八幡城のてっぺんには、シャチホコが乗せられていた。 別に意味も無く、何故か笑ってしまった。

吉田川の北側、お城のある方には、いかにも城下町っぽい町並みが続いている。 そして、道の両側の側溝には美しい水がこんこんと流れていて涼しげな音が響き渡っている。 凄い水量だ。 そこそこに手が加えられているのだが、建物本体は古い町並みがそのまんま残されていて、それぞれのお宅が玄関先を植栽などで飾りながら、側溝の水を使って打ち水したりして、とても丁寧に暮らして居られる様子が伝わってくる。 のんびりと歩いていると、あちらこちらから「こんにちは」と声を掛けられる。 道を掃いているご婦人だったり、子供の手を引いて散歩しているお母さんだったり、玄関先で座って日向ぼっこしているお年寄りだったり。 なんだかみんなとても余裕がある感じ。 時間の経過がゆったりしている。

初老の男性が側溝から何かを持ち上げては、パンパンと道に打ち付けるようにしているので、いったい何をしているのかと思って伺ってみると、側溝の大きさに合わせた木枠に目の粗い網が貼り付けてある。 プチ網戸みたいな物。 それが数メートルおきにあり、流れてくる藻やゴミなどが引っかかるようになっているのだそうだ。 町内には「川当番」というものがあって、この網を時々引き上げてきれいにし、水流や水質を維持しているとのこと。 「いや、僕は川当番じゃないんだけどさ。 散歩のついでだから。」と、照れくさそうに教えてくださった。 「こんだけとうとうと流れていると、ちょっとしたことで網の目が詰まるだけで、すぐに溢れちゃうんですよ。」、だそう。

散歩の途中には、清流の水を飲める施設がたくさんあり、丸く穏やかな冷たい水を飲むことができる。 「水船」(リンク先ページの下の方に出てきます。スクロールしてみてください。)と言って、3段階に木枠を繋げて水を貯め、一番目は飲み水や野菜洗いなどに、二番目は食器洗いに、三番目はその他の洗い物に使っていたのだそうだ。 歩いて景色を楽しみながら、暑くなったら水を飲む。 単純なことだが、何よりの贅沢に思えた。(つづく) 

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