イカナゴ愛
相変わらず、買い物に出かける度に(こちらにとっては)驚きの発見があって、エキサイティングな状態が続いている。 特に食べ物に関しては、時期が変わればまた新たな「えっ?!」が出現するので、季節を一巡しないと落ち着けないかな、と、最近では覚悟するようになってきた。
特に海産物ジャンルでは、「えっ?!」が多い。 ここまで違うとは・・状態である。 日常の食文化は、これほどまでに狭い範囲の中で展開されていたものだったのかと、思い知らされている。
店先で、視野の隅っこの方に、『黒くて、でれーんとした、生の何か』がパックに入って並べられているのを認識した。 「何だろう?ナマコかな?」、と、思って、近づいてみれば、フグだ。 フグが一匹、そのまんまパックに載せられて上からラップでぴたっと閉じ込められ、しら~っと普段着の顔して並べられているのだ。 当たり前のように、「とらふぐ ○○○○円」などと、シールが貼られている。 さすがに傍には、お店からのメッセージのポップがあり、「こちらの商品は、調理しないとお売りできません。 店員にお申し付けください。」 ・・うーん、「そりゃぁそうだな」なんて、うかうかと感心してしまった。 で、お刺身コーナーでは、当然「フグの薄造り(てっさ)」も並んでいる。 有田焼のお皿なんかにではなく、普通の発泡スチロールの安っぽいトレイに並べられて、である。 関東とではだいぶ扱いが違うのが面白い。
件の記事でも取り上げた「カマスゴ」、その幼魚の「イカナゴ」も、今まさにシーズンな様子だ。 お魚屋さんは「ご予約イカナゴ」を扱っていて、まるでクリスマス・ケーキの予約みたいに、用紙に住所・電話・氏名・受取日と時刻、そして、希望Kg数が書き込まれた予約票が、レジ前に束ねられている。 キロ単位で買うものなのか?!というのも驚きだが、店内では『イカナゴ釘煮用材料コーナー』が設置され、醤油やザラメ糖、味醂や酒が揃えて並んでいるのも、なかなか驚きの光景。 一般家庭で、キロ単位で、イカナゴの釘煮を作っているのか。 凄い! きっとそのための大きな鍋なんかも、奥から引っ張り出されてきているんだろうな。
たまたまちょうど、予約したイカナゴを受け取りに来ていたお客さんがあったので、遠巻きに見ていたら、大きな透明のビニール袋にみっちり詰め込まれた、透き通った生イカナゴが受け渡されていた。 ぱっと見た感じでは5~7Kgくらいか。 スイカくらいの大きさに膨らんだビニール袋。 で、その中にみっちりとシルバーに光るイカナゴ。 なかなかインパクトの強い光景だった。
新聞の地方面で紹介されていた投書には、初老の男性が集まる料理教室で、今月は『イカナゴの釘煮』の作り方を教わって来た、と、あった。 どれだけ『イカナゴLove状態』なんだ?!、と、当初は驚き、今では感心しているような不思議な状態だ。 まだ、自分で煮る勇気は無いので、そのうち、出来合いのものをちょっと買ってきて食べてみよう。 食べたら愛が伝染するかな。
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