2009.06.28

兄弟のようなもの

今日は『ますたあ』が地域の出役(共同作業)の草刈りだった。 お昼には各自、作業場から家に戻ってごはんを食べて休憩し、決められた時間に再集合する予定になっている。 屋外での作業だし体を使うから、お昼ごはんはガッツリしたものを手早く食べられるように、「豚丼」のつもりだった。

 「豚丼」  2人分

  • 豚こま切れ肉  200g
  • 玉ねぎ      半個
  • 水         200cc
  • 醤油とみりん  大さじ2ずつ
  • 砂糖       小さじ1
  • ショウガ     1片
  1. 玉ねぎは薄めにスライス、ショウガは細切りに。
  2. 鍋に水と調味料を全て入れて、ひと煮立ちしたら、玉ねぎとショウガを入れて煮汁の再沸騰を待ち、肉を加える。
  3. 蓋はせず、そのまま中火~弱火で10分煮る。
  4. 器にご飯(材料外)を盛り付け、煮汁大さじ2を回しかけてから、煮えた具材を乗せ、お好みで唐辛子を振っていただく。

ところが、雨が強くなってきたので、午前中だけで作業は中断されることになり、お昼ごはんも「お疲れ様会」を兼ねて、作業に参加したみんなで食べることになった。 家の私だけで「豚丼」を食べても中途半端に残ってしまうので、急遽別の物(昨日作った「夏野菜のトマト煮込み」と温泉卵。)を食べることにして、夕飯にキャリー・オーバーとした。

これは個人的な感覚だと思うが、私は夕飯に丼をあまり作らない。 夜は「ご飯+おかず」を食べたい気分なのだ。 なので、ひと手間加えてリメイク。

 「肉豆腐」  2人分

  • 「豚丼」の具    2人分
  • 木綿豆腐      1丁
  • 葉ねぎ       2本
  • 和風顆粒だし   小さじ1
  1. 「豚丼」の具を煮汁ごと鍋に入れ、和風顆粒だしを加え、火にかける。
  2. 木綿豆腐を水切りせずに8等分して、沸騰した1の鍋に入れ、そのまま10分中火で煮る。
  3. (できればここで一度鍋ごと室温まで冷まし、食べる直前に温め直す。)
  4. 器に煮汁と一緒に盛り付け、細かく切った葉ねぎを散らす。 お好みで唐辛子を振っていただく。

「豚丼」に豆腐を足したってよいのだろうし、「肉豆腐」にご飯を入れて食べても美味しいだろうし、どちらがどうでも何とかなってしまう。 兄弟メニューみたいなものだろうか。 こんなことをやって実際に食べていると、『メニューのオリジナル性なんて、在るようで無いものなんじゃないか?』という思いが、ふと頭をよぎる。 どこまでが「豚丼のアレンジ」でどこからが「肉豆腐」なのか、作って食べている本人にも判らない。 料理は面白い、と、思う。

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2009.05.25

「一粒で二度美味しい」?

スナップエンドウを下茹でしようと思って背中の筋の部分からふたつにぱっくりと開いたら、中の豆がつやつやと色具合も鮮やかに並んでいた。 いくつか見ている内に、「豆は豆として食べても美味しいだろうな」などという考えが頭に浮かんできて、それでは・・と早速試してみることに。

スナップエンドウの筋を取りながら鞘をふたつに開いて、中に収まっている豆を取り出し、豆と鞘に分ける。 鞘は塩少々を加えた湯でさっと茹でて、適当に刻んでから「胡麻和え」に。 で、豆は「豆ご飯」に。 最近は豆に皺がよるのを嫌がって、別に煮てからご飯と合わせるのも流行っているらしいが、私は炊き込みご飯なら素材の香りや味がご飯にしみ込むところに価値があると思っているので、オーソドックスに最初から一度に炊く。 お米2合を研いで、炊飯器に普段の分量の水を入れて吸水させておく。 豆は荒塩少々で揉み10分放置。 その後塩を洗い流して、新たな塩小さじ1と酒大匙と共に炊飯器へ。 いつも通りに炊き上げ、スイッチが切れたら更に酒大さじ1を振って、いつも通りに蒸らして出来上がり。 俗にグリーンピースとして売られているものよりも、豆の甘みが強くて青臭さは少ない印象だった。 白状すると実は私、グリーンピースはあまり好きではないのだが、これならば美味しく食べられる、と、思った。

体(てい)の良い「使い回し」・・これはこれで二度楽しめて良いかも。

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2009.04.28

蒸し鶏

ちょっと前なら迷わず鍋にしていたところだが、気温も高くなってきたので常温で食卓に並べるメニューも少しずつ増えてきた。 たっぷりの新タマネギと一緒に。

蒸し鶏

  • 鶏モモ肉        2人につき一枚
  • 醤油と味醂と酒と水  肉一枚につき大さじ1ずつ
  • 砂糖           肉一枚につきひとつまみ
  • コショウ         適宜
  • あれば生姜、長ネギの青い部分、ニンニク、八角(スターアニス)等
  • サラダに使う野菜をお好みでたっぷり
  1. 鶏モモ肉は余分な脂や筋を取って掃除し、フォークや包丁の先で両面にプツプツ穴をたくさんあける。
  2. 耐熱性の器やパット等に醤油・味醂・酒・水・砂糖・コショウを合せ、鶏肉を入れて表面に絡め10分放置する。
  3. 蒸し器に湯を沸かして準備しておく。
  4. 手元にあれば生姜スライスや長ネギの青い部分、ニンニクや八角を2に入れ、皮の方を下にして、アルミ箔で覆って蓋をする。
  5. 蒸気の上がった蒸し器に4を入れ、中火に落して12~15分蒸す。 菜箸を肉の厚い部分に刺してみて、透き通った肉汁が出てくれば大丈夫。
  6. 蒸し器から器ごと取り出して、そのまま常温に冷めるまで放置する。
  7. スライスした新タマネギ、レタス、トマト、キュウリ、かいわれ菜や、ミョウガ、大葉等の香味野菜等をたっぷりと皿に敷き、出来上がった鶏を薄い削ぎ切りにスライスして並べる。
  8. 蒸し汁を適宜肉の上からかけ、お好みで練りがらしを添えていただく。

熱量制限の必要な方は、蒸して冷ましてから鶏の皮を除くと良い。 残った蒸し汁はスープや野菜炒めの調味料にして食べてしまえばエコロジー。 冷蔵庫でしばらくは日持ちするので、時間のある時に作っておくと便利。 お弁当のおかずにも。

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2009.04.26

「じゃがポックル」 2

小袋から器に出してそのまま15秒ほど電子レンジにかけると、よりジャガイモの風味がリアルになって美味しくなるということが発見された。

・・今日もビールが美味しい。

こちらの「まめさん」は「Jagabee」と食べ比べをなさっておいでのご様子。 それもやってみたいところだな。 買って来るまで残っているだろうか?、手元の「じゃがポックル」・・。)

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2009.03.27

気が向いたので

実家の母が何処ぞからいただいたという大量の甘夏柑で、これまた大量のマーマレードを煮上げたそうで、そのお裾分けに与った。 パンのお供に、また、ヨーグルトに添えてと楽しんでいるが、それでもたっぷりとある。 ここ数日寒く、ちょっとこってりしたおやつが恋しくなったこともあって、マーマレードを使って手抜きのオレンジ風味の焼き菓子を作ることにした。

室温に戻したバター50gに砂糖大さじ1を入れて、ホイッパーで盛大に混ぜ合わせ、卵1個を数回に分けて加え、そこへマーマレードを大さじ山盛り3ほど。 ホットケーキミックス100gを加えて混ぜた。 生地が硬そうなので牛乳を大さじ1追加して、型に流して170℃のオーブンで30分。 まだ中が焼けていなかったので10分追加焼き。

ホットケーキミックスは気楽で良い。 ふるう必要もないしベーキングパウダーも必要ないし、何よりも気が向いた時に、その気を削ぐ暇を与えてくれないことがありがたい。 ストックヤードに一袋持っておくと何かと便利で安心だ。

アッサムを淹れての午後のお茶。 意味もなく少し痩せてしまったので、上手に戻さないと。 中年ともなると若い頃とは違って、痩せていることが見た目の「貧弱」とか「貧相」に直結してくるので、ね。(苦笑)

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2009.03.19

紅菜苔

地元のJAが運営している農作物の直売所を覗いたら、見たことのない野菜があったので買ってみた。

「菜花のトウ」のようだが、つぼみの部分以外はナスのような濃い紫色をしている。 生産者の名前を印字したシールには「紅菜苔」の文字。 どう読むのかすら分からない。 菜花みたいなものなら、まあ何とか出来るだろう、と、踏む。 束の3分の1程をさっと茹でてとりあえずはおひたしにしてみると、癖も無くなかなか美味しい。 これならば何にでも使えそうだな、と、安心した。

調べてみると、読み方は「コウサイタイ」だそうだ。(そのまんまだった。苦笑。) 中国野菜で和名は「紅菜花・ベニナバナ」。 こう書いてもらえれば、名は体を表すという感じでぴんとくる。 炒め物など油との相性も良いらしい。 では、次回はそのように・・。

新しい食材を見ると、ついついあれやこれやと試したくなって楽しい。 慣れない香辛料などは時々派手に失敗することもあるが、それもご愛敬の内ということで。 あくせくするプロセスが面白いので、わざと、前もってネットで調べたりしないようにしている。 食材(初めて使うものは、特に。)に対して予備知識があると、時々創造性を邪魔されてしまう気もして。 なので、まず一度自分の力で試して、次に調べて裏付けるようにしているつもりだ。

しかし、どうして「苔」なんだろう? もう少し深く調べてみますかね。

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2009.02.19

脱水

勝手に明言させてもらっている通り、私は昆布豆や五目豆といった、「あれ系」の味付けで大豆を煮た料理が苦手だ。 出されたら残すことはしないけれど、自らは選ばない。 だが、嫌いだからと避けてばかりいるのも癪な「へそ曲がり者」なので、たまに市販品を少量買ってきてみては、「やっぱり・・」を繰り返している。

過日、実家の母が老夫婦では食べきれないからと、乾物などをまとめて届けてくれた。 その中にいただきものだという大豆の水煮缶がたくさん入っていたのだ。 缶詰だから賞味期限はずっと先だが、苦手意識のある素材がストックヤードにずらりと並んでいる光景は、どうも精神的にプレッシャーで、できればなるべく早く片付けてしまいたい気分になってきた。

「たまにはやりますか」、と、覚悟をきめての昆布豆。

  気長に昆布豆

  • 大豆水煮缶     140g入りのものひと缶
  • 乾燥昆布       3cm分
  • 砂糖          大さじ4
  • 醤油          小さじ1
  • 水           適量
  1. 昆布はキッチンばさみ等で一辺7ミリ程度の正方形に切る。(煮て膨張した時に大豆と同じくらいの大きさになることを目指す気持で。) 直径15から20cm程度の小型の鍋に1cm位の深さに水を張り、切った昆布を浸して10分程放置。
  2. 昆布をふやかした鍋に、水切りした大豆の水煮を入れ、大豆の表面がしっかり水に隠れる程度に水を足す。 中火にかける。(蓋はしない。)
  3. 沸騰したら砂糖を一度に加え、とろ火に弱めて、蓋をせずそのまんまひたすら煮る。 途中でかきまぜる必要はない。 心配だったら時々鍋を揺する程度で十分。
  4. 一時間弱煮たら鍋の中を確認し、煮汁が少なくなって「水あめ」のようになるまで、鍋を揺すりながら煮詰める。 細かな泡がぶわーっと上がって来るので、時々鍋を火から遠ざけて煮汁の具合を確認すること。
  5. 仕上げに醤油を加えて、ひと煮立ちさせたら火から下ろす。 鍋に入れたまま室温まで冷ました後で器に移す。

大豆の水煮缶はそのままだとかなり軟らかいが、時間をかけて砂糖の高張液で炊いてゆくうちに、だんだんと余分な水分が抜けて、シコシコと歯ごたえのある大豆に戻ってゆく。 次の日以降になれば尚更で、そこが魅力。 大豆本来の味も濃縮されて、市販のものよりは数段美味しく出来るような気がするが・・まあ、「煮た大豆が好きでない者」のセリフなので、あまり説得力がないかもしれない。 (大豆好きな方がいらしたら、是非お試しいただいて、感想をお知らせください。) 少なくとも「煮た大豆が好きでない者」でも、美味しく食べられたことだけは保証します。

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2009.01.23

名前が分からない

お正月のお餅のお供に買った「きなこ」が余っていたので、そう言えばあんなお菓子があったような・・と、雰囲気だけで作ってみたら、案外いけたのでご紹介。

(名前が分からない)きなこのお菓子

  • きなこ        40g
  • 打ち粉用きなこ  少々
  • 蜂蜜         50g
  1. 耐熱素材でできたボウルに蜂蜜を入れて、電子レンジで40秒ほど加熱。 ぶくぶくすればオーケイ。
  2. 加熱した蜂蜜にきなこを加えて混ぜる。 ベタベタならきなこを足し、ボロボロなら蜂蜜を追加して、ひとつに纏められるように調整。
  3. 打ち粉用のきなこを広げた上で、きれいに洗った手で2のきなこ生地を直径2cm弱の棒状に整える。
  4. 包丁で乱切りにし、断面に打ち粉用のきなこをまぶし付けて出来上がり。

多分、水あめや黒蜜等を使っても出来そうな印象。 すぐに食べてしまうならきっと糖蜜を加熱しなくても大丈夫。 時間が経つと表面のきなこが湿ってお互いにくっついてしまうので、適宜きなこをまぶし直して。

昔どこかで食べたことがあるような、懐かしい味がしました。 きなこが余っていたら、どうぞ。

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2009.01.12

大根を炒める

大きな大根。 ほっこり煮ると甘くてさすが冬の味。 ・・なのだが、煮物とサラダにはちょっと飽きてきたので目先を変えて。

牛肉と大根の炒め物  4人分くらい

  • 牛肉(薄切り、切り落とし、コマ等)   300g
  • 大根                     3分の1本~半本
  • 大根の葉                  適宜
  • 片栗粉                   大さじ1強
  • 胡麻油とサラダ油             適宜
  • 唐辛子                   1本
  • ニンニク                  1片
  • 酒                      大さじ2
  • 砂糖                     大さじ1
  • 醤油                     大さじ2
  • オイスターソース              大さじ1
  1. 牛肉はやや大きめの一口大に切る。 大根は厚めに皮を剥き、縦長の乱切りに。 大根の葉があれば洗って2cm幅に切る。 ニンニクはスライス。 唐辛子は適宜種を抜いて小口切り。
  2. フライパンにサラダ油を熱し大根を炒める。 表面に油がまわったら蓋をして中火で3分蒸し焼き。(表面にうっすら焦げ目がつくと良い。) 別皿に取りだす。
  3. 牛肉に片栗粉をまぶしつける。 改めてフライパンに胡麻油を熱してニンニクと唐辛子、牛肉をほぐすように炒める。 肉の色が変わったら、大根の葉を入れて軽く炒め、酒・砂糖・醤油の順に加えて味を絡める。 大根をフライパンに戻して炒め合わせ、オイスターソースを入れて全体に絡めて、出来上がり。

大根のコリコリした食感を楽しみたいので、あまり長時間蒸し焼きにしないように注意を。 オイスターソースが手元になければ、醤油を大さじ3弱に増量。 お好みで生姜や長ネギを追加しても。 炒め物なので牛肉は赤身肉で大丈夫。

煮ものより短時間で出来ますし、また違った大根の顔が楽しめます。 

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2009.01.05

土鍋ジンギスカン

焼き肉用にカットされたラムのもも肉を買っておいたので、夕飯に食べようと思っていたのだが、思いの外寒い一日となり、やっぱり何か鍋物にメニュー変更しようか、と、作る段になって迷う。 結果としては、がっつりとラムを食べたい気持ちに押され、初志貫徹でラムを焼くことにして一度出してみた土鍋を箱にしまいながら、「待てよ。 これで作ってみようか・・」、と。

ご存知の通り羊肉が美味しくなくなる条件は二つある。 ひとつは加熱のし過ぎ、もうひとつは冷めることだ。 土鍋の肉厚の鍋肌を上手に使えば、余熱を活かして食卓調理みたいな具合に出来ないかな、そうすれば、なかなか冷めないし二重に好都合と目論む。

土鍋の底に薄くオイルを塗って、芯を残したまま一枚を4つぐらいにちぎったキャベツを3枚、人参5cm分をスライス、皮を剥いたジャガイモ一個分を5mm厚で、子房に分けたブナシメジ半株、それにこれでもかとたっぷりのモヤシとニラ。 水気を出させるために塩をひとつまみぱらぱら振って、重たい土鍋の蓋で抑え込むようにして蓋をし、弱火で15分程じっくり蒸し焼きに。 野菜に火が通ってじんわりと蒸気が上がったところで、一番上に軽く塩胡椒したラム肉を重ならないように広げて乗せ、もう一度蓋をして5分。 そのまんま食卓に運び、銘々皿で「焼き肉のたれ」やポン酢醤油、唐辛子などお好みで。

普段の焼き肉より焼き油が抑えられてあっさりと、また、蒸し焼きの特性か野菜とラムが一体化した感じで美味しく頂けた。 狙った通り、最後までそれなりの温かさで楽しめた上に、時間が経っても焼き過ぎの心配もなく、「よしよし!」の感じに。

羊肉が苦手だとおっしゃる方も多いけれど、ちゃんと料理したラムはそんじょそこらの和牛よりも美味しい食材だと、個人的には思う。 くどいようだが、コツは加熱しすぎないことと、加熱したらアツアツの内にすぐ食べること、の、二点。 どうぞそれだけを意識して。

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2008.12.13

三色丼

久し振りに「三色丼」を作った。 我が家ではお弁当を持って行く人がいないので、あまり登場の出番がない。 それでたまに「そう言えば・・」と思い出して、夕食に作ることになる。

当たり前ながら「三色」は食材の色の問題だから、作り手や手元の食材によって色々な「三色」が存在するを、学生時代に友人のお弁当を覗き込んで知った。 我が家では肉そぼろ・煎り卵・青菜炒めの、茶・黄・緑の「三色」が定番だったが、友人のお弁当で結構あったのは塩鮭のほぐし身・煎り卵・焼き海苔の薄紅・黄・黒の組み合わせ。 桜でんぶが使われていると、一気に色調が明るく派手になり行楽弁当のような装いになる。 煎り卵に代わってタクアンを細かく刻んだものが黄色として使われているものもあったっけ。 中には三色ではなく四色のもあったりして、懐かしい光景だ。

レシピ集などを読むと肉そぼろには鶏肉を使うのが通例のようだが、我が家では合挽きか牛の挽肉が多かった気がする。 鶏そぼろで慣れている方にはちょっと変な感じに思えるかもしれない。 鶏そぼろよりもしっかりと味の染みた濃い味に仕上がる。 ただし、赤身の挽肉を使わないと、炒め煮している最中にこれでもかというくらいに脂が浮いてきて大変なことになるので、肉を買う段階で注意が必要。

肉そぼろに生姜を入れると臭みが消えるし味わいも増して一石二鳥なのは、言わずともがな。 私は手持ちの八丁味噌を醤油と半量ずつくらいに使う。 挽肉に味がまとわりつく感じになって深みが増し、冷めても味が変わらない。 八丁味噌と砂糖やみりんを合わせたコンビがいかに美味しいかは、想像がた易いでしょう? 八丁味噌の酸味が出ない程度に使うのがポイントだろうか。

一つ一つ素材を調理してゆくのでなんだかんだ手間がかかる割には、丼だから食べ始めるとあっという間に終わってしまう。 そこがちょっと悔しいような気もするのだけれども、ごはんと合うものばかりごはんの上に乗せて作るから、当たり前のようにごはんと一緒に口に入れると美味しさが引き立つのが魅力的で、たまに思う出したように食べたくなる。 この美味しさをお弁当だけに独占させているのはあまりに惜しい。

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2008.11.09

蒸しパン

雨がしょぼしょぼと降り続いて寒い一日に。 ほっこりと温かいものが恋しかったので、午後のお茶に蒸しパンを作った。

蒸しパンの魅力はなんといっても、てっぺんに出来るあの「裂け目」に集約されるように思う。 アルミケースに流し込む時には『でれーん』といかにも頼りない印象の生地が、どうしてあんなにぱっくりと、それでいてふっくらと口を開くのかと毎度ながら感心してしまう。 バターケーキやチーズケーキでも同じように裂け目はできるが、あちらは蒸しパンに比べれば固い生地で固い焼き上がりなので、然もありなん・・と印象も薄い。

かつて電子レンジで蒸しパンが作れると聞いて試してみたことがあった。 昔の電子レンジは場所によってマイクロ波の当りムラが大きかったり、出力の調整が出来なかったりして、結局は加熱時間の調整が上手くゆかずに諦めたのだったが、ガラス扉の向こうで生地がもくもくと膨らんで、やがてぱっくり裂け目ができる様子をじっと観察できたのは面白かったことを記憶している。 今でも中の蒸しパンがどんな様子で膨らんでいるのか、途中で蒸し器の蓋を開けて覗きこんでみたくなる衝動を押さえるのに苦労する。

蒸しパン  底の直径3cm弱の小型アルミケース4個分

  • 薄力粉            50g
  • ベーキングパウダー    小さじ半分強
  • 砂糖             大さじ1
  • 牛乳             50cc
  • 生のサツマイモと小豆の甘納豆
  1. 薄力粉、ベーキングパウダー、砂糖を器に合わせ、牛乳を注いでダマが無くなるまで混ぜる。 このくらいの量ならばわざわざ粉をふるう必要はない。 手早く混ぜれば大丈夫。
  2. サツマイモは一辺1cm弱のダイスに切る。
  3. アルミケース等の耐熱性の容器に小さじ1程生地を流し入れ、サツマイモのダイス3~4個と小豆の甘納豆5粒程度を生地の上に散らす。
  4. 残りの生地を等分して具の上から流し入れる。
  5. 蒸気のあがった蒸し器で、強火で10分蒸す。 竹ぐしを刺してみて生地が付かなければ出来上がり。

プロセスチーズやジャム、栗、レーズン、ダイスに切った羊羹、などなど、具は手持ちのもので工夫してください。 生地にココアや抹茶、コーヒーを混ぜても。 黒砂糖を使っても美味しい。 器が大きい場合は、分量全体を何倍かに増やして。 蒸し器で湯を沸かす間に準備が整ってしまう手早さが魅力!

懐かしい記憶を思い出すような素朴な味。 ノンオイルで体にも優しいかな。 

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2008.10.26

酢だけがポイント

店先でたくさん見かけるようになった里芋で、ほっこりと煮物を。

鶏手羽と里芋の煮物

  • 鶏手羽元なら5~6本、手羽先なら10本くらい
  • 里芋          6個
  • 人参          半本
  • 干し椎茸        3枚
  • 水            250cc
  • 酒            大さじ3
  • みりん         大さじ1
  • 砂糖          大さじ1
  • 醤油          大さじ2と半
  • オイスターソース   大さじ半
  • 酢            小さじ半
  1. 干し椎茸を分量の水で戻し、一口大に切る。 手羽は骨に沿って切り込みを一本入れてから室温に戻しておく。 人参は大きめの乱切りに。 里芋は泥を洗って、皮付きのまま耐熱容器に入れてラップをかけ、電子レンジで4分加熱後、粗熱を冷ましてから皮を剥く。 大きめのものはふたつ切りにしても。
  2. 鍋に干し椎茸の戻し汁、酒、みりん、砂糖、醤油、オイスターソース、酢を入れて火にかけ、煮汁が沸騰してから、鶏、里芋、人参、干し椎茸を入れてアクを取り、落とし蓋をし、中火~弱火で20分ほどコトコト煮る。
  3. 一度火から下ろして、鍋ごと室温まで冷ます。
  4. 食べる前にもう一度火にかけて、煮汁をお好みの濃さまで煮詰めてから、盛りつける。

前日にでも時間のある時に作っておけば味が染みて便利。 インゲンなどを塩茹でして青味として添えれば、より見た目もきれいに。 手元にあれば八角(スターアニス)をひとかけら入れて煮ても。 落とし蓋がなければ、キッチンペーパーやアルミホイルで代用を。 

昔のように「鶏肉臭い鶏肉」には出会わなくなった気がするので、生姜もネギも使いません。 鶏肉があまり好きでない方は、臭み抜きに香味野菜を加えていただければ、と。

分量はほんのちょっとだけですが、酢を入れるのと入れないのでは雲泥の差! 忘れずに使ってください。 多分唯一のポイントです。

ルセットで肉を煮込む前に「しっかりと表面を焼いてから」という記載をお決まりのように見かけますが、洋食の『軽い煮込み』のようにソースに和えるだけのような調理ならまだしも、和食でじっくり煮込む場合には、焼きつけようが焼き付けまいが出来上がりの美味しさの違いに、大きな差は無いように思います。 あくまでも個人的感想ですけど・・。

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2008.09.24

焼くのに飽きたら

美味しくなってきた秋鮭。 いつもと違うものを作ってみたくなったので。

鮭の揚げマリネ 2人分

  • 鮭     2切れ
  • タマネギ  4分の1個
  • プチトマト 6個くらい
  • レモン汁  大さじ2
  • 砂糖    小さじ1
  • タバスコ  5滴くらい
  • 片栗粉   適宜
  • 塩と胡椒
  1. 鮭は皮と骨を取り除いて一口大の削ぎ切りに。 タマネギはスライスして(タマネギの辛さが苦手な場合は水で晒して)おく。 プチトマトは2~4つ切り。
  2. 耐熱性のガラス等「酸」の影響を受けない容器に、レモン汁と砂糖、タバスコを入れて混ぜる。 そこへスライスしたタマネギとプチトマトを入れて、軽く混ぜる。
  3. 鮭に塩と胡椒でやや強めに下味をつけて、片栗粉を薄く均一にまぶし、高温の揚げ油でカリッとするまで揚げる。 揚げ上がったものから、油を良く切るようにして直接2の容器の中へ入れてゆく。 余裕があればその度にササッと絡めてゆくようにすると良い。
  4. 鮭が全て揚げ終わったら、全体を良く混ぜて冷めるまで放置。 時間があれば、その後冷蔵庫で冷やして味を馴染ませる。

もちろん、セロリやピーマン、ニンジンの千切りやパセリのみじん切りなど加えても美味しいし、マリネ液の中に粒マスタードやディル、ケッパースを入れたりすればお店っぽい味に。 鮭にまぶす片栗粉にカレー粉を少々混ぜると、よりプロっぽくなる。 レモン汁を好みのお酢で置き換えたり、タバスコの代わりに豆板醤を使ったりしても。 鮭をエビや鶏肉に代えてもきっと(多分)美味しい筈。 ・・まあ、作る方の腕の見せ所で、いかようにもいじってくださいね。

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2008.08.22

これで夏は終わりなのか?

急に涼しくなって、体がびっくりしている。 なんだか極端な気候だな、と、改めて思う。 まあ楽と言えば楽に違いないが、このまま残暑も無く秋になってしまうというのも悔しいような気になるのが不思議だ。

おかげでビールの味も良く判るようになり、ゆっくりと楽しみながら飲む余裕ができた。 暑い時はかーっと飲んであっという間に終わってしまうから、勿体ない。 まあそんな時は何を飲んでも大差無いので、発泡酒にしておくのだけれども。

キャベツとピーマンを山のように使って、回鍋肉を作った。 ワサワサと野菜を食べている自分は、快感であることが多い気がする。 カックンと夏の疲れが出ないように、上手に体を調整しなくては、な。

 回鍋肉の調味料

  • オイスターソース                  大さじ1
  • 豆板醤(省略も可)                 小さじ4分の1
  • 醤油                         小さじ半分
  • テンメンジャン又は味噌(出来れば赤味噌)  小さじ1
  • 味醂と酒                      それぞれ大さじ1

これで豚肉200gくらい、キャベツ5枚、ピーマン3個分。 豚肉には分量外の醤油と酒少々で下味をつけて、片栗粉をたっぷり目に絡ませてから焼くと美味しい。 ニンニク、生姜、長ネギなど中華の香味野菜が手元にあれば使ってください。 肉と香味野菜だけしっかりと炒めてから、キャベツもピーマンも半生程度の加熱で盛りつけると、余熱で充分いただけます。 キャベツは大きめに手でちぎるのが美味しさの素! 

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2008.07.29

経験を積む

「最近、趣味で畑仕事を始めた」という方が、収穫のおすそ分けを届けてくださった。 その中にニンジンがあったのだが、俗に言う「人参」の赤い根の部分は5cm程度しかなくて、まるでミニ・キャロットなのに、葉っぱばかりがとても立派で30cm近くワサワサと茂っている。

これは「葉っぱを食べてください」ということかな?、と、考えつつ、困ったことになったぞ、とも思った。 以前、調べ物をしていて懐石料理の本を続けて読んでいた際、「ニンジンの葉の白和え・胡麻和え」という献立が何度も出てきたので、私の料理の師匠である実家の母にその話をしたら、「ニンジンの葉っぱなんて、戦争中でも誰も食べなくて畑に残っていたのにねえ。」、との反応が返ってきたからだった。 「ジョリジョリと強張って、とても食べられる代物ではなかった」らしい。 今までの人生の中で、まだニンジンの葉を食べた事が無い私は、それを聞いて、試してみたいという興味の出鼻を見事に挫かれたのだった。

とりあえず洗って泥を落とし、ワサワサの葉っぱをちょっとだけ千切って食べてみた。 ・・母の言っていた「ジョリジョリと強張って」の意味がよく判る。 どう考えても生で食べるのには不向き。 サラダは諦める。 香りはニンジンとセロリとパセリの中間という印象。 考えていたより「えぐみ」のような癖は無いが、この繊維っぽい感じは何とかしなければ。

まずは「困ったときの天ぷら」ということで、薄衣に絡めてかき揚げにしてみた。 干しエビと竹輪の薄切りを一緒に混ぜる。 山菜や野草なども天ぷらにすれば、けっこう何でも美味しく食べられるので、何とかしてもらう気持ちで。 すると、全く問題なく美味しく頂けた。 恐る恐る一口食べて、「あっ大丈夫だ。」 『ますたあ』は「これなら春菊の天ぷらよりも美味しい」と言う。 ふむふむ案外イケるじゃないか、と、ちょっと肩の力が抜けて、どんなものかと恐れていただけに、逆に拍子抜け。

次の日はスープの具に使ってみた。 コンソメ仕立ての具だくさんスープ。 キャベツ、タマネギ、キドニー・ビーンズ、ニンジン(の根)、エノキタケ、ジャガイモ、味出しにベーコン。 最初にベーコンから出た脂で具材を炒め、そこに葉っぱをザクザクに刻んで入れる。 じっくり味をしみ込ませるように煮込んで出来上がり。 さすがに茎の部分は「ジョリジョリ感」が少し残っていたが、葉っぱはほとんど香りも目立たず、知っていなければニンジンの葉とは判らない仕上がり。 違和感はない反面、もっと自己主張があっても良いのにな、と、残念。 普通に美味しい具になってしまった。 案外万能野菜なのか? 自信が付いてきた感じ。

最後の残りはパスタに。 アーリオオーリオペペロンチーノに混ぜてみた。 スープで学習したので、茎(軸)から葉の部分だけを丁寧に摘み取って集め、出来上がりの最後にさっと炒め合わせる。 何故かセリに似た味わいになった。 すごく美味しいと言うほどではないが、普通に美味しい。 食べる方も余裕が出てきて、「あーハイハイ、こんな感じね。」などと、軽口を叩きつつ。

本に載っていたくらいだから、白和えや胡麻和えに使えば無難に美味しいに違いないと思って、わざと冒険するつもりでいきなり違うメニューを試してみたのだったが、次回はそちらにもトライアルしてみたいものだ。 わざわざ選んで使いたい食材でもないが、採れるなら捨てることもないし、美味しく食べられる性質のものだったように思う。 これが食糧難時代に畑に残されていたとは、俄かには信じ難いけれど、多分、私が貰ったのは「洋人参」で、当時栽培されていたのは「和人参」だったのではないかと想像する。 しかし、懐石料理に使われていたとなると「和人参」だっただろうしなあ? 育て方の差か?・・まだまだ謎は多い。

ニンジンの葉っぱと格闘しながら、何事も経験だな、と、思った。 御馳走様でした。 

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2008.07.15

久しぶりのプリン

このところ日を追う毎に、羽化した蝉の数が増えているのがわかる。 いよいよ夏。 根拠もないのに、なんだかバテそうな予感がしてちょっと心配だ。

今日は久しぶりにカスタード・プリンを焼いた。 私は小さなプリン用のカップで作るより、パイ用の焼き皿やパウンドケーキ型、エンゼル型なんかを使って焼くのが好きだ。 理由は、その方が底のカラメルに触れる面積が増えるから。 急に思い立って作ったので、氷水で冷やしたのだが、中心部はまだ冷たいというよりはぬるい感じだった。 短時間でちゃんと冷やすには、レギュラーのアルミ製プリンカップを使うべきだったかもしれない。

まあ結果としては冷え過ぎていないプリンもなかなかのもので、逆に卵や牛乳の味と香りがしっかり感じられた。 同じようなプリン生地でも果物を埋めてクラフィティを焼けば、アツアツのまま食べたりもするのだし、有りは有りなんだという気がする。 ・・この暑さで、冷たいものが欲しくなっていた、というだけのことだろう。

残り半分は冷蔵庫で十分冷えてもらって、明日のおやつ。 二日目のプリンはギュッと締まって冷たさに負けない濃厚さを作り出している筈。 それもそれで楽しみだ。

カスタード・プリン

  • Mサイズの卵     3個
  • 牛乳          360cc(60cc分までを生クリームに置き換えても可。)
  • 砂糖          60g(あればグラニュー糖で。)
  • バニラオイル   2~3滴
  • バターまたはマーガリン適宜
  • カラメルソースとして  砂糖 大さじ3  水 大さじ1
  1. 焼き型の内側に薄くバターかマーガリンを塗る。
  2. 小鍋にカラメルソースの砂糖と水を入れて中火にかけ、茶色に色づくまで熱する。 鍋を揺すらずに静かに加熱すること。 濃い色に焦げたら、素早く焼き型に流す。
  3. ボウルに卵を割り入れて泡立て器でよく溶きほぐしておく。
  4. 鍋に牛乳と(生クリームと)砂糖を入れて、ヘラなどで混ぜながら中火で沸騰直前まで温める。
  5. 卵のボウルに4の熱い牛乳を糸を垂らすように少しずつ加えて、泡立て器で常にかき混ぜながら、全量を混ぜ合わせる。 バニラオイルを入れる。
  6. 5の卵液を漉し器に通してから、焼き型の中に流す。
  7. オーブンの天板に水を張り、オーブンに入れて、150℃に予熱する。
  8. 庫内が予熱できたら、天板の上に焼き型を乗せて、そのまま湯煎しながら40分焼く。(小型のプリンカップの場合は30分。) 天板のお湯が減ったら適宜足して、常に湯煎になるように注意する。
  9. 焼きあがったらオーブンから出し、粗熱を取って冷蔵庫で冷やす。

もちろん鞘のバニラを使えば、より本式な美味しさに。 でも、普段のご自宅用ならバニラオイルで充分。 ・・手軽さ優先で。 いつも持っている材料だけで作れるのが嬉しい!

大きめのスプーンなどでカッポリと大きくすくうようにして、お皿などに移していただきます。 甘さを控えた8分立ての生クリームやバニラアイス、果物などと盛り合わせても。 

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2008.06.26

大豆でかき揚げ

諸般の事情により、冷蔵庫の中の生鮮食料品をほぼ食べ尽くした状態で、夕飯を作らねばならない事態に陥る。

先だって実家の母が送ってくれた荷物の中に入っていた「大豆の水煮缶」を、蛋白質源として使うことに。 食べごたえを出したいしなあ、と、しばらく考えて、かき揚げにしてみようと決めた。 例の「やたらに高価な玉露茶」の出がらしのお茶っ葉、それと、干しエビをたっぷり合わせて。 油の中でバラけないように、衣はいつもより濃い目に。

スプーンを二本使い一口サイズに中温の油に落として、ちょっと大豆がこんがりするくらいまでしっかり揚げ、仕上げは高温にしてからりと。 

抹茶塩をつけて・・とも、思ったが、お茶っ葉を入れたので「お茶オンお茶」になってもくどいかな、と、食卓塩と天つゆを用意した。

これ、美味しいですよ。 大豆の独特の臭み?が抜けて、歯ごたえも出て。 ちりめんじゃこや竹輪の薄切りを合わせても良いだろうし、三つ葉を使えば上品になりそうだし。 いろいろと応用できそうな予感。 お酒の肴としても良い感じ。

必要に迫られると、新しいメニューができる。 たまには自分を追い込むことも必要か?

●大豆の水煮80gに、使った後の茶がらを大さじ2、干しエビを大さじ2。 小麦粉大さじ3と水適宜で衣を。 ボウルに具材を全て入れて、小麦粉を全量振りかけて、しっかりとまぶしつけるように混ぜ合わせてから、水を入れてざっくりかき混ぜながら濃さを調節。 手早くすればこんな手抜きのやり方でも、からりと揚がります。

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2008.05.20

きゃら蕗作り

暮らしている山の麓の集落の奥さんが、庭の蕗を摘みにやって来た。 ・・と、いっても勝手に生えている野生の蕗だし、しかも生えている場所も何か所もあるので、こちらも家族だけではとても食べきれないし、勢いよくテリトリーを広げる蕗はやがて雑草扱いで刈り取られてしまう運命にあるので、こちらとしても「どうぞどうぞ、好きなだけ摘んでいってください」状態である。

触発されたので、私も少し摘んで太いものは煮物に仕立て、細いものは「きゃら蕗」に。

きゃら蕗

  • 細い蕗の茎         1kg
  • 荒塩             適宜
  • 醤油と味醂         180ccずつ
  • 砂糖             大さじ3~5
  • 唐辛子            1本
  • だし汁            300cc
  1. 蕗は葉を落してからまな板の上で荒塩を使って板擦りする。 水洗いしてから3~4cmの長さに切り揃える。(皮は剥かない。) 大きな鍋に湯をたっぷり沸かし、切った蕗を入れて10分間煮る。 ざるに茹でこぼす。
  2. 唐辛子は種を抜き、キッチン鋏で細かく切っておく。
  3. 鍋を洗ってから、全ての調味料とだし汁、唐辛子、茹でこぼした蕗を入れ、強火にかける。 煮立ったら中火に落とし、焦げ付かせないように時々かき混ぜながら約1時間、煮汁がなくなるまでしっかり煮詰める。
  4. 冷ましてから清潔な容器に移し、保存用なら冷蔵庫へ。

甘さはお好みで調節を。 辛いのがお好きなら唐辛子を増量しても。 だし汁の代わりに、昆布10cm分を細かく切ったものと鰹節5gを水と一緒に煮ても大丈夫。 その場合は昆布も鰹節も一緒に食べてしまえばオーケイ。

お茶漬けにすると美味しいですよ。

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2008.05.13

文句のつけようがない

なんと6300円@ほぼ100gもする玉露茶が手元にある。 丁寧に湯冷ましをして、丁寧に葉を開かせて、丁寧に注いで丁寧にいただくと、言葉がなくなるくらいに美味しい。 これだけのお値段なのだから、少しでも不満な部分があれば目ざとく見つけ出してやろう!、なんて意地悪く思うのだが、文句のつけようがないとは正にこのことで、思わず「参りました」と言った。 一保堂茶舗の商品。 高い方から2ランク目のもの。 最高ランクの玉露は10000円を超える値が付いているようだ。 いったいどんな味、どんな香りがするのだろうか。 一生の内に一度くらい試してみようかな・・例えば誕生日に自分へのプレゼントとか、そんな特別な日にでも。 (でもなぁ、いざ一万円手元にあったら何か別のことを優先しちゃいそうだな、ブツブツ。)

若い頃に教えを受けた裏千家の師範が必ずこの一保堂茶舗のお抹茶を使っていたので、そちらは茶会に応じて様々なランクのものを飲んでいたのだが(当然お稽古では安価なもので済まして、茶会や行事では良いお抹茶を使う。)、ここの玉露は初めてである。 静岡もお茶の産地としては名高く、現在普段飲んでいるのは主に掛川産のもの。 静岡茶には静岡茶の美味しさがあるし、もっと言ってしまえば、狭山茶には狭山茶の、八女茶には八女茶の美味しさがあることは重々承知の上でも、個人的には宇治茶が一番好みに合っているようだ。 いろいろと浮気してもやっぱり宇治茶に戻ってきてしまう、ふと気付けばそんな循環を大人になってからずっと、長い周期で繰り返しているように思う。

不思議なもので、手頃な価格帯のお茶は三煎目でもそこそこ飲めるのに、高級な美味しいお茶は二煎で力を使い切ってしまうようで、そこから先はぱったりとお湯に近くなる。 高ければ高いほどそんな傾向があるように見受けられるが、気のせいだろうか。 私のような一般庶民は、「出枯らし」になったお茶っ葉を急須の底に覗き込んでも、「100g6000円か・・」などとついつい思ってしまい、「これも何かに使えないものか?」、と、なる。 なので、白和えの衣を急遽作って、さつま揚げの薄切りと一緒に和えて、「出枯らしのお茶の白和え」に仕立ててみた。 出枯らしであっても噛むとお茶の甘みや香りが残っていて、非常に上品な仕上がりになった。 次回は「かき揚げ」の具に混ぜてみようかと目論んでいる。

どうせ高いお茶なんだから、とことん味わい尽くさなくっ茶(ちゃ)?? お茶の葉が新鮮なうちに、たっぷり美味しくいただこう。 久しぶりに日本人であることの幸せを感じている。  

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2008.05.07

ジョニーじゃなくても

寒い間は短時間電子レンジでチン!して、「あったか奴」で食べていた豆腐・・。 そろそろ冷たいまま、字の如く「冷奴」も美味しい気候になってきた。 ところが、同じメーカーの同じ豆腐なのに、「あったか奴」より味も香りも薄く感じる。 温度の差による感受性の変化か、とも思ったのだが、どこか腑に落ちないと言うか、それだけでは根拠として足りない気がして、いろいろと考えてみた。

その中でひとつ「あー、あるかも知れない」、と、納得したのは、水分含有量の違いだ。 豆腐は温度が上がると余分な水分が抜ける。 例えば麻婆豆腐を作る時、切った豆腐を短時間茹でて水切りしたりするのもその原理で、豆腐の水切り方法として、「ペーパータオルや清潔な布巾で包んで、電子レンジで加熱する」というやり方も確立されている。 「あったか奴」を温める際にも加熱すると器の底に豆腐から出た水分が溜まるので、それを捨ててから食卓に上げていた。 「冷奴」は切ったそのままなので、当然水分量は多い筈で、だとすると味も香りもその分だけ薄くても当然かも知れない。

ならば、で、実験してみた。 他の方法で余分な水分を抜いてみようかと。

食べる分の豆腐を切って、「美味しい水」をひたひたに張ったボウルに移す。(厳密に言えば、これは塩素臭が強い都市部の上水道の場合で、普通の水が美味しいならそれで充分。) コツはここから先だ。 その「美味しい水」に小さじ1程度の塩を溶かしこんでおく。 そして、そのまま30分ほど冷蔵庫で寝かせてから、食べる直前に水から上げて器へ。 結果は大成功だった。 「あったか奴」と同レベルの美味しさまで簡単にランクアップ! これは使える手だと思う。

もちろんこだわりのある美味しい豆腐を入手できればいいのだが、手持ちの普段使いの豆腐でも、ひと手間かければ、そこそこ美味しい豆腐に変身してくれることが判ってちょっと嬉しい。 簡単な割には結果が大違いなのでお勧め!

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2008.05.02

ういろう

ちょっと前、『ますたあ』がいきなり「ういろうが食べたいな」、と。 「凄く食べたいなら、取り寄せるなり何なり手を打つけど?」、と、確かめると、食べたいことは食べたいが、そんなに重要ではないことが判ったので、名古屋ならその内に行く機会もあるだろう、と、未決案件のままにしておいた。

昨日、回覧板に挟まっていた隣町の病院の「住民の健康意識を高めるための機関紙」に、たまたま手作り和菓子のレシピとして「桜の花の塩漬けを使ったういろう」が掲載されていたので、「おや、ナイスなタイミング!」、と、読んでみると、メインの材料は小麦粉(薄力粉)と砂糖だ。 あれ?ういろうって上新粉から作るんじゃなかったっけ? しかも、基本的には材料に水を加えて蒸せばいいようで、ひどく簡単そうに見える。

こりゃあ放っておけない、とばかりにネット検索で調べてみると、薄力粉で平気らしいし、レンジで加熱すれば尚更簡単に出来るらしいことが判った。 なので、早速今日のおやつに、トライ!

レシピはこちら。 ネスレのサイトなので、コーヒー味。

確かにういろうが出来た。 ・・当たり前だ。 すぐに簡単にできた。 失敗の仕様がない。 唯一のコツは、室温に冷めてから型から抜くことくらいか。 クックパッド等を見ると色々とアレンジのし甲斐もありそうだ。 物凄く美味しいというものでもないように思うが、昔ながらの素朴なお菓子。 「すあま」とかその手のモチモチしたものがお好きな方なら良いんじゃないかな、ノンオイルで出来ることだし。

しかしながら、材料費を考えてみると、とても安上がりなことが判る。 小麦粉が値上がりしたことを考慮しても、それでも十分に安い。 「こりゃあ、ういろう屋さんはボロ儲けだよね!」、なんて、笑いながらのお茶になった。

次回はプレーンなういろうにして、黒蜜ときな粉でもかけてみようかと思っている。

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2008.05.01

ひとり舞台

新玉ねぎも美味しいが、古い玉ねぎを放っておくと芽が生えてくるシーズンになったので、たっぷり使ってスープを。

タマネギのスープ

  • タマネギ     1個
  • バター      小指の先くらい
  • 固形ブイヨン  1個
  • 水         400ccくらい
  • (もちろん自分で引いた鶏ブイヨンなら更にグー!)
  • 塩・胡椒
  1. タマネギは茶色の外皮を剥き、半分に切ってから繊維に沿って出来るだけ薄くスライスする。
  2. 鍋にバターを落として中火にかけ鍋底に馴染ませたら、スライスしたタマネギを全て入れる。 塩をふたつまみ加えて、じっくり丁寧に炒める。 オニオングラタンを作る時のように飴色になるまで炒める必要はないが、白くねっとり感が出てくるまで気長に5分ほど炒める。 焦げついてくるようならば弱火に調整。
  3. 水と固形ブイヨンを加え、火力を上げて、鍋底や鍋肌に付いた旨味を撫で取るようにする。 沸騰したら弱火に落とし10分ほど煮る。
  4. 味を見て塩で調整。 器に盛ってから胡椒をお好みで。

残ったら豆の水煮やソーセージ、カレー粉を少々加えたりしてリメイクしても、また違った美味しさ。 あれば乾燥させたタイムをほんのひとつまみ加えて煮込むと、ぐっと風味が増す。 もちろん仕上げにパセリのみじん切り等を浮かせても良いのだが、今回は思いっきりタマネギにスポットを当てたかったので、敢えてそのまんまに。

ブイヨンを二番だしに置き換えて、仕上げに2・3滴醤油を加えると、和食のご飯にも合う味に変身。

ちょっとしか使わないからこそ、バターで炒めてください。 必ず炒める段階で塩を入れることを忘れずに。 

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2008.04.17

どれもが主役級

今夜のメニュー・・

昨日の内に下茹でしておいた筍を、油揚げと少々の人参と一緒に煮てから炊き込む。 お焦げのこうばしい香りも楽しみの一つだ。 やっぱり春の間に一度は食べておかないと、ね。

白菜の株から伸びた塔をつぼみごとサッと茹でてお浸しに。 あく抜きを済ませたワラビも手元にあるが、山菜ばかり並んでも・・と、そちらは明日に回すことにした。 代りに、粒の細かい新じゃがを電子レンジで「チン!」して、新玉ねぎのスライスとサラダ菜、トマトと一緒にフレンチドレッシングで和えたサラダ。 木綿豆腐にはフキ味噌をのせて田楽風に。 つぼみの先端が花になりかけてうっすらと黄色く色づいた露地もののブロッコリーと春キャベツを、豚もも肉と一緒にニンニクの香りで炒めて、仕上げにオイスターソース。 キャベツは短時間水に放ってバリバリの状態にしておいてから炒めると、歯ごたえも楽しめる。 キャベツだけおしまいにさっと合わせて、わざと半生でお皿に移す。 元気の良かった大根の葉は細かく刻んで、赤だしの味噌汁の実。

食後の果物は「紅ほっぺ苺」。 つやつやと光って、ガーネットの滴みたい。 清美オレンジも瑞々しくて甘い。

窓の外だけじゃなく食卓の上も春真っ盛りだ。 いろいろな食材を楽しめるこの時期は、料理を作っていても楽しい気分になる。 季節のある国に生まれたことを感謝。 ご馳走様です。

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2008.04.15

小女子(こうなご)丼

シラスを乾燥させた「ちりめんじゃこ」の親はイワシ、で、「小女子(こうなご)」の親はイカナゴ。 関西では単に干しただけの「小女子」よりも、甘辛く煮詰めた「釘煮」の方が人気があると聞く。 どちらにしても親が誰であっても美味しいことには変わりなく、新物が出回るこの時期にはついつい買ってしまう。 ビールを飲みながらぽつぽつとそのままつまむのも良いし、大根おろしと盛り合わせても美味しいし、炒めご飯やパスタに入れても良いし、かき揚げに混ぜたりすれば旨みがぐっと増す。

ハイカロリーなことに目を塞げるなら、私が一番好きなのは「バターじゃこごはん」。 あつあつのご飯を茶碗によそって、バターをひとかけ、じゃこを好きなだけ乗せて、黒コショウをガリガリ挽いて、茶碗の中で軽く混ぜながらいただく。 塩味が足りなかったら醤油をちょびっと回しがけ。

ひとり簡単に済ませるのならそれで充分なのだが、家族のお昼ごはんにしたかったので、今回はもっと上品な「小女子丼」に仕立ててみた。 丼の器にごはんを盛って、たっぷりの小女子をご飯の上に散らし、真中に卵の黄身だけをポトンと落とす。 たっぷりの大根おろしを固めに絞って、青紫蘇の葉と共にこちらもご飯の上に。 葉ネギのみじん切りと刻み海苔をこんもり盛って出来上がり。 食べる時に卵の黄身を崩して、醤油を垂らした。

あっさりとした春の味。 どこか遠くの方でおひさまの風味がプラスされている気もして。

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2008.04.13

バターケーキ

このバター不足のご時世においては最も贅沢なお菓子を作っていることになるのかな、なんて頭の片隅で思いつつ、力いっぱいバターを掻き立てていた。 砂糖もバターもたっぷりの「重たい焼き菓子」を食べたかったのも事実だが、集中してホイッパーを動かしたり材料の重量を量ったりして、「余分なことを考えない時間」を持ちたかったのもあった。 無心で作業に集中する状態を作りたかったのだ。

別名の「カルトカール」は仏語で「4分の1」の意味。 砂糖・バター・粉・卵が同量なことから由来しているらしい。(実際には微妙に増減するが。) シンプルで失敗の心配もなく、混ぜ終えたら型に流して焼くだけなので、思い立ったらすぐに出来るところも嬉しい。 いちばん小さなパウンドケーキ型で焼くと、スライスして一日に一枚ずつ食べていっても数日分ある。 これがまた、まるで生き物のように毎日味や状態が変化してゆくのも面白いのである。 出来上がった日はフワフワ感が強くて卵の香りが表面に出ているのに、日が経つにつれてガッシリと固まってくる感じになってバターが際立ってくる。 レシピ本によっては「一週間経ってから食べろ」と書いてあったりもするのだけれど、食べたくて焼くんだからそんなには待ちきれないことが多い。 焼いている最中にオーブンから漂ってくる香りで、もう負けてしまっている。 食いしん坊の性。

最近は市販のケーキを買う場合にも、奇をてらう余りにいじりすぎて着地点が分からなくなっているものに懲りて、なるべくシンプルな「素材の香りが感じ取れるもの」を選ぶことが多くなってきた気がする。 「年取ってきたかな・・」というちょっと後ろめたいような気持を、「いやいや、こういうのをシンプル・イズ・ベストと呼ぶんだ」なんて、自分自身に言い訳しているのが可笑しい。 自分で作る分には、わざわざ珍しい材料を取り寄せして作るほどのものではないから、結果的に非常にシンプルでオーソドックスなお菓子になることがほとんどで、まさに結果オーライ。

自分の為にバターケーキを焼いたのは、多分一年振りくらいなのではないかと思う。 いろいろな意味で、作っても食べても楽しかった。 気を良くしたので、今度はカスタードプリンでも焼こうかな。

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2008.03.24

桜色のきんぴら

散歩の途中で土筆を摘んできた。 一昨日あたりから急に花粉症の症状が軽くなったし、そろそろウォーキングを再開しようかと目論んでいるのだが、とりあえず本当に外に居ても大丈夫かどうかを恐る恐る確認するような気持で、雨上がりの山道を歩いてみたのだった。 少しはグズグズするものの苦しくはない程度で、結局小一時間のんびりと陽の光を浴びて、たくさんの土筆を集めて帰って来た。 これなら本確的に再開できそうで嬉しい。

早速指先をまっ黒に染めながら袴を取り、水に放つと、あっという間にみずみずしさを取り戻してくれた。 パリッと張りが戻ったところでざるに上げ、手早くきんぴら仕立てに。 鍋に少量の胡麻油を熱して、ジャッと強火で炒め、味醂と醤油を同量で味付け。 出来上がりに煎り胡麻を振る。 たったそれだけのこと。

別に際立った味があるわけでもないので、シャキシャキした歯応えと少しの苦みを楽しむだけのことだが、それこそ「今だけしか味わえないもの」であるところが、唯一ありがたい部分かも知れない。 土筆の軸(茎)は加熱すると赤みを帯びて、ほんのり桜色になる。 そこがなんとも春らしくて好き。 

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2008.03.14

ゼンマイ煮

去年の春に摘んできて作った「干しゼンマイ」が、冷蔵庫の野菜室の隅で眠っていた。 早く食べないと新しいゼンマイが生えてきてしまうな、と、煮物を作ることに。

ぬるま湯で戻してから適当な長さに揃え、一度茹でこぼした。 ふっくらしたところで大ぶりの鍋に移す。 相棒は下茹でしたシラタキと油揚げ。 ほんのちょっとの胡麻油で炒めて、ひたひたのだし汁と砂糖、味醂、日本酒。 しばらく経ってから醤油を加えて、煮汁がなくなるまで気長に炒り煮してゆく。 単純で直球勝負の、お約束通りの「日本の味」だ。

最近煮物を作るのがちょっと楽しくなってきた。 煮初めの薄い味がだんだん煮詰まってゆく過程での、味の変化が面白いのである。 具材から味が煮汁に出てだしや調味料や油分と渾然一体となって、それがまた具材に染み込んでゆく。 それを予想しながら、足し算したり引き算したりして煮汁の味を決めて煮込む。 予想外に甘くなってしまい、出来上がり間際になってから大幅な調整を迫られて慌てたり、逆に一発で考えていた通りの味に仕上がった時の嬉しさはひとしおだ。

最初の味見ではゼンマイから思ったよりも苦味が出ていたので心配していたが、煮詰まって煮汁の味が濃縮されてゆくにつれ目立たなくなり、出来上がりでは苦みをほとんど感じない位になって、ほっと胸を撫で下ろした。 後ろに隠れる味、前面に出てくる味、それも時間差でコロコロ入れ替わって不思議。

煮物は奥が深いな、と、思う。 まだまだ経験が必要みたい。

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2008.03.07

つまみ菜

ビニール袋に無造作にぎっしり詰められて、たいてい百円で売られている「つまみ菜」を見つけると、ついつい買ってしまう。

多くは大根の間引き菜だそうで、よく見るとハート形の双葉と明らかに違う形の本葉がセットになって細い茎につながっている。 本葉がいち二本出た時くらいが、ちょうど間引きのタイミングなのだろう。 大根の葉は大きく育つと硬くなったり筋張ったりするが、つまみ菜はまだホヨホヨとして軟らかく、加熱するとあっという間に容積が激減する。 癖もほとんど無い。 湯通し程度に茹でてからザクザクと切って和え物にしたりお浸しにしたり。 油揚げやさつま揚げといった「ちょっと油っぽい素材」と一緒に煮浸しにしたり、もちろん炒め物やお味噌汁にも手軽にちょいちょい使う。 食卓にもう一皿青味が欲しい時に何かと重宝する素材。

今日のお昼は、モヤシと一緒にささっと炒めてラーメンの上にどっさり乗せて食べた。 しゃきしゃきした歯ごたえも美味しさの内だ。

芽を出したばかりの菜っ葉には、生命力とか意気込みのようなものが集約されているような気がして、惹かれる。 力を分けてもらって、春を過ごしたい。

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2008.03.04

片付け物ごはんの日

冷蔵庫の中に中途半端な食材がたくさん貯まってしまった。 半分使ったブロックベーコン、竹輪が1本半、プレーンヨーグルトが3分の1くらい、プロセスチーズが2枚、冷凍した残り御飯が茶碗1膳分、何かに使おうとまとめて作っておいたゆで卵がひとつ、茹でブロッコリーの小房3つ、菜花が3本・・こんなものがズラーっと。

以前は「ちょっと多いかな」と思っても、「食べちゃえ!」と使い切っていたのだが、『ますたあ』が緩やかな熱量制限を始めてからは、「そのちょっとの油断が積み重なると命取りかもしれない」と考え直して、無理に使い切ることをやめている。 ・・よく、幼い子供が食べ残した食事を、勿体ないからと言って食べているうちに、いつの間にか太ってしまった、というママさんの話を聞くが、まさにそれに似ているかもしれないと思い直してのことだ。

気が向いた時がチャンスと思って、今日は「片付け物ごはんの日」と勝手に決めた。

とりあえずお昼ごはんは、残り御飯とベーコンと人参、タマネギ、大根の葉っぱでケチャップ味の炒めご飯。 キャベツの千切り、竹輪のスライス、サラダ菜(中心部分で、もう一口大の小型の葉しか残っていない)でミニサラダ。 食パン一枚を二つに切って、茹で卵ペーストを乗せてオープンサンドに。 プレーンヨーグルトと紅茶。 なんでもちょっとずつ。 どこぞの安っぽいビジネスホテルの朝食バイキングみたいで、思わず笑ってしまう。 「なんじゃ?この品揃えは?!」という目をしている『ますたあ』が何か言う前に、「今日は片付け物ごはんの日なので、よろしく。」と、予防線を張って。

このお昼だけでもずいぶん半端ものが処分されて、大分気が楽になった。

夜ごはんはお片付けの定番の「鍋もの」を企んでいる。 ひき肉100グラムくらいは肉団子にして5cmちょっとの長ネギをみじん切りにして混ぜ込んでしまおう。 半丁だけの豆腐、白菜の真ん中、使いかけのターツァイ、菜花、みんな入れてしまおう。 中途半端なブナシメジもあったはず。 何よりも「試してみたけれど口に合わなくて残っている麻婆豆腐の素」を出汁に混ぜて片付けてしまえそうなのが、気分的にありがたい。 茹でたブロッコリーは半分使いかけのトマトと合わせればいいや。

これでかなりスッキリする筈。 食事作りは毎日淡々と続いてゆくものなので、たまに意識して片付けてみるのも、また面白い・・ということにしておこう。

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2008.02.27

八丁味噌

普段のお味噌汁は信州味噌系の味噌を使うことが多い。 だが、それとは別に、少量サイズの八丁味噌を見つけると、時々買ってくる。

信州味噌と合わせ味噌にして使うと、普段のお味噌汁とはだいぶ趣が変化して面白い。 どことなく中華料理のテンメンジャンと似た風味があるので、わざと代用して使ってみたりもするし、ドミグラスソースにちょっと混ぜれば、急に味に奥行きが広がって、何日も煮込んだ後のような出来上がりに。 カレーやミートソースも然り。 魚の煮付けの際は、煮汁にほんのちょっと入れると、臭み取りになるし、蒸しパンやケーキ、クッキーの生地に混ぜても面白い。

八丁味噌の持つ酸味が私は苦手なので、単独で大量に使うことはあまりしないけれど、酸味が前面に出てこない程度のちょっとした量を、逆に何にでも使ってしまう。 一度使ってみればすぐにお分かりいただける程、調味料としての底力は強烈で、しかも、和・洋・中なんでもこなしてしまう万能選手だ。

コツは控えめに使うこと、だろうか。 名古屋出身の方はそれじゃあ物足りないのだろうけれども。 使ったのか判らない位に控えめにすると、八丁味噌のポテンシャル・エネルギーを活かせるような気がする。

小さい容器でひとつ手元に置くと、何かと重宝ですよ。

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2008.02.18

春は苦もの

「袱紗合わせ」に続き、精進料理の本を読み進めているが、今度は「春は苦もの」という表現が出てきた。

仏教においては、食事を整えることも食事を食べることも、修行の一種という位置付けということで、当然素材選びからして、その根本が色濃く反映されているように読める。 季節の物で、は、当たり前のこととして、仏さまの道に全身全霊を投げ出すために必要な体力や気力を充実させるための知恵、のようなもの。 それも、ずーっと昔から口伝で引き継がれてきた、その道の皆さんには一種の常識のようなもの。 卵を含め動物性の食材を一切口にしない食事で心身のバランスを保つには、やはりそれなりの工夫が必要とされるのだろう、と、思う。

で、「春には苦いものを積極的に食事に取り入れろ」、と。 フキノトウや菜の花の蕾、ヨモギの新芽に独活、もう少し後になれば山菜の類・・よく思い出せば、どれもみな苦味を持っている。 我が家でもフキノトウを天ぷらにしたり練り味噌と合わせたり、菜の花は今シーズンに入ってからすでに数回楽しんだ。 品種改良されているのか、お子さんでも楽しめるような菜の花で、「もうちょっと苦くても良いんだけどなあ」、と、内心ちょっと文句を言いながらも、瑞々しい青臭さを味わっている。

ちなみに、『夏は酸いもの、秋は甘もの、冬は油もの』だそうだ。 詳しい根拠を問うこともなく、すっと納得できるコンビネーション。

寒さが厳しい間、なんとなく口が遠のいていたビールを、先週あたりから飲みだした。 胃が冷えると辛いので、スローペースでゆっくりと、比較的しっかりしたタイプのビールを楽しんでいる。 本を思い出して「これも『苦もの』か?」などとちょっと考えたが、たぶん意味合いが違うな。

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2008.02.11

どっちだろうか

意図するところがあって、久しぶりに一度に4合のお米を炊いた。 普段通り飯椀によそってから、しゃもじに残ったご飯粒を摘まんで口に入れて「おっ!」っと思った。 「美味しい・・」

このところ、我が家では1合と半(つまり1.5合)のお米を、毎晩炊いていた。 これで夕飯を食べて、まだ半膳分くらい余る。 余った分は私が朝ごはんに食べたり、冷凍してある程度貯めてから炒めご飯や丼ものなどに使ってきた。 以前から「少量のお米を炊くと、まとめて炊いた時ほど美味しくない」ということは経験上知っていたが、毎日のことで慣れてしまい、その差が判らなくなっていたようだ。 数か月ぶりにまとめてご飯を炊いてみたら、「こんなに違うものか」、と、ショックを受けるほどに差が歴然としていた。

しかしながら、毎回たくさんのご飯を炊いてしまったら、当然ながら食べきれない訳で、それこそ小分けにして冷凍しておき、その度に電子レンジで解凍ということになってしまう。

さて、ここで問題です。 次のうち、美味しいのはどちらのご飯でしょう? A少量でも炊き立てのごはん Bまとめて炊いて冷凍後電子レンジで解凍したごはん

今週は実験の週になりそうだ。

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2008.02.10

袱紗(ふくさ)合わせ

ちょっとした調べ物をしていて、精進料理に関する本を読むことに。 すると、「白味噌と赤味噌を袱紗(ふくさ)合わせにする」、という表記があり、『袱紗合わせって、何??』、と、またもや壁に突き当たる。 肝心の調べ物の答えに辿り着くには、まだまだかかりそうだ。

茶道の嗜みがある方には「袱紗」は馴染み深いかもしれない。 品物を包んだり、進物用のお品の上に掛けたりする、絹でできた小型の風呂敷のような布だ。 現在でも残っている身近な使い道としては、結婚式やお葬式に参列する際に、ご祝儀やお香典ののし袋を包む布、あれである。

すったもんだしながら探ってゆくと、袱紗は表地と裏地の同形の二枚の布を縫い合わせて作られていることから、「同量ずつ5対5で合わせて用いること」を「袱紗合わせ」と呼ぶらしいことが分かった。 つまり、「白味噌と赤味噌を同量ずつで合わせ味噌にして使う」、ということになる。

洒落た表現だなあ、と、なんだか感心してしまった。 こういう表現は若い世代に残してゆきたいな、とも思った。

日本料理独特の言葉に対して、関心が湧いてきている。

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2008.02.08

さんまの当座煮

最近海が時化ているらしく、店先を物色する私に魚屋さんのオジサンが申し訳なさそうにしていた。 週に一度、まとめて食べ物を買い出す現在のパターンにおいて、買い出しの日に魚が並んでいないと結構ダメージが大きい。 こんな時は「振り塩の鮭」や「ひと塩のタラ」などで繋ごうかと思いながら見ていたら、オジサンが「こんなのはどう?」、と、サンマを出してきた。 「こんな時期にサンマがあるんですか?」 「いやいや、これは冷凍品を解凍した物。 今は冷凍技術も発達して、案外バカに出来ないくらい美味しいよ。」 一匹80円だというので、試してみるか、と、買ってみた。

だが、何となく解凍サンマを信用していない私は、塩焼きにして食べるのに躊躇してしまい、迷ってからしばらく食べていない当座煮を作ることに。

サンマの当座煮

  • サンマ      2匹
  • 砂糖       大さじ1と半
  • 醤油       大さじ1と半
  • 日本酒      大さじ1
  • 酢         小さじ1
  • 生姜       1片
  1. サンマはうろこをこそげ、頭を落とし、腸を出してから、水洗いして水気を拭き取る。 4から5つに筒切りする。 ショウガはスライス。
  2. 鍋(できればホウロウ鍋。普通のステンレス製でも大丈夫。)にサンマを並べ、すべての調味料を入れてから、ひたひたになるまで水を入れて、中火にかける。 煮汁が煮立ったら生姜を加えて落とし蓋をし、火を弱火に落とす。
  3. そのまま煮てゆき、煮汁が少なくなったらひたひたになるまで水を足し煮続ける。 骨を除きながら薄味であっさり食べるなら30分、120分以上煮れば骨ごと食べられるようになる。 お好みの時間煮てから、最後に煮汁を煮詰めて出来上がり。

当然ながら、長い時間煮てからしっかり煮詰めれば日持ちもする。 時間をかければ圧力鍋を使わなくても骨まで軟らかくできる。 灯油ストーブを焚いていたら、上でことこと煮るのも冬の味わいなのでは?

煮上げたサンマは予想していたよりもサンマらしいサンマで、魚屋さんのオジサンの話はその通りだった。 これなら塩焼きでもいけたのかもしれない。 魚屋さんにもサンマにも、ちょっと申し訳ない気持ちになった。

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2008.02.06

白菜の酢炒り

白菜が美味しいこの時期、ちょっとした箸休めに。

白菜の酢炒り

  • 白菜  5枚分くらい
  • 人参  5cmくらい
  • 椎茸  2枚 干し椎茸なら戻しておく
  • 唐辛子 1本
  • 胡麻油 適宜
  • 酢   大さじ2
  • 砂糖  大さじ1と半
  1. 白菜は葉と軸に分ける。 葉は小さめの一口大に刻み、軸は5cm幅に切ってから繊維に沿って平行に短冊切り。 幅は5mm程度で。 人参は白菜の軸と同じになるように切り揃える。 椎茸は厚みを半分にしてから薄くスライス。
  2. 白菜の葉と軸、人参をボウルに入れ、分量外の塩少々を振り、よく馴染ませる。 数分放置してから水気を軽く絞る。
  3. フライパンに胡麻油と唐辛子を熱し、2と椎茸を炒める。 砂糖を振り入れてさらに炒めてから、酢を加え、水分を飛ばしてほとんどなくなれば出来上がり。 味見して甘さや酸っぱさを調節。
  4. 冷めるまで放置して、いただく。

お好みで柚子の皮の千切りや煎り胡麻を混ぜても。 また、唐辛子はラー油で代用も可。 その場合は胡麻油の量を調節すること。 お子様が居られれば辛くせずに作っても。 味に締まりがないと感じたら、炒める時に分量外の醤油を少々回しかけても。

キクラゲやエノキタケ、竹輪、玉葱、タケノコ等冷蔵庫にある材料で作れます。 数日は日持ちします。 素材の香りを活かすように、出汁やオイスターソースなどはわざと使いません。

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2008.01.27

この時期だけの贅沢

この時期は「霜にあたった野菜」が手に入る。 食材の多くには旬が存在するけれど、それとはちょっと違う意味で、霜にあたることも旬だな、と、思う。

ホウレンソウは背が伸びずに地面を這うような姿に育っているし、白菜は外側の葉やてっぺんが茶色く干からびたり、大根は葉っぱはゴワゴワだし地表に出ていた首の部分はシワシワだし、明らかにどれも見た目は落ちるが、その分だけ中身の方は格別になる。 味も香りも凝縮されている感じ。 甘みも驚くほど増していることが多い。 煮物などいつもの感覚で味醂を使ってしまうと、味見した時に修正を余儀なくされる位に、煮汁が甘くなっていたりする。 恐れ入りました、と、野菜の底力に感服。

寒さから身を守って春に花を咲かせるために、一生懸命蓄えているんだろう。 それをまた、寒い中で収穫してくれた人々のことも思って、益々、美味しく食べてあげなくちゃ申し訳ない、という気分になる。 スーパーで売られているものとは一味もふた味も違う、この時期だけの贅沢だ。

外面ではなく中身で勝負というところも、なんだか共感が持てて、ついつい贔屓してしまっているような気がするが。

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2008.01.15

どんどん早くなる

庭にフキノトウが顔を出した。 「早っ!!」と思って調べてみたら、去年は1月26日に摘んでいる。 それでも「例年よりずいぶん早いようだ」なんて驚いて書いているようなので、今年も記録更新ということになりそうだ。

野生の蕗が何箇所かに分かれて自生しているので、全ての場所を見て回ったが、やはりどこでも同様にフキノトウを出していた。 トリガーが何かを知らないのが悔しいのはさて置き、庭の蕗にとってはもう春なのだろう。 ここ数日の寒さがやけに厳しいだけに、なんだか不思議な気がする。

とはいえ、生えてくれればありがたく御馳走になる。 半分は天麩羅にして塩をパラパラと振り、新鮮な苦味を楽しんで、残りの半分は恒例の蕗味噌に。 気の早い春を楽しみながら、実際の暖かさを待ち望むような気持ちで。

予期していなかったフキノトウの天麩羅は美味しかったけれど、年々早くなっているのがやっぱり心配だ。

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2008.01.12

凍み豆腐もどき

寒い季節の間、なんだかんだと鍋物は重宝だ。 体が温まるし、半端な食材も一気に片付くし。(笑)

で、今期になってちょこちょこと活用しているのが、凍み豆腐もどき。 なんと言うことも無い、安い時にまとめ買いしておいた豆腐を、冷凍庫で凍らせただけのもの。 パックごと凍らせておいて、使う日に自然解凍するだけである。 ちょうど高野豆腐と普通の豆腐の中間くらいの「す」が入って弾力も中間ぐらいになる。

大きな土鍋などで具を煮てゆくと、豆腐を『とんすい』に取り分ける時に崩れてしまったりして、なんだか悔しい思いをすることがあるが、それが一気に解消されるのが嬉しい。 何も考えずに箸で摘んでも崩れない。 そして、味沁みが良いところも気に入っている理由だ。

ただし豆腐そのものの香りは失われている印象があるので、例えばキムチ鍋とかカレー鍋、寄せ鍋やちゃんこ鍋など、比較的味の濃いスープで楽しむ鍋に向いているようにも思う。 使い分けてゆけばそれなりに面白い素材。

わざと凍らせてみるのも面白いですよ。

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2008.01.07

新たな気持ち

どんよりと曇った空の下、朝から庭に出て野草を摘む。 「すずな」と「すずしろ」を除いた5種は、しっかり庭に自生している。 こんなに毎朝真っ白になるほど霜が降りているというのに、表面の枯葉を避けると、瑞々しい深い緑色が顔を出す。 枯葉に守ってもらうように、地面を這うように真横に茎を短く伸ばしながら、健気に春を待っている命を、少しばかりおすそ分けしてもらう。 ひとつの根っこから一箇所の先端だけをちょっと摘み取らせてもらって、株に負担が無いように。 ありがたい気持ち、感謝の気持ちと、申し訳ないような後ろめたい気持ちが混じって、そっとそっとなるべく優しく指先を動かしていた。

蕪と大根は調達できないことが判っていたので、以前手元にあったものを軽く茹でて冷凍保存しておいたものを、解凍して使う。

絞ってしまうとほんのちょっとの量だが、お粥に散らせば緑と白のコントラストが見事だ。 文字通り、命をいただいている気分になって、食べながら、再度ありがたい気持ちが蘇ってくる。 残っていた切り餅も入れて、ほっこりと体も心も温まった。

お正月仕様になっていた冷蔵庫の中身も、これでほぼ片付いた。 がらんとして空間が広がった野菜室を覗いた時に、「あっ、お正月も終わったんだな」、と、思った。

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2008.01.06

原油・原発・豆カレー

寝起きの布団の中で、そろそろ道路も空くだろうからぶらりと出かけてみようかという話になり、気が変わらぬうちにと朝食も摂らずに出発。 西へ向かう。

『ますたあ』が「いつか機会があれば・・」と調べておいてくれた場所へ。 なんと、お茶畑で有名な牧之原台地で、昔原油が採掘されていた場所があると言う。 『ますたあ』は小学校の社会科(今は生活科なのか。)の時間に習った覚えがあるらしいが、当時から社会科を丸投げしていた私は、お恥ずかしいことに全く覚えていない。 新潟の油田は聞いたことがあったものの、こんな太平洋岸で原油が出るとは驚きだ。

相良油田は埋められて一面の茶畑と化している。 その一区画を整備して公園を作り、採掘小屋の復元がなされ、ちょっとした資料館のようなものも作り、一基だけ今でも原油が採掘できる櫓組みが残されていた。 見ると昭和30年に閉山されたばかりとの事で、ほんのちょっと前の話なのだと知り、またびっくり。 人力で採掘していた時の様子などを知るにつれ、「よくこんなことをやっていたものだ」と思う。 地上から空気を送り込むシステムなどちゃちと言うか、あまりに原始的で、「こりゃあ事故も絶えなかっただろうな」と容易に想像が付く。 ちょっと重苦しい気持ちに反して、芝生が植栽された公園内では、地元のお年寄りたちが新春のグランドゴルフ大会をやっていて、のどかな雰囲気が広がっており、救われたような気分になる。

資料館の管理人の方に質問をしたら、「待ってました!」とばかりに管理室から出て来て丁寧に色々と話してくださった。 去年の11月に採取したばかりの、瓶に入れた原油を見せてもらう。 「まだこんなにちゃんとしたのが出てるんですよ。」と、誇らしげだ。 原油としては世界的に見ても類を見ないほど良質であるらしく、製油しなくても、そのまんまエンジンに投入すればちゃんと起動するとのこと。 量が出ないのが本当に残念。 この原油高の折、もしも間違っていたら日本経済を動かしていたかもしれないのに・・。

たくさんの鉱山夫たちで賑わっていたという集落跡を流し、事故で亡くなった方たちの慰霊碑を見つけて頭を下げたりしながら、お茶畑の間をドライブ。

お昼は、まだお正月ということもあってか、惹かれるお店を見つけられなかったので、珍しく「ほっかほっか亭」のお弁当をテイクアウトすることに。 店内で出来上がりを待っていたら、同じく待っていた作業着を着た若い男性が「ダイハツさま~!お待たせしました!!」の声に呼ばれて立ち上がった。 「から揚げ弁当の大盛り、9人前ですね。」 両手にお弁当の山をぶら下げて店を出てゆく姿に圧倒されていたら、今度は「トヨペットさま~!」に、OL風のオネーサンがキャッシャーへ。 11人分で6000円近いお会計らしい。 なんだかこの辺の車屋さん達は、今日のお昼ご飯は皆ここのお弁当のようだ。 私たちもオーダーしたお弁当を受け取って、静波海岸まで移動する道路際に、「あっ、ここダイハツのお店だ。」 「あっ、ここのトヨペットさんだ、きっと!」・・今頃奥の休憩室で、従業員さんたちがお弁当を広げている光景を想像して、思わず笑ってしまう。 お正月からお仕事ご苦労様です。

静波海岸は人気もまばらで、穏やかな海がのどかに広がっていた。 船を遠くに見ながら、海風に当りながらのお弁当は正解で、ひねもすのたりのたりかな、いかにもお正月という気分を満喫。 久し振りのお弁当はちゃんと温かくて、美味しくいただいた。

エネルギー系続きで、浜岡原発の隣にある「浜岡原子力館」へ。 これはよくある科学館みたいなもの。 お子ちゃま方で賑わっていた。 プルサーマルについて判り易く展示されていたが、理想と現実のギャップを知っている大人にとっては、丁寧な解説もどこか空しい。 基本的には「如何に安全であるか」を強調しているのも、どこか哀しい。 現在日本各地で発電している原発の一覧が壁に貼り付けられていたが、新潟県下や浜岡原発など一部を訂正するように、大きなテープが上から貼り付けられ、隠してあるのが生々しく思えた。 走り回りながら空いているブースに飛び込んでは、ちょっとした端末を操作してクイズや謎解きなどを楽しんでいる子供たちを横目に、大人として何を伝えるべきなのか、彼らはここで何を印象に残すのか、頭を抱えたい気持ちになった。 「これで良いのかなあ?日本って。」・・ぶつぶつ。

途中なんとなく通りがかったお菓子屋さんで、なんとなく買ってしまった「生クリームどらやき」のバナナ味とメープルシロップ味を半分ずつ味見したりしながら、帰途へ。

以前からずっと気になっていたのに、立ち寄るチャンスの無かったインド料理店で夕食。 富士の国道一号線沿いに在り、交通量も多くて直線道路でそこそこスピードも出ている場所なので、「気合を入れないと」通り過ぎてしまう。 その上、外装にお金を掛けないタイプの外見と看板で、見ようによっては「ちょっと怪しげな感じ」(失礼。)で、入店に踏ん切りが必要だったのだ。

アラムインドレストラン」では『マトンカレー』と『豆のカレー』をセットで頼み、チャイも。 豆は二つ割にしたレンズマメだった。 久し振りにちゃんとしたインド料理で、辛さもオーダーできる。 何よりも驚いたのはリーズナブルなこと。 東京で食べたら一人3000円近くはとられそうな料理が、1000円程度に設定されているので、驚くやら感心するやら。 他の客が居なかったせいか、インド人の御主人がわざわざ出て来て挨拶してくれた。(ホールは日本人の奥様が担当のようだ。) 以前は沼津の仲見世通りで営業していたらしいが、所用で一年ほどインドに戻り、帰ってきてから改めて開業したとのこと。 わざわざ昔からのファンのお客さんが通って来てくれていると喜んでいらした。 気さくな御夫婦。 スパイシーだがとても体に優しい感じのする料理で、手を抜かずにちゃんと作られている。 ちょっと日本人向きにアレンジし過ぎている気もしなくは無いが、全く抵抗無く美味しく食べられるバランスは見事だと思う。 こういった料理はなかなか都市部を離れると受け入れられないようで、私たちもお店探しに苦労するのだが、ここはまた食べに行ってみたいと思える店だった。

私たちが食事をしているホールの片隅で、御夫婦の息子さんがお正月休みの宿題を片付けていた。 本を5冊も読まなければならないのに、おじいちゃんの家で遊び呆けて、まだ全然読めていないらしい・・。 どうなったことやら。

とりあえず新年一発目のおでかけも、美味しいものに恵まれて、幸せに帰ってきた。 静岡県は大きくて、伊豆半島を出るだけでも雰囲気がガラリと変わるし、習慣や風習も全然違うようだ。 面白いなあ、と、思う。

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2008.01.04

柚子のシャーベット風

まだ余っていたら、こんなのはいかが?

柚子のシャーベット風

  • 柚子       1個
  • グラニュー糖  90g
  • 水        300cc
  • 生クリーム   100cc
  1. 柚子は皮を薄くすりおろして、果汁を絞り種を除く。
  2. 小鍋にグラニュー糖と水を煮立ててから冷ましておく。
  3. 砂糖水に柚子の皮と果汁を混ぜて、冷凍庫で凍らせる。
  4. ミキサーかフードプロセッサーに3を大きく砕いて入れ、生クリームを加えてから均一になるまで攪拌し、もう一度冷凍庫で凍らせる。

だいたい4~5人分は取れます。 案外簡単。 鍋物の後にもグッド!

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2007.12.30

醤油とお酢と

田作り、酢蓮、柿なます、栗きんとん。 次々に作り上げながら、どこか絵を描いているような気持ちで、おせち料理の色合いを楽しんでいる自分が居る。 醤油の茶色、梅酢の赤、大根の白、レンコンのアイボリー、人参や干し柿の橙色、柚子の皮のレモンイエロー、クチナシで煮たサツマイモの黄色、それともちょっと違う栗のマットな印象の黄色。 西洋の料理とは異なる「和」の色使いに独特の趣を感じる。

普段はほとんど和洋折衷、いや、それどころか中華風もありエスニックもありの家庭料理なので、こんなに隅から隅まで和食の惣菜ばかりを設えていること自体が、我が家にとってはとても珍しいことであり、作り手としても襟を正すような気分になってくる。 何かと出番の多い醤油や酢、日本酒やみりんが、大きなボトルごと調理台に並んでいる光景もなんだか新鮮だし、一日中キッチンの空気の中にしっかりと醤油と酢の香りが漂っているのも、いつもと違って妙な感じ。 これはこれで悪くない。

私の作るおせち料理は、今風にアレンジしたものはほとんど無く、オーソドックスな昔ながらのものばかり。 若い頃はアレンジおせちのようなものも作っていたのだが、何故か飽きるのが早く、だんだん振り落とされてしまい、結局昔ながらのものばかりが生き残った形だ。 その代わりに毎食ちょこちょこっと追加料理を用意して、目先を変えるようにしてゆく。 おせち料理がコテコテの和食味だから、追加料理の方はそれ以外になることが多い。

黒豆や昆布巻き、伊達巻など一足先に出来ているものもあるので、煮物や鶏松風などは明日にまわす予定。 一年に一時期だけ、こんな風に思いっきり和食を作るのも、良い料理経験になっているような気がする。 なんだかんだ言いつつも、おせち作りはあまり苦にはなっていないのが幸いだ。

この時期は、日本中のいたるところでダシや醤油やお酢などの匂いが漂っていることだろう。 懐かしいような、セピア色の香りのような・・。

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2007.12.09

皮も美味しい

私の握り拳くらいの大きさのある立派な蕪を、油揚げと一緒に薄味に煮てほっこり。 冬の滋味。 優しい味の物を食べていると、優しい気持ちになるような気がする。

今夜の蕪もそうだが、私は野菜の皮を剥かずに調理してしまうことが多い。 大根も、人参も、芽が出ていなければジャガイモも・・。 きれいに洗ってそのまんま使う。 皮なのか、皮と身の間なのかは良く判別できないけれど、そこが美味しいし香りも濃縮されているような気がするので、なんとなく勿体無くて。

見た目などを気にする料理の場合は、皮だけ集めて別の料理を作ってしまう。 例えば大根や蓮の皮はきんぴらに、サツマイモの皮はかりんとうに、ナスの皮はポン酢漬けに。 ちょっとしかなくて困った時はかき揚げの具に混ぜてしまえば、大抵のものは使える。 こういったものをお客様に出すことは無いけれど、実は私にとっては一番の御馳走だ。 作り手の特権とばかりに、ニコニコしながら食べているに違いない。

別に勿体無いからとかエコロジカルだからとか意識したことは無くて、ただ美味しいと思うからそうしている。 神経質になるところとダイナミックで大雑把なところと、両方を使い分けできるのが、料理を作っていて・食べていて、とても面白いと感じる部分だ。 大根の皮、捨てないで使ってみてくださいな。 

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2007.11.30

日々の台所仕事

過日、久し振りに「ポークビーンズ」を作った。 ポークビーンズは作る人によって差が大きいメニューのひとつのように思う。 文字通り「豆と豚肉」で作れば、何でも有りといった印象だ。

私のポークビーンズの基本は、白インゲン豆とベーコンとタマネギをトマトソースで煮込んだもの。 今回は薄切りの豚もも肉を一口大に切り、フライパンで別に炒めて、出来上がり直前に合わせることで時間を短縮した。 白インゲン豆はトマトソースで煮込んだら、一晩放置するのが唯一のコツ。 これで味が豆の中まで染み込んで美味しくなる。 たっぷり煮ておいて使わない分は冷凍保存しておくと、ホットドックにパスタに、シチューのベースに、と、重宝する。 ゴロッとソーセージを合わせても美味しい。

ぽってりと煮込んだ豆料理を食べながら、「冬の味がするなあ」と思った。 ウィスキーの水割りによく似合っていた。

半端に持て余していた「梅酒漬けの梅の実」を、ミンスミートに漬け込んでしまおうと刻んでいて、うっかりうっすら酔っぱらったり、このところの山茶花梅雨でカビを呼びそうな干し柿を冷蔵庫にしまい込んだり、なんだかんだと台所仕事が増えている。 美味しく食べられる毎日は、それだけでもシアワセ。

話は飛ぶが・・。

M社で、それだけは楽しみにしている「グラコロバーガー」が、毎年少しずつ美味しくなくなってきて、今年はついに、私の中では『がっかりのレベル』にまで降格。 残念。 好きだったんだけどな~。 ちなみに、「グラコロ」だけでも400kcal.もあるので(、と、いいますか、M社のラインナップはどれも恐ろしい熱量を含んでおりますが)、朝食を形だけに抑えて食べに行きます。 そこまでして食べに行くアホ!

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2007.11.19

すり鉢

久し振りにすり鉢を出した。 きっかけは、これまた久し振りに「白和え」でも作ろうかと思ったからで、とりあえず炒りゴマを擂る。 すりこ木に伝わってくるごりごりとした固い感覚が新鮮で楽しい。 初めはぎこちない気分だったが、ゴマがしっとりと油を染み出してくる頃には、すっかり調子に乗って、もう十分なのにごりごりし続けていた。

固めに水切りした木綿豆腐を滑らかにすってから、味噌と砂糖。 混ぜ込む具は、人参とブロッコリーの軸、白滝、さつま揚げの薄切り。 少し濃い目に煮付けて味を染み込ませて置いたもの。 懐かしい優しいおかずに仕上がった。

どうせすり鉢が手元にあるならば、ついでに・・ということで、山芋のすり流しも作ることに。 皮をスプーンでこそげるように薄く剥いてから、すり鉢の内側を使って直接おろしてゆく。 そしてまたごりごり。 ダシを少しずつ加えながらのばすようにごりごり。 おろし金を使って作るよりも、きめ細かくふんわりとして、つやつやと美人肌のすり流しになった。 やっぱり違うものだな、と、感心するような気持ち。 すり鉢の底力を見た思いだった。

白和えの和え衣 たっぷり2人分

  • 木綿豆腐   半丁
  • 炒りゴマ    大さじ2
  • 味噌      大さじ1
  • 砂糖      大さじ1

白味噌を使う場合は砂糖を減量。 具は前日の煮物の残りを薄く切って流用しても。 この時期は柿の実を具に混ぜるのもきれいだ。

●明日20日、9時から13時までの予定で、もう一度サーバー・メンテナンスのようでして。 ご迷惑をおかけします。 

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2007.11.13

春菊

鍋のシーズンも到来して、いよいよ春菊の出番。 子供の頃は別に何ということも無く食べていたが、大人になると癖の強い野菜が無性に美味しく感じられるのは何故だろうか。 個人的に一番好きなのは天麩羅かな。

大人でも「春菊は苦手」という方は、そこそこ居られるようだ。 そんな場合でも生のままサラダにすると、案外ぺろりと召し上がっていただけることが多いように思う。 「春菊とは思わなかった!」、と、食べた本人がびっくりしているので、笑ってしまう。

軸から葉の部分だけを摘むようにして、洗いながら水に晒す。 これから甘味を増す大根を細めの千切りにして(千六本と言いますが。)、これも春菊と一緒に水に軽く放して、水の中で双方を均一に混ぜる。 ザッと一度にざるに上げて、そのまま水切り。 器にこんもりと盛りつけ、食べる直前に市販のポン酢醤油を適当に掛け、てっぺんに小さじ1ほどのマヨネーズを乗せて、食べるながら混ぜる感じで。 大根6に対して春菊4くらいが美味しいし、見た目のバランスも綺麗。 軸の部分は和え物やかき揚げにでも。

高校の時、友人宅に泊り込みさせてもらい放送番組を作っていて、夕食に鍋をご馳走になった。 すると、春菊が洗っただけで、全く切らずに鍋に入っていたので驚いた。 「うちではいつもこうなのよ。」と、おばさんが笑っていたが、これがなかなかナイス! 春菊は煮えると鍋の中でしなしなと一塊に固まってしまい、ちょっと摘んだつもりが春菊全体が箸に持ち上げられてしまったり、逆にひらひらと鍋の中を泳いで、春菊を食べた気になれなかったりと、非常に中途半端な印象だったのだが、軸ごとそのまんま使うことで、軸を一本箸で持ち上げれば丁度良い量が付いてくる。 それ以来、私の実家でも鍋物の際は、春菊を切らずに入れるようになった。 軸の中心に白い芯が出来ているような場合は硬いことが多いので、適当に落とすけれど、軸が細くて軟らかそうな場合は洗ってそのまんま。 準備も楽だし、食べる時も良いので、お試しを。

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2007.11.08

別種のパンケーキ

日本では多分、「パンケーキ」=「ホットケーキみたいなもの」。 だが、私が料理に興味を持った頃、米・欧などでは「パンケーキ」=「クラブ・パンケーキ」「フィッシュ・パンケーキ」を指す事が多く、ランチプレートのメニューでは大抵見かけることが出来た。 これとちょっとしたサラダやピクルスの盛り合わせ、それにコーヒーが付けば、ランチとして完結してしまうような扱いだったから、相変わらず高カロリーな一品ではあるが、私は好きだ。 日本では残念ながらなかなかお目にかかれない。 なので、カロリーを控えめに自作して楽しむことにしている。

 クラブ(フィッシュ)・パンケーキ   8個分

  • カニ(タラまたは鮭)の身      200~250g
  • レモン汁                大さじ1
  • タマネギ                半個
  • 卵                    1個
  • パン粉                 20g程度
  • ジャガイモ(または里芋)      100g
  • 小麦粉                 適宜
  • オリーブ油               適宜
  1. カニは缶詰ならばそのまま軟骨を除いて身をほぐす。 タラや鮭の場合は分量外のワインや日本酒を使って蒸し煮か電子レンジ加熱して、骨と皮を除いて身をほぐす。 ほぐした身にレモン汁をふりかける。
  2. ジャガイモ(または里芋)を茹でるか電子レンジ加熱して、押しつぶしてマッシュポテトを作り、荒熱を取ってから、卵、パン粉、分量外の塩コショウ(あればセロリソルトを加えるとプロっぽい味になる。)を混ぜ込む。
  3. タマネギをみじん切りにして、1のカニ(や魚の身)と一緒に、2に加えて均一に混ぜる。
  4. 3を8等分して小型のハンバーグのように整形し、表面に小麦粉を薄くつけて、オリーブ油を多めに流したフライパンで焼く。 両面にきれいな焦げ目が付いたら出来上がり。

●これに本来はタルタルソースをつけて食べるのだが、レモンを振ってそのまま食べたり、日本のソースやケチャップをかけても良い。 熱量を気にしなくて良いならマヨネーズを添えても。 ●同様に、本来は4の段階で、フライと同じ揚げ衣を付けて炒め揚げのように調理するのが本来の調理方法だが、こんな作り方に変えている。 まあ言うなれば、コロッケと同じようなものとお考えいただければ。

生地が軟らかいので、フライパンの上で何度もひっくり返したりせず、じっくり丁寧に扱って焼くことを、お忘れなく。

休日のブランチにでもどうぞ。

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2007.11.06

1800kcal

このところ『ますたあ』のかかりつけ医の勧めもあって、一日の摂取熱量が1800kcalに収まるように食事を作っている。 糖尿病の患者さんの食事を調整していた時は、1200kcalのご要望が多かったので、それに比べると「随分たくさんの材料を使えるじゃないか」という印象だ。 その上『ますたあ』は朝食を摂らない習慣なので(牛乳だけは飲んでもらっているが。)実質2食とおやつで1800kcalを分配すればよいことになり、3食しっかり食べる私よりもたくさんの量を食べられる。

久々にキッチンスケールと電卓を並べて、横に食品成分表の赤い本と、糖尿病治療食の食品交換表(同じ熱量を他の材料に置き換えるときに便利な重量表)を厨房に持ち込み、頭を使いながらの料理。 別にこういう事は苦にならない性格なので、面白がってやっている。

何日か続けてみて改めて思うのは、やっぱり多いのは油脂と炭水化物だ、と、いうこと。 野菜や果物、肉、魚、乳製品を使う量は、ほとんど普段の食生活に変わりが無い印象だ。 それに引き換え、ご飯、麺類、パンといった主食の穀物と油脂類は、やはり「必要とされている量」に対して「普段食べている量」が圧倒的に多い。 特に調理の過程で使われる「隠し油」・・例えば炒めてから煮込むような料理の、最初の炒めに使う油や、肉や魚の素材そのものに含まれている脂身や脂肪など、は、見落としがちなことがよく解って興味深い。 とりあえず、何も考えずにタラーっとフライパンに流していた最初の油を、ちゃんと計って使うだけでもだいぶ違うのである。

「一回の食事に使う油は、ひとりに付き小さじ1杯までにする。」 この単純なことが、実はとても大事なようだ。

初めはいちいちご飯茶碗をキッチンスケールに乗せていたが、3日目にはしゃもじですくうべき量の感覚が身について、110グラムのご飯(つまりは160kcal)が自然によそえるようになった。 これも体が覚えてしまえば、なんということもない。

栄養管理などと堅苦しく考えると面倒くさいけれど、これだったら出来そうな気がする、続けられそうな気がする、そう思えることがポイントだろうか。

そういう目で、外食産業で出されているメニューのカロリー表などを見ていると、「いったいどんな素材でどんな調理をしたら、こんなに多い熱量になるのだろうか?」、と、首を傾げる。 確かに油脂をたくさん使うと美味しくなるのだけれど、やっぱりそれに騙されてしまう自分が哀しい。 きっと「隠れ油」がたっぷり入れられているんだろうな。

たまたま与えてもらった機会を活かして、新たな視線で外食産業を見ている。 それはそれで、またオツな感じだ。(ちなみに『ますたあ』は糖尿病ではありませんので、ご心配なく。)

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2007.11.01

柿でひと仕事

庭の甘柿が熟してきたので、時が満ちたものからぽつぽつ収穫し始めた。 柿の木には表年と裏年があるらしく、去年は2個しか実らなかったのに対して、今年はやけに豊作だ。

実の中には鳥が突付いて傷が付いているもの、ヘタから雨水が入ってしまったもの、さらにそこに虫が居ついてしまったものなども、当然のように混じっている。 そのまま保存できそうなきれいな状態の実だけを選り分けて、残りは『柿のピュレ』にした。

皮を剥いて傷んでいる部分と種を取り除いてから、適当にスライスしてホウロウ鍋に放り込んでゆく。 全部剥き終ったところで、実から水を引き出すために砂糖をちょっと(鍋に8分目の柿に大さじ3)だけ入れて全体に絡めてから、火にかける。 木べらで焦げ付かないように混ぜ、全体に火を通し、ねっとりと透明感が増したら火を止めて、中身だけをミキサーに。 ガーッと攪拌して(ポテポテ硬すぎて攪拌できない場合は、適宜水を足す。)から、鍋に戻す。 弱火にしてまた木べらで混ぜながら、じっくりと煮詰めて(熱いピュレが飛び跳ねることがあるので、必ず長袖で作業すること!)、最後にレモン汁を大さじ1加えて出来上がり。 アルコール消毒した瓶に詰めて冷蔵庫で保存する。 今日はインスタントコーヒーの大型の空き瓶に、とっちりと2本分出来た。

ジャムのようにするのではなくて、柿の実の持っている甘さだけを凝縮するようなつもりで。 最後のレモン汁は加熱した柿独特の臭みのようなものを消すためで、酸味をつけるためではない。

砂糖と寒天を足せば柿羊羹に。 バターケーキの生地に混ぜるとしっとりと焼き上がるし、くどくない甘味で上品な出来映え。 クッキー生地にも混ぜて使える。 ヨーグルトに添えても。 カレールウや各種ソースやドレッシングの隠し味にも。 変わったところでは『柿のクリームポタージュ』も美味しい。 それにも増して一番のおすすめは、赤味噌と合わせて練り直し、田楽味噌のように使うこと。 ふろふき大根に添えても。 そこにニンニクや豆板醤を混ぜて韓国風にしても美味しい練り味噌になる。

一度にたくさん採れ過ぎたり、いただき物が重なってしまったりしたら、こんな風にして保存しておくと、なんだかんだと春まで楽しめる。 庭に実をならせっ放しの甘柿の木があったら、いかがでしょうか。

 

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2007.10.26

むかごでしみじみ

毎年、窓の外の庭木に山芋の蔓が巻きつく。 そこにムカゴがたくさんくっついたのだが、今年は例年になく粒が大きい上に数も多い。 なんとなく「採って食べてみようかな」という気分になった。

竹箒を上に向けて払うようにすると、小指の頭くらいのムカゴが、ぱらぱらと音を立てて落ちてくる。 それを拾って、片方の掌にこんもりする量が集まった。 市販のムカゴのように整った形のものは少なくて、明らかにいびつだ。 これもご愛嬌の内。 中には隣同士で融合してしまったような双子、三つ子も混じっていて、まるでアメリカ出身で幕張にも出張している某有名ねずみのシルエットのようなものも。

真っ先に思いついたのは、やはり「むかごご飯」なのだが、「ちょっと量が少ないかな。 これじゃあ、ご飯の味に埋没してしまうな、きっと。」、と、思い、薄く油をひいたフライパンで丁寧に炒って塩をぱらぱらと振り、そのまんまの直球勝負でいただいた。

これといって個性の強い食べ物でもないけれど、いかにも秋の味と香りで、お箸で丁寧に摘みながら神妙に味わって食べていると、日本人だなあとしみじみする。 この「しみじみ感」を自分の中で大事に持ち続けていたいと、これまたしみじみ思った。

 

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2007.10.25

レーズンバター

間違いなく「美味しい」と思うのに、その立ち位置がよく理解できていない食品がいくつか存在する。 例えばお弁当に入れられた「甘い豆の煮物」、洋食のコース料理の最後に供されるチーズの数々、おせち料理の栗きんとんも私にとってはちょっと難しい感じがある。 要するにどのタイミングで食べたら良いのか迷うような存在だったり、このタイミングで出されるよりはもっと別の時に食べたいと思うような、そんな食品。

バーなんかでも、ちょっと迷うものを供されることがあって、先日はブリオッシュに擦り付けたチョコレートのムース・・。 まあハーシーズのキスチョコも使われるくらいだから、世間的にはそんなに妙なことではないのだろうな。 食事を終えてお腹は足りている状態で、ちょっと強めのお酒を楽しむような場面では、ありなんだろう、と、思うし、ウィスキーやラム、コニャック、ブランデーなどが相手だったら、組み合わせとしては悪くない。 そして、問題のレーズンバターだ。

レーズンバターは美味しい。 誰がこんな食べ物を思いついたのか、と、ひたすら感心する。 でも、食事に出すのは違う気がするし、お酒に合うか?と尋ねられたら、どちらかと言えば私の中ではNOだ。 じゃあ、どこで食べることができるかと考えると、間違いなくバーで、それもちゃんとこだわりのあるバーでなければ扱ってくれていない。 さもなくばショッピングセンターにでも行って、小岩井農場ブランドの市販品を見つけ出すしかない。 子供の頃、実家にご進物で小岩井ブランド製品の詰め合わせが届けられていたが、その中には例の三角柱の紙箱に収まったレーズンバターが、必ず一本入っていた。 で、バターだのチーズだの他の商品は食事の材料として使われて無くなってしまうのだが、レーズンバターの三角の箱だけは誰も手をつけないまま、冷蔵庫の奥にいつの間にか追いやられ、ある日突然「ありゃりゃ、こんなところにレーズンバターが・・!!」、ということになる。 賞味期限はとっくに過ぎていても、全く痛む様子も無く、丁寧にスライスして並べられる高カロリーの禁断の味は、それはそれで不思議に美味しいものだった。 干し葡萄の甘味と酸っぱさ、そこにバターの塩気がちょっとプラスされて、飲み下した後に脂肪の甘い後味が残る絶妙のバランス。

結婚した当初、手作りしてみたこともあった。 別にレーズンでなくても良い訳で、他に干しアンズとプルーン、クルミを砕いたものも用意して、発酵バターを有塩3分の1、無塩3分の2の割合の中に混ぜ込んで、スプーン2本で小さく丸めて冷やす。 これがなかなかの出来で、元々高カロリー食品が大好きな『ますたあ』が、すごい勢いで平らげてしまったのを見て恐れをなし、それ以来作っていない。

レーズンバターを相手にお酒なり紅茶なりを飲むと、胃袋の中で上手く混じっていないような、分離するような自覚があって、実際にそんなことは無いのだろうと思うが、どうもしっくりこない。 それでいて、単独でスライスしたものを1・2枚だけつまむというのも、なんだか用意するのが面倒くさいし、おやつの時間が相応しいのか、夕食の後なのかも迷う。

レーズンバターも私にとっては、立ち位置が把握できない食べ物のひとつで、扱いが難しい。 それに、あれはいったいどこの国の料理なんだろうか? 美味しいのに困った食品である。

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2007.10.24

サツマイモでおかず

この時期はいろいろな芋類が八百屋さんの軒先を賑わせている。 サツマイモは甘くて美味しいのだが、それが邪魔をして、『おかず』として成立させるには、ちょっと工夫が必要・・?

豚肉とサツマイモの中国風炒め物    4人分くらい

  • 豚もも薄切り肉      300g
  • サツマイモ         300g
  • サラダ油          大さじ2
  • ニンニク          2かけ
  • 甜麺醤           大さじ2
  • 中華だしの素       小さじ半分
  • 水              60cc
  • 醤油・酒・酢        それぞれ大さじ1
  • 砂糖             小さじ1
  • 片栗粉・水         それぞれ大さじ1
  1. 豚肉は3cm幅くらいに切り、分量外の醤油少々を揉みこむ。サツマイモは(皮をつけたまま)縦と横それぞれ半分に切ってから、7から8mm幅に切り分けて、水でしばらく晒してから、水気を拭き取っておく。
  2. フライパンにサラダ油の大さじ1をひいて熱し、サツマイモの全てのカット面を丁寧に焼きつけ、取り出す。
  3. フライパンに残りのサラダ油大さじ1をひき直し、スライスしたニンニクをじっくり弱火で炒める。香りが立ったら豚肉を入れて、火が通るまで炒め、甜麺醤以下の調味料と水を加え、焼いておいたサツマイモを戻す。
  4. 全体を絡めるようにして2~3分煮てから、水で溶いた片栗粉を加えてとろみを付けて、できあがり。

サツマイモ300gは中型のもの1本くらいです。 中華だしの素は省略も可。 体重を気にしなくても良いならば、豚バラ肉で作っても。 お好みでサラダ油を胡麻油に置き換えても、また違った美味しさに。 甜麺醤が手に入らなかったら、オイスターソースと味噌を大さじ半分くらいずつ混ぜて、調味料の醤油を半分に減らして作ってください。 キノコ類を足したりしても良いかと。

こっくりとした秋の一品で、ご飯にも合います。

・・書いていて、おや?っと思って調べてみましたが、テンメンジャンの「メン」は「麺」でも「面」でも、どちらの表記も使うみたいですね。 ふーん、知りませんでした。

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2007.10.16

♪だから秋は少しだけ中途半端なのです

暑かった季節には大活躍してくれた冷奴。 この気温だと、さすがにちょっと辛くなってきた。 湯豆腐にはまだ早すぎるし・・という、中途半端な時期なので、冷奴も中途半端に温めて食べている。 名付けて「あったか奴」。

いつもの冷奴サイズに切った豆腐を冷たいまま器に入れ、そのまま電子レンジで加熱する。 一人分につき一分弱程度。 豆腐はそのまま長時間加熱すると、小爆発をすることがあるが、この程度の時間なら大丈夫のようだ。(大きさによって、適宜調整を。) 加熱すると、豆腐から水が出てきて器の底に溜まるので、指で豆腐を押さえるようにしながら、器を斜めにして水を捨て、薬味を乗せる。 食卓に出すと、ちょうど人肌程度(日本酒の熱燗程度とも言えるか)に温まっている状態で、大豆の香りが立って、冷奴とはまた違った美味しさが楽しめる。

薬味は好みで、それこそ冷奴と同じで構わない。 今日、ちょっと面白い出来になったのは、青紫蘇(大葉)と油3分の1タイプのツナ缶を乗せたもの。 コクがプラスされてなかなかの組み合わせだった。 ・・いえ、缶のゴミの収集日が近いもので、半端物を片付けてしまう作戦だったのだが、「瓢箪から駒」状態でラッキー!

だんだんと温かい料理が恋しくなってきて、体も冬の準備を始めたみたい。 食べ物が美味しいのは、寒さに備えて体脂肪を溜め込む為なのか? どこまで体の要求を許して黙認し、どこから欲求をセイブするべきか、いつも迷ってしまう。 中途半端な時期の、いつものジレンマだ。

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2007.10.11

焼き芋

ちょうど午後のお茶の時間に玄関のチャイムが鳴った。 出てゆくと、お隣のご主人。 軍手をした掌の上に焼き芋を乗せている。 「今、庭で焼いたんで、おやつにどうぞ。 まだ熱いから気をつけてね。」 受け取った傍から、香ばしい香りがぷーんと上がってきた。

サツマイモを直に火に入れて焼いたらしく、外側は完全に炭化しているが、それがまた「男の料理」っぽくもあるし、いかにも「アウトドアの醍醐味」のようでもあって嬉しい。 中心はホクホク。 真っ黒な外側を分厚く指で剥きながら、皮についた実を削るようにして食べるのもお楽しみの内だ。 何よりだったのは、芋全体にお焦げの香ばしい香りが染み込んでいたことで、私がオーブンで焼いたのでは、こうはゆかない。 焚き火の匂いの美味しさだった。

3本もいただいたので、おやつの残りの1本はサラダにして夜のビールのお供に。 まだ熱いうちに焼けた実をスプーンでこそげるようにして、焦げた皮から分離しておいたもの。 晒したタマネギのスライスを多めに、それとプロセスチーズのさいの目切りと一緒に、マヨネーズとプレーン・ヨーグルトを同量混ぜたもので、ざっくりと合わせる。 塩と胡椒で味を調えて、たっぷりのサニーレタスの上に、こんもりと盛りつけた。 サラダに仕立てても、香ばしい香りがしっかりと残っていて美味しい。

焼き芋を食べたのは、ずいぶん久し振り。 秋の香りを十分に満喫させていただいた。 ごちそうさまでした。

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2007.10.04

二十世紀梨

新潟で暮らす伯母が、二十世紀梨を箱で送ってくれた。(本当は『二十世紀梨』ではなくて『廿世紀梨』らしい。 『廿』で『にじゅう』なんて読める人はすごい!) 甘みが強い豊水梨や幸水梨に比べると、二十世紀梨は酸味がそこそこあり、そこがいかにも果物らしい味の気がするので私は好きだ。 貧乏臭いようだけれど、甘いだけの果物は食べていてなんだか不安になる。 甘けりゃ良いってものでもなかろうに・・なんて、嫌味のひとつも言いたくなってしまうのだ。 だから、どちらか選べるならば、甘い果物より甘酸っぱい果物の方が好き。

子供の頃には、ミカン類などで唇をすぼめてしまうほどに酸っぱいのが、そこそこあったような覚えがあるけれど、生産技術が上がったのか、品種改良のおかげか、二口目が続かないほど酸っぱい果物にはすっかり当らなくなった。 蜂蜜マリネにしないと食べられないような甘夏柑とか、妙に懐かしい。 苺も酸っぱいの、あったなあ。 でも、酸っぱいのをスプーンで潰して砂糖を入れて、牛乳で溶いて食べると美味しかったっけ。 昨今の苺は砂糖を入れると砂糖に負けてしまう感じで、ちょっと物足りないから、専ら洗ってそのまま食べている。

こうして思い出してみると、日々食べているものはあまり変わっていないように見えて、実はその中身、味、香りなんかは大きく変化しているのかもしれない。 毎日子育てに忙しくしている家族は気付かなくても、たまに逢う友人の子供は急に成長したようでびっくりする、そんな状況に近いか?

二十世紀に生まれたから二十世紀梨なのだろうけれど、二十一世紀の現在、この二十世紀梨も品種改良され続けているのだろうか。 素朴な疑問。 それにしても凄い名前付けたものだ、二十世紀梨なんて。 一粒ずつ丁寧に「廿世紀」と印刷された袋を被せられて育った大粒の梨を、しげしげと見つめてしまった。 ご立派です、はい。

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2007.10.02

マスカルポーネ

マスカルポーネチーズと言えば、まずはティラミスを思い浮かべる方も多いと思う。 フレッシュチーズの一種で日持ちはしないが、味や匂いがほとんど無くて、そのまま食べた時の感覚は「砂糖を入れないで固く泡立てた生クリーム」にかなり近い。

そのマスカルポーネが、中途半端な量で冷蔵庫に残っていた。 わざわざデザート系を作るには量が少ないし、なにか果物のコンポートでも作って乗せて食べるか、などと考えながらパッケージを眺めていたら、背景に真っ赤なトマトが、これまた一つだけ残っているのが見えた。 夏の強い陽射を最後に閉じ込めた様な完熟路地物のトマト。 これもそろそろ鮮度が落ちてくる頃だったはず。 「コンポートとマスカルポーネの組み合わせがいけるのなら、トマトでもなんとかなるんじゃないか」、と、ふと思いつく。 カプレーゼだったっけ?、トマトとモッツァレラチーズの前菜も存在することだし。

大きなトマトは縦半分に切ってから軸を除いて、7mm.程度に薄切り。 種も真っ赤でしっかりしていたから、抜かずにそのまんま使った。 お皿に並べて、それぞれに茶さじ2杯程度のマスカルポーネを乗せてゆく。 岩塩を上からパラパラと降りかけ、多めに黒コショウを挽く。 料理器具も汚さずに、何もかもお皿の上で済ませるところが、なんだかイタリアンっぽくて笑ってしまう。 仕上がりにオリーブオイルをちょろっと回しがけ。 バジルでもあれば完璧だったろうが、今回は庭の青紫蘇で代用。 指先で小さくちぎるようにしながらパラパラと散らす。 やったのはそれだけ。 ほんの2~3分の料理。 作っていたこちらが、なんだか申し訳ないような気持ちになるほどに、簡単で単純。

ところが期待に反して、これがね、なんとも美味しかった! モッツァレラチーズのような歯応えがないので、口の中でいきなり全ての味が馴染んできて、後から岩塩とコショウのインパクト、最期に紫蘇の香りがふんわり。 ある意味、本家のカプレーゼよりも美味しい。 チーズが苦手な方でも心配ないし、ワイン・パーティーの時に重宝しそうだ。

思いつきで作ったものが美味しくて、ラッキーな気分だった。 今度はこれを作る為に、わざわざマスカルポーネを買ってくることになりそう。 機会があったらお試しください。

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2007.09.19

忘れられないレシピ

外国人料理人のレシピを見ていると、「これは何かの間違いではないのか?」、と、思わずPCの電卓機能で重量換算をやり直してしまうことがある。 特にお菓子系、それもヨーロッパやアメリカのクラシカルな砂糖の使い方は、日本人の感覚を超えた「何か」が存在しているとしか思えないような量だ。 だから、自分で試してみる場合は、砂糖の量をとりあえず半分で作ってみて、気に入ればそこから微調整というケースが多い。

これもずっと昔に入手したアラン・シャペル氏のレシピを我が家流に調整したもの。 原本ではカボチャ1kg.に対して、1350gの砂糖を使えと書いてあった。 真に受けて、「カボチャ羊羹」になってしまったので、如実に強烈に覚えている思い出のレシピ。

 カボチャとライムのジャム

  • カボチャ    皮抜きで可食部1kg.(半個から4分の3個くらい)
  • グラニュー糖 300~600g
  • 水        100cc
  • ライム     1~2個
  1. カボチャは種と皮を取り2cm角に切る。 ライムは熱めの湯につけてから丁寧に洗い、皮を薄く剥ぐように剥いて(白い綿の部分がなるべく入らないようにして)、果汁を絞り、皮は千切りにする。
  2. 厚手の鍋に水とグラニュー糖を入れ、沸騰させてシロップにする。
  3. 2にカボチャを入れて20分ほど中火で煮る。 焦げ付かないように適宜かき混ぜる。 実が自然に崩れる感じで構わない。
  4. ライムの皮を3に加えて、更に好みの硬さにまで煮詰める。(冷めると硬くなるのでちょっと柔らかめのところで止めておく。)
  5. 火を止める直前にライム果汁を加える。
  6. 荒熱をとって容器に移し、室温で冷ましてから冷蔵庫で保存する。

これをフィリングとしてパイやタルトに仕立てても。 クリームと合わせてシューに詰めたり、凍らせればカボチャアイスにもなる。

●好き嫌いが分かれる味のようなので、まずは少量で作ってみて(ライムも1個から始めてみて)、ご家族の反応を確かめてみてください。 お好きなようでしたら、ライムを柚子に置き換えたり、レモンを使ってもまた違った美味しさが楽しめます。

確かに電子レンジでペーストを作ってしまえば早いし簡単なのだけれど、砂糖と素材の一体化とか、全体がまとまる感じは、鍋で気長に煮詰める方法には勝てないな、と、思うことが多い。 美味しさって、本当に微妙でデリケート。 要は使い分けなんだろうな・・。

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2007.09.11

ダブルベルガモット

ちょこっと出かけた『ますたあ』に頼んで、「午後の紅茶Special ダブルベルガモット」を買ってきてもらった。 私はベルガモットの香りが好きで、紅茶のアールグレイも濃い目に香り付けしてあるものがタイプなので、この商品が気になっていたのだ。

飲んでみて、「ああ、やっぱり市販の紅茶はこんな感じにおとなしく納まってしまうよな。」などと思いつつ、同時に、この印象は別のもので知っているぞ、と、首を傾げた。 紅茶ではなくて、全く別ジャンルのもののような気がする。 一生懸命考えていたのだが、いっこうに思い出せる気配がないので諦めた。

飲み残したものを冷蔵庫に入れておいて、今朝朝食の後に飲んだ。 で、何の脈絡もなく、いきなり思い出すことができた。

シーグラム社製のジンだ。 飲み込んだ後で鼻に抜けてくる香りが、かなりそっくり! ベルガモットの香りにもいろいろな種類がある中で、これはほとんど同じと言えると思う。

ジンはジェニパーベリーの香りが前に出ているものがほとんどだが、シーグラム社製のものはベルガモットが強く、それが気に入って一時期凝ったことがあった。 多分関係無いだろうが、その当時、シーグラム社はキリンとライセンス提携していて、「キリンシーグラム」だったんじゃないだろうか。 ロバートブラウンが流行っていた頃と重なる話だ。

なんだか懐かしい気持ちになって、急にシーグラム社のジンを探したくなった。

ところで、ボトリングされた紅茶は、いつまで経っても、どうも「紅茶風味飲料」の域を脱していない気がする。 どこか判らないんだけど、不自然なんだよなあ。 濁り(クレムダウン)を出さないためにタンニンを除去しているのだろうか?、渋みとか苦味が妙に薄いし。 無糖の紅茶は何か技術的に作れない理由があるのだろうか?、とか、疑問が多い。 なんて、ぶつぶつ言いながらも、新製品が出るとついほだされて買ってしまうのは、哀しい性か。

最近の皆さんの記事から。 「たまにはいいかな」という『源チャさん』の御意見。 「1回飲めばもういらないな」という「おっささん」の御意見。 やっぱりベルガモットって、好みが分かれるな。

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2007.09.07

丼の上の秋

今年は鮮度の良いサンマが、しかもお手頃な値段で出回っている気がする。 塩焼き、刺身、酢でしめる、ショウガと甘辛く煮たものも魅力的。 蒲焼も大好きだが、今回は目先を変えて味噌風味で。

  焼きサンマ丼

  • サンマ           ひとり1尾
  • 味噌            ひとり大さじ1
  • 砂糖と日本酒       ひとり大さじ半分
  • 水              ひとり大さじ1
  • あればショウガまたは柚子の皮のすりおろし  少々
  • 小麦粉と胡麻油かサラダ油      適宜
  • 万能ネギまたは大根おろし、カイワレ大根、ミョウガ等お好みで適宜
  • ごはん(できれば麦飯や雑穀ごはん)   適宜
  1. サンマは3枚におろす。 腹骨をすき取り、ひれを落として、皮に数ヶ所切れ目を入れる。 長さを半分に切る。
  2. 味噌・砂糖・日本酒・水を耐熱容器に入れ、ラップをかけて電子レンジで30秒ほど加熱するか、小鍋で練りながらひと煮立ちさせる。 手元にあればショウガ汁や柚子の皮を少々加える。(省略も可。)
  3. サンマに小麦粉をまぶし、油をしいたフライパンで皮側からこんがりと両面を焼く。  身が軟らかいのでフライ返しを使って。
  4. ごはんを丼に盛り、焼きあがったサンマを乗せ、合わせ味噌をサンマの上にかける。 お好みで小口切りにした万能ネギや薬味を天盛りに飾る。
  5. 身を崩して、全体を混ぜるような感じでいただく。

●この頃はおろした状態に作ってあるサンマも売っているようですから、忙しい時はそれを使えば楽。 ●薬味はお好みで、手持ちのものを使ってください。 七味唐辛子や粉山椒を振っても美味しい! ●アジやイワシを使って作ることもできます。 季節に合わせてどうぞ。 ●素朴な青魚の香りは、麦飯や雑穀米、玄米などと組み合わせると、美味しさが引き立つような気がします。

野菜たっぷりのおかずを添えて、お昼ごはんにでもいかがでしょう。

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2007.09.06

サントリー贔屓?

普段はビール一辺倒なのだが、やはり発泡酒といえども新製品は気になる。 なので、いろいろと浮気で冷やかしては、「んーやっぱりビールだよな」などとブツブツ言い訳をした挙句に、結局元の鞘に納まることを繰り返すはめになる。

発泡酒は、ビール好きが本当に羨ましくなるほどに、新製品や期間限定商品が次々と発売される。 いいなあ、羨ましいなあ。 ビールに比べて、それだけ売れているということを暗黙の内に語っているようにも見え、酒屋さんの店頭で嫉妬に近い気持ちを抱く。

今、ちょうど手持ちのビール箱が空になっているので、件の浮気癖で秋の発泡酒を2種類続けて飲んでみた。

ひとつはアサヒビールの「本生クリアブラック」。 ・・これはちょっと。 私の趣味からは大きく外れていた。 ロースト麦芽使用とのことだが、ローストの風味だけが発泡酒本体の味から突出している印象で、ちぐはぐな感じがする。 「ロースト風味のフレーバードビールみたいだ」と言ったら、笑われた。 色合いや香りは秋らしくて良いのだけれど。

もう一種類はサントリーの「秋生」。 こっちは気に入った。 この商品も焙煎麦芽使用とのこと。(片やロースト、片や焙煎というのが、なんとも笑ってしまう。) 色合いの違いは若干濃い目くらいの範疇に収まっていて、見た目のインパクトは無いが、飲んだ時の全体のバランスが、発泡酒なりに丁寧にまとまっている印象を受ける。 これはシーズン中にもう一度買ってこようかな、と、思った。

何を以て美味しさの基準とするかは個人的趣味の問題なので、いろいろとご批判はあることを覚悟するが、最近はキリンもアサヒもバランスの悪いビールが目立っていて、私が「あっ、これ、美味しい」と思うと図らずもサントリー、というパターンが続いている。 別にサントリーのラグビー部の監督が清宮克幸氏だから贔屓している、というつもりも無い(はずだ)けれど。 苦笑。

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2007.09.05

「旬」は頭の中に

今日の夕ご飯に並んだものを、冷静に眺めていたら妙な気分になった。

メインのおかずは「戻りカツオのたたき」。 カツオは高知県であがったもの。 そして、その隣には「茹でたトウモロコシ」。 トウモロコシは青森県産。 昨日のうちに煮ておいた「切干大根と厚揚げの煮物」。 素材はほぼ全て近所のものなので静岡県産。 それにちょっとしたサラダ。 デザートのスィートパインはフィリピンからの輸入品。 幸水梨は愛知県のものだ。

今頃カツオなんてなんだかピンと来なくて、魚屋さんの店先でしばらく迷っていたのだが、先だって新物のサンマを食べたばかりだったこともあり、目先を変える気持ちで、期待せずに買ってみたものだ。 しかし、なかなか脂ものっていて美味しい。

トウモロコシもこんな遅い時期に?、と、半信半疑の気持ちだった。 「まあ、この夏最後にもう一度味わっておくか」くらいの気持ちで一本だけ買い、皮をむいて茹でてみると、なかなか立派である。 ちゃんと香りもあるし、出回り期のものに引けを取らない。

昔はそれこそ時期を過ぎたら手に入らなかった食品も、一年中店先に並んでいる。 で、それら全てが美味しくないかと言えば、そうでもなくて案外イケるものもある。 余程路地物のしっかりした野菜などでなければ、良い勝負をしているものも多い。

全て流通のお陰なんだな、と、ぼんやり考えていた。 日本列島だって南北にこれだけの長さがある。 九州で採れていた物が、徐々に北上し、本州最北にたどり着くまでにはそこそこの時間が必要なのは当然で、それらが流通してくれば、今回のカツオやトウモロコシのようになったって、何の不思議もないだろう。 ましてや常夏のフィリピンでは、もしかしたら一年中パイナップルが栽培可能なのかもしれないし、それを輸入してくれば、旬も何もあったもんじゃない。

料理において季節感を大事にしたり、旬の食材を使うようにするのは、栄養の面のみならず、食べてもらう人へのおもてなしのひとつだろうことは認めているけれど、これだけ日本全国の、また各国の食材が簡単に入手できるような流通の時代で暮らしていることを考えると、「旬」は頭の中・記憶の中の感覚であって、味や風味そのものは選びようによって簡単操作できてしまうのではないか、とも、思ってしまった。

こんなご時世に、「旬」を教育しようとする「食育」は苦労が多いだろうな。 教わる側の子供たちは、「旬」をどれだけ肌で感じることができるだろうか。 地産地消でこじんまりとまとまっていた流通の時代でこそ、「旬」の感覚は大事だっただろうが、今、果たして「旬」がどれほど重要なことなのか、正直ピンと来ない気もして首を捻っていた。

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2007.08.31

夏の疲れ予防メニュー

これなら30分で出来ます。

略式豚の味噌漬け  4人分

  • 豚ロース肉ソテー用(1センチ厚くらい)  4枚
  • 味噌     大さじ4
  • みりん    大さじ1と半
  • 砂糖     大さじ1と半
  • 日本酒   大さじ3
  • ニンニク   1片・・・すりおろす。チューブ入りでも可。

  1. 味噌以下の材料を混ぜ合わせる。
  2. 余裕があれば豚肉の筋を数ヶ所包丁で切る。 逆に急いで作りたい場合は、肉全体をフォークでさして、細かい穴をたくさん開ける。
  3. 肉の両面に合わせ味噌を塗りつけて、10~20分放置する。
  4. 余分な味噌を指でぬぐうようにして、中火のフライパンで両面を焼きつける。 火の通りを早くしたければ蓋を使って蒸し焼きに。 強火にすると焦げるので注意。
  5. 適宜切り分けて盛り付ける。

本式の味噌漬けよりもソテーに近く、味はそこそこ薄めですが、肉の風味が楽しめます。お弁当にも便利かと。 合わせた味噌が余ったら、野菜炒めにでも使ってください。 ただし、肉汁が沁みていますから、冷蔵庫に保管して翌日まで位には使い切ること。 ちょっと焦げ目を付ける気持ちで焼いた方が美味しいです。 心配だったらフライパンに少量の胡麻油を敷いてから焼いてください。

たっぷりの野菜サラダでも添えて、どうぞ。 豚と味噌のビタミンB群をニンニクが補強します。 疲れが出やすい今の時期におすすめ。

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2007.08.27

青いパパイヤ

すっかり本州でも市民権を得た感のある沖縄料理。 特に夏場は本領発揮という感じがする。 素材の使い方も独特で、レシピを読んでいるだけでも興味をそそられる。 ゴーヤ、ヘチマ、昆布など身近なのに、自分が普段作っているものとは違う扱いで感心させられる。

昔、同じ職場に勤めていた仲間に、石垣島出身の方があった。 ある日どこかの飲み屋で宴会をやった時、〆のデザートに「パパイヤにバニラアイスを添えたもの」が出された。 彼女は隣に座っていた私にそっと尋ねてきた。 「ねえ、パパイヤ好き?」

「嫌いじゃないかな。 自分ではあんまり買わないけど、出されたら美味しく食べるよ。」 「じゃあ、私のパパイヤ、あげる。」 「いいの?」 「うん良かった、貰ってくれて。 でもアイスは私が食べるね。」 「うん、うん、もちろん。」

彼女は手を付ける前の器からパパイヤだけを器用に私の器に移した。 「パパイヤ嫌い? 石垣島だといっぱい作ったり食べたりしている印象があるけど・・?」 そう聞いた私に、彼女は意外な答えをした。

「パパイヤはね、嫌いじゃないの。 でも、熟して甘いやつはダメ。」

彼女の実家の庭にもパパイヤの木が何本もあり、ごくありふれたことのように花をつけ、実がなって、それをもいできては使っていたそうだが、専ら利用するのは未熟な緑色の実で、炒め物、煮物、サラダの材料としてだったらしい。 「へえ、じゃあ、果物としてじゃなくて、野菜としてみたいな感じ?」 「そうそう。 黄色いパパイヤなんてあっちでは誰も食べないよ。 東京に出てきて、お店で売っているのを見てビックリした。」 意外に思って聞いている私に彼女は続けた。 「だって、あっちでは、黄色くなるまで熟しちゃったら、パパイヤの中は虫だらけなんだもん。」 パカッと割った瞬間、中から虫がワッっと出てくるらしい。 ・・想像しただけでぞっとする。 「だからね、虫がつく前に食べちゃわないと。」 取り損ねられて木の上で熟したパパイヤを、子供の頃に採って食べようとした時に、中から虫がたくさん出てきて、その印象がインプットされるせいか、大人になると誰も手をつけなくなるという話を、彼女は教えてくれた。

私がお店で買うパパイヤは、全てが輸入品だ。 このところ完熟マンゴーの人気が高いが、ちょっと神経質に栽培して、虫の入っていない沖縄パパイヤを栽培したら、いい商売になるのかもしれない。

所変われば素材もいろいろ、使い方もいろいろ、食べ方もいろいろ。 食べることは生きることに繋がっているだけに、奥が深くて興味深い。

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2007.08.25

晩夏のシュリンプ・サラダ

どこか物憂げな時期。 よく冷やした軽めの白ワインで、ちゃんと手をかけて作ったサラダはいかが。

ちゃんと作るシュリンプ・サラダ    約4人分

  • ブラックタイガーまたは大正海老       200g
  • 白ワイン  大さじ2
  • 塩      小さじ4分の1
  • コショウ   少々
  • レモン    スライス1枚
  1. エビは背わたを取って蓋のできる小鍋に入れ、白ワイン以下の材料を加えて、蓋をして中火にかける。
  2. 湯気が上がったら火を止めて、そのままレンジの上でじっくり常温まで冷ます。 その後で皮を剥き、尾も除く。
  3. 冷蔵庫で冷やしておく。
  • トマト    よく熟して硬いもの  大2個
  • サヤインゲン        100g
  • 塩・コショウ         適宜
  • タマネギ           2分の1個 約100g
  1. トマトは湯剥きまたは包丁で皮を剥き、くし型に切る。(弧の部分の幅が2cm弱くらいに。) 気になれば種を除く。
  2. サヤインゲンは筋を取って茹で、3cmくらいの斜め切りにし、軽く塩・コショウを振る。
  3. タマネギはほんの少し取り分けて、小さじ1量の細かいみじん切りを作る。 残りは全量スライスして水に晒し、水気をよく切る。
  4. すべての材料を冷蔵庫で冷やしておく。
  • ワインビネガー(白)   半カップ
  • 塩              小さじ2分の1
  • 練り辛し(日本辛し)    小さじ1
  • タマネギ(前段階で取り分けておいたもの) 小さじ1
  • ミョウガ           2個
  • 大葉             5枚
  • アンチョビ・フィレ      2枚
  • お好みの油         4分の1カップ
  1. ドレッシングを作る。 ミョウガ、大葉、アンチョビを細かいみじん切りにする。
  2. ボウルに塩、ビネガー、辛しを入れてホイッパーでよく溶きのばす。 混ぜながら少しずつ油を混ぜ込んでゆき、更によく混ぜる。
  3. みじん切りにしたタマネギ、ミョウガ、大葉、アンチョビを合わせる。 ここではコショウは使わないので、注意。
  4. 時間があればドレッシングもボウルごと冷蔵庫で冷やす。

  食べる直前にすべての材料をボウルの中で混ぜ合わせ、器に盛りつける。

よく「引き算の料理」とかそんな表現を耳にしますが、個人的にはサラダは「足し算の料理」だと思っています。 夏場は、副菜としてちょこっと添えるサラダが重宝される時期で、そちらが一般的だからこそ、逆にちゃんと手間をかけて作られたサラダも、また違った印象で美味しいものです。

あまり良い状態のエビが手に入らなかったり、トマトの酸味が強い場合には、ワインビネガーを少し減らしてください。 残ったアンチョビはパスタやピザトーストにでも。 ほぐした焼きナスに和えて冷蔵庫でキンと冷やし、多目の黒コショウを振れば、ちょっと気の利いた肴にもなりますよ。

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2007.08.23

メカジキで

ちょっとがんばって涼しい時間帯に作っておけば、とっても楽。 冷たいまま、食卓へ。

  メカジキのマリネ   4人分

  • メカジキ       300グラム
  • 塩・コショウ     適宜
  • 片栗粉        適量
  • 長ネギ        1本
  • ショウガ       1片
  • 揚げ油        適宜
  • 米酢         半カップ
  • 砂糖         半カップ
  • 醤油         4分の1カップ
  • ケチャップ      小さじ2
  • 胡麻油        小さじ1
  1. メカジキはひと口大に切って塩・コショウして、片栗粉をまぶす。
  2. 長ネギはみじん切り。 ショウガはすりおろす。
  3. 耐熱ボウルに酢・砂糖・醤油を合わせて、電子レンジで2分加熱。 取り出してケチャップ・胡麻油を加えて、よく混ぜる。 そこへ2の長ネギ・ショウガを入れて混ぜる。
  4. 揚げ油で1のメカジキを揚げ、熱いうちに3に漬け込み、器ごと冷蔵庫で1時間以上冷やす。
  5. 皿に盛り、漬け汁を少しかけていただく。

辛いのがお好みなら、漬け汁にラー油を混ぜても美味しいです。 お弁当や持ち寄りパーティーにも重宝。 お洒落にしたかったら、別に白髪ネギを作って、天盛りにすれば上品な印象に。

そろそろ夏の疲れが溜まってくる頃・・お酢の力を借りましょうか。

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2007.08.15

味の沁みたしらたき

しらたきなんて、よく考えてみれば「どこが美味しいのか判らない」食材なのだけれど、例えばすきやきのように、醤油と砂糖の味が染み込んだしらたきには、他の食材では追いつけない「美味しさの存在感」があるような気がする。

・・と、しらたきのご機嫌をとったところで(?)、急に思いついて作ったベーシックな一品。

しらたきの炒り煮

  • 豚肉薄切り、モモでもロースでもバラでも      300グラム
  • シラタキ、白でも黒でも                1袋
  • ワケギまたは万能ネギ                1束
  • 胡麻油                          大さじ1
  • 赤唐辛子(省略可)                  1本
  • ダシ                           200cc
  • 醤油                           大さじ2
  • 砂糖                           大さじ1と半
  • 七味唐辛子・すり胡麻・青海苔 お好みにより適宜
  1. シラタキはざく切りにして茹でこぼし、水を切っておく。 豚肉は2cm幅に切る。 脂が多い部位を使う場合は、さっと熱湯にくぐらせておくとよい。 ワケギは5cm幅に切る。
  2. フライパンに胡麻油を引いて、輪切りの唐辛子とシラタキを炒める。 中火でじっくりと。 ここでシラタキの水分を飛ばすのがポイント。
  3. 豚肉を加えて引き続き炒め、肉の色が変わったら、ダシ、醤油、砂糖を入れて炒め煮する。
  4. ほとんど煮汁がなくなったところで、味見をし、醤油と砂糖で微調整。
  5. ワケギを加えてさっと炒め合わせる。
  6. お好みで七味唐辛子や炒り胡麻、青海苔などを混ぜ込み、できあがり。

すぐにいただくのではなく、しっかり冷まして味を染み込ませてから召し上がってください。 5の過程で乾燥した粉末状の香辛料を混ぜ込むと、表面の余計な水分が吸収されて、格段に日持ちが向上します。 これはキンピラなどにも使える手。

炊き立ての白いご飯によく合う、日本のおかずです。

ちなみに・・。

昨夜からビールを解禁。 日頃から「私の血はビール」などと勝手にのたまわっている当方において、これは輸血に等しいことです。(笑) ようやく自分の体が自分に帰ってきたような、そんな感覚でした。 濃い目味のピリカラしらたきに、モルツ。 やっぱり夏は、こうでなくっちゃ!

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2007.08.09

ラタトゥイユ

農家直販のお店に行って夏野菜をたくさん手に入れたので、ラタトゥイユを作った。 夜には鶏の胸肉をソテーして、ラタトゥイユをソース代わりに。 パスタに合わせても美味しいし、温泉卵と一緒にご飯にのせれば丼に。 スライスチーズと一緒にパンにのせて焼いたりしても美味しい。 作っておくとなにかと重宝する。 日が経つにつれて全体の味が馴染んでくるのも、またオツな感じだから、たっぷりとまとめて煮ておくと、日々の献立の組み立てが楽。

夏野菜ならたいていのものは使えるが、ローリエとオレガノは忘れずに。 私は仕上げにタバスコを振って、辛さとお酢の風味プラスする。 カボチャを入れる場合には、傷み易くなるのでご注意を。

ラタトゥイユ

  • セロリ      葉を除いて一本
  • タマネギ     小1個
  • ズッキーニ   1本
  • ナス       2個
  • パプリカ     2個
  • 人参       半本
  • トマト       大き目のもの1個
  • トマト水煮缶   1缶
  • ケチャップ    大さじ2~3
  • 固形コンソメ   1個
  • ニンニク     1片
  • ローリエ     1枚
  • オレガノ     小さじ1弱
  • オリーブ油    大さじ3
  • タバスコ     適宜
  1. ニンニクをみじん切り、トマトは櫛型切り、その他の野菜は全て小さめの乱切りにする。
  2. 鍋にオリーブ油とニンニクを入れて、香りが立つまで熱する。 野菜とローリエ、オレガノを加えて炒める。 全体に油が回り火が通ってきたら、トマトの水煮缶と固形ブイヨンを入れて煮込む。
  3. なべ底を焦げないようにかき混ぜながら、水気が殆どなくなるまで炒め煮する。
  4. 仕上げにケチャップを入れ込み、塩・胡椒(分量外)で調味。 最後にお好みでタバスコを多めに振り混ぜる。
  5. 鍋のまま荒熱を取り、蓋のできる容器に移して冷蔵庫で保存する。

野菜の大きさは、指の第一関節から先くらいを目安に切り揃える。 ベーコンの細切りや、豚モモ肉薄切りを1センチ幅に切ったものなどを加えれば、味に深みが出るしバランスも取れるが、日持ちしなくなるので気をつけること。 生のトマトも使うことでフレッシュな香りに仕上がる。 手元に無ければ省略しても大丈夫。 全体的に少し濃い目の味に作っておくのがポイント。 嫌いでなければ、ローリエも入れたまま保存しておく。

この材料でなくちゃダメ、という性質のものではないので、嫌いなものは他で補ったりして、手元にあるものを活用してください。

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2007.08.04

病院給食

入院生活中の病院給食では、期待を裏切られなかったという印象が残った。 私が作っている普段の食事ではなかなか経験できないことも、たくさん体験できたということなのだろうと思う。 決して「すご~く美味しかった!」とか、「何処ぞのレストランのようだった」などという視点ではなく、実は身近なのに食べていないものは結構あるんだな、という感じだろうか。

まず、重湯。 重湯が何かは知っているし、作り方も解っていたが、(記憶の範疇では)実際に作ったこともなければ、自分で食べたことも無い。 だから、小さなコップのような容器にドロリと収まっている乳白色の液体が、一体何物なのか、口に入れるまで解らなかった。 うーん、不思議なものだな、という第一印象。 体調のせいもあったかとは思うが、お米の味も香りも少なくて「味の無い葛湯」に近いと思った。 ちなみに、重湯と一緒に供されたのは、「具の無い野菜コンソメスープの上澄み」と「カルシウム強化グレープジュース」。 妙な話だが、「・・あっ、こんなごはん食べてたら、ほんとに病人になっちゃいそう。」、と、ちょっと焦った記憶がある。 治療食には、食べる人を心理的に病人に作り上げる力が有るな、と、いうことを学んだ。 これって、実は結構ポイントかもしれない。 特に慢性的な疾患で長期に渡って治療食を摂らなければならない方々にとっては。

重湯とまではいかなくても、軟食と呼ばれる、消化器官への負担が少ない食事を食べていた間は、「謎の煮物」「謎の和え物」がたくさん登場した。 煮物はぐずぐずに煮溶けてしまいそうに軟らかくしてあるので、野菜の味は判るのだけれど、何の野菜が入っているのか鑑別が付き難く、一口食べては神妙に味わって分析するといった過程を、ずいぶん楽しませてもらった。 人参とかブロッコリーなどは見ただけでも解るのだが、ジャガイモが混じると、一気に素材の味の輪郭がぼやけるのが、とても興味深い。

和え物が、これまた、なかなかの曲者で、和え衣のベースが解らないのである。 胡麻和え、からし味噌和えくらいなら、判別も容易だったが、「どう考えても、これは『ハッピーターン』の味でしょう?!」という和え物も2回ほど登場し、(それぞれナスとインゲンだったが。)私を惑わせた。 ちなみに廊下に張り出されている献立表によれば「なすの和え物」「いんげんの和え物」・・解決にならずに残念。

多分小学生時代以来食べていなかったメニューとも、数十年ぶりに再会。 「缶ミカン入りシルバーサラダ」である。 春雨を茹でたものと、キュウリ・ハムの薄切りをマヨネーズで和え、そこに缶詰のミカンを混ぜたアレだ。 今回のものはご丁寧に缶パインも入れられていた。 デザート以外の料理においての果物使いには、好みが分かれるところだろう。 例えば「酢豚のパイン」とか「ハワイアン・ピザ」とか「プロシュートとメロン」とか。 完成度の高い「果物使い」はとても美味しいが、何も考えずにただ入れた「果物使い」は辛いものがある。 小学生の頃から「これは正しい料理なのか?」と、首を傾げながら食べていた「缶ミカン入りシルバーサラダ」であったが、いい歳をして食べてみても、「やっぱり合わないよ、缶みかんは。」だった。 まあ、レーズンは入っていなかったので、ありがたかったけれど。 多分これからも、自宅でこれを作ることは無いんだろうな。 次にお目にかかるのはどれだけ先の事になるやら・・などと思いを馳せながら、味わって平らげた。

普段は自分が作って食べているので、人が作ってくださった食事をいただくということは、とても興味深く、美味しい・まずいとは別の観点で楽しい。 限られた食材費のなかで、栄養学的に考慮し、治療の一環として食事を提供するなんて、本当にすごいというか、頭が下がる気持ちになったものだった。   

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2007.07.13

たっぷりキノコ

わざわざアップするのもなんだか申し訳ないほどに簡単な常備菜。 ちょっとした箸休めにどうぞ。

きのこの和風マリネ

  • キノコ(お好みのもの数種類を)  合わせて300g
  • 胡麻油                 大さじ1
  • 長ネギ                 1本
  • 醤油と酢                それぞれ大さじ2
  • 砂糖                   大さじ1
  • お好みで唐辛子            1本
  1. キノコはそれぞれ石附を落として食べやすい大きさにほぐすか切る。 長ネギは3cmの長さの短冊切りに。
  2. ボウルに醤油・酢・砂糖・唐辛子を合わせる。
  3. フライパンに胡麻油を熱し、キノコを強火でさっと炒め、更に長ネギを加えて軽く炒める。
  4. 3を1に入れて全体を和える。 容器に移して冷蔵庫で冷やす。

多分一週間くらいは日持ちします。 辛いものが苦手だったら唐辛子の種を抜いたり、入れなくても大丈夫。 キノコが安く手に入った時にでも、作り置きしておくと便利です。              

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2007.07.05

厚揚げ

最近『冷奴』が続いたので、同じ豆腐系でも毛色を変えて厚揚げの登場。 適当に切ってオーブンで炉端焼き風に熱々に焼いて、ちょろっと醤油をかけて、すりおろした根ショウガでいただいた。 どうせオーブンを温めるんだったら、ついでにナスも焼いて『焼きなす』にしておけば良かったな、と、気付いたが、後の祭りだ。 そろそろ厨房も夏の環境で、火をかけたレンジの前に立つのが、辛くなってきつつある。

焼いた厚揚げは、今日のようにおろしショウガが相棒でも美味しいし、当然大根おろしも。 万能ネギや茗荷を細かく切って大胆に乗せるようにしても。 豆腐系は夏の薬味とよく合うので、使い回しが効いて助かる。 実は個人的には、ねり芥子を付けて食べるのが好きで、時々薬味と併用しながら楽しませてもらっている。

フライパンでよく焼き付けてから、醤油とみりんと砂糖で照り焼き風に絡めても良いし、中華料理は言うまでもないし、カレーの具としてもなかなか相性が良い。 トマトソースが相手でも無難にこなしてしまう、懐の広い食材だ。 ビーフシチュウに入れると抜群なので、機会があったら是非お試しを。

同じ豆腐系でも、ちょっと油で揚げただけで、こんなにも表情が変化するのが面白いと思って、食べながらいつも感心してしまう。 『冷奴』が続いていたら、厚揚げでもいかが?

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2007.06.29

違う感じの「冷しゃぶ」

私は肉と生野菜をわっさーっ!と混ぜて食べる感じの物(例えば冷しゃぶサラダや、バンバンジーとか、パストラミのサラダとか・・)が好きなのだが、父が私たちと同じものを食べていた頃には、あまり歓迎されなかった。 父曰く、「口の中で野菜がワシャワシャするのが気になるんだよなあ。」だそうで、例えばレタスよりはサラダ菜、オニオンスライスよりは白髪ネギの方が良いみたいだった。 もちろん加熱してしまえば父の言う「ワシャワシャ感」は無くなるので、熱々のオイルをかけたり、ブランシール(軽ーい下茹で)したりしていた。 なので、父も食べてくれるような「冷しゃぶ風のもの」を・・、と、思って考えたのがこちら。

違う感じの冷しゃぶ  4人分

  • 牛肉 薄切り肉(赤身でもロースでもお好みで) 350g前後
  • キュウリ     2本
  • 長ネギ      1本
  • 茗荷       2個
  • 焼き海苔    1枚
  • 市販のポン酢  大さじ2
  • 醤油       大さじ2
  • 味噌       大さじ1
  • 砂糖       小さじ半分
  • 練りワサビ   小さじ1と半分
  • ごま油      小さじ1
  1. 牛肉は通常の「冷しゃぶ」の要領で、適当な大きさに切って、軽くゆでて水気を取り冷ます。
  2. キュウリは縦半割に切って、種の部分をティースプーンの先端でこそげて取り除き、4㎝くらいの斜め薄切りにする。 長ネギと茗荷も縦半分にしてから斜め薄切りにする。 キュウリと長ネギと茗荷を一緒に水に晒してから、ザルにあけて水気をきっておく。
  3. 焼き海苔は軽く炙って「もみ海苔」に。
  4. ポン酢以下の材料を全て合わせて、そこにキュウリと長ネギ、茗荷を入れて和える。
  5. 牛肉を皿に敷いて、中央に4をのせて、最後にもみ海苔を散らす。

●作ってから時間が経つとキュウリから水が出てしまうので、4以下は食べる直前に作ってください。 長ネギは万能ネギに置き換えても良いし、大葉や新ショウガなども使えます。 ●しゃぶしゃぶにしないで、牛モモ肉(赤身肉)のステーキ用をレアに焼いてから、削ぎ切りにして、同様に野菜をのせれば、育ち盛りのお子さんにも活用できると思います。 豚の薄切り肉で作っても大丈夫。 ●練りワサビの代りにおろしニンニクとラー油を加えれば、コリアンな感じに。 適当にいじって工夫なさってください。

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2007.06.27

価格の差

過日いきなり営業の電話がかかってきた。 神奈川県某所で鶏卵農家をなさっている会社で、サンプルを送らせていただけないかと。 サンプルについては送料等の料金は一切必要無く、値段表も同封するので、実際に食べてみて検討して欲しいと。 その代わりと言ってはなんだが、一週間後くらいにどうだったか伺いたいので、もう一度電話をかけさせてもらう、という内容だった。 別にお断りする理由も見つからなかったのでお受けすることにして、電話の二日後には立派な卵が1パック、クール便で届けられ、何はともあれ「卵かけご飯」でお手並み拝見、と、相成った次第。

山吹色の黄身は箸でつまみ上げられるほどで、新鮮さは申し分ないし、確かに卵の香りも味も濃くて美味しい。 ただ、値段と加味して、他のプレミアム鶏卵と比較した時に、この卵だけが際立って美味しいという印象は受けなかった。 まだ加熱した時や、ケーキの材料として使用した時など試していないので、現段階では評価できないが。

例えば、ちょっと大きなスーパーへ足を伸ばしただけでも、鶏卵は何種類も扱われている。 最も安価なもので1パック200円弱、高いものだと1個100円近くするものまで、本当に様々だ。 確かに高い卵は美味しいと感じることが多いけれど、その値段の差ほど味に差があるかと問われると、ちょっと首を傾げる場合もあるような気がする。 「卵かけご飯」みたいに、卵の味がダイレクトに結果に響くような場合には、それなりのプレミアム鶏卵を使うが、ハンバーグのタネに混ぜ込んでしまうような場合には、思いっきり安価なもので済ませたり、正直なところ適宜使い分けしているのが現状だ。

確かにプレミアム鶏卵には『能書き』が色々と付いている場合が多くて、(他の卵との差別化が狙いだろうが)、やれ餌はこんなものを与えているだの、やれ生育環境にこんな工夫をしているだの、中には鶏卵農家の顔写真が貼り付けてあるものもあり・・。 別に農家のご主人が良いオトコだろうがどんな顔をしていようが、卵の味に関係があるわけではないくらい百も承知なのだが、なんとなくそういった情報がたくさんあればあるほど、安心できるような気分になってくるのも、また事実なのである。

だとすると、値段の差は情報量の差とも言えて、その差額で安心感を買っていることになるのかも知れなくて。 どこか腑に落ちないような、ちょっと妙な気分で、「卵かけご飯」を食べていたのだった。

明日はケーキを焼いてみますかね・・。

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2007.06.19

ご自宅用アイス

おやつの類を手作りなさる方には通じるかと思うが、アイスクリームは面倒くさい。 滑らかにする為に、凍ってゆく過程で何度も攪拌したほうが美味しいし、何よりもただでさえ色々と詰め込まれているフリーザー内に、ボウルの場所を確保するだけでも憂鬱になる。 何とかできないかな・・、ということで考えた苦肉の策。

ご自宅用アイス  500ml.の牛乳パック一個分

  • 薄力粉       大さじ1
  • 砂糖        50g
  • 卵黄        2個
  • 牛乳        200ml.
  • 生クリーム     100ml.
  • マシュマロ     20個 お好みで増減可。
  • ヨーグルト用フルーツミックス缶、またはお好みの果物缶詰の実   150g
  • お好みでレーズンまたは刻んだドライフルーツ   大さじ1ほど
  • バニラエッセンス  少々

作り方

  1. 耐熱容器に薄力粉と砂糖を混ぜる。 そこに卵黄とバニラエッセンスを加え、泡立て器を叩きつけるようにしてよく混ぜたら、牛乳を加えてさらによく混ぜる。
  2. 電子レンジ(500W)で2分加熱し、一旦取り出してよく混ぜて、さらに2分加熱。
  3. 5分立てにした生クリームを加えて混ぜ込み、缶詰の果肉をごろごろと大きなまま加える。 マシュマロとドライフルーツも加えて混ぜる。 マシュマロが溶けかかってても気にしないで大丈夫。 成り行きに任せて!
  4. 洗った牛乳パックに3を流し入れ、口を折り曲げて直方体にし、ガムテープで口の部分をしっかりとめる。
  5. 冷凍庫に寝かせ入れて、一時間に一回牛乳パックを半回転させながら凍らせる。(約4時間。)
  6. 完全に凍ったら、牛乳パックごと包丁で切り分け(厚めのスライスの要領で)、外側の紙をはずして器に盛る。

●缶詰のフルーツは大き目のほうが美味しいので、半割の桃缶でしたら、縦に4つ切り程度を目安に。 ●材料を倍にして、1ℓパックで作っても。 その場合は冷凍庫で4分の1回転させてゆくと良い。 ●食べ残した分は断面をラップで包んで輪ゴムでもかけてしっかり空気を遮断して、冷凍庫で保管を。

作り慣れてきたらヨーグルトを加えたり、ココアや抹茶を使ったりして工夫して、我が家の味を作ってください。     

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2007.06.03

「同じ」なのに「違う」

例えばデパートや輸入商材を扱うようなお店で、香辛料の並んだ棚を見るのが好きだ。 まあよくぞこんなに・・というくらいに、色とりどり様々な種類が並んでいる。 洋食向き・和食向きの香辛料は何かとお世話になる機会も多いので、それでも見慣れているほうかと思うが、中華向きの香辛料には全く見たことのないものや、漢字を読んでも何に使うのか判らない物も多く、初めてのものを勘で買ってきた挙句、エライ目にあったこともあったっけ・・それはそれでまた楽しかったりするのだが。

瓶や袋に詰められているものは、乾燥したり、その上に粉砕してあるので、同じ物であっても生のまま食べるのとは、ずいぶん印象が違うので面白い。 ある一部の特徴は無くなり、ある部分は残り、全体のバランスが変わるので、生と乾燥品とでは全く違うものと言っても良いくらいに性質が変化して、当然ながら適した使い方も使う量も違ってくる。

ニンニクは一般的な香味野菜なので、日頃から手元においてパスタ料理などに活用されている方も多いと思う。 とやかく言う私も、大抵買い置きがある。 でも、それとは別に香辛料として売られている「ガーリック・パウダー」も、切らしたことが無い。

まず、ガーリック・パウダーは匂いが淡い。 ニンニクのあの香りは美味しさのひとつではあるけれど、エチケットとして食べられない場合もあるし、下手をすると次の日まで匂ったり、口元だけでなく体全体からふわっと匂ったりするので、体に良いことは判っていても気を遣う。 それが、ガーリック・パウダーだと、殆ど気にしなくても大丈夫なほどに、匂いが薄い。(もちろん、たくさんの量を使えば話は別。) なので例えばジャガイモの素揚げなどの出来上がりに、塩と一緒に振り掛けたりしても、匂いは気にならない。

そして、匂いは薄いのに旨味成分が多い。 だからコクが出る。 素材に下味をつけたりする場合には、もってこいだ。 また、ムニエルの衣に混ぜたり、野菜のソテーにぱぱっと振ると旨味がぐんと広がってくる。

ニンニクは生のものを持っているから、と、わざわざガーリック・パウダーを買わない方が多いかと思うが、持っていると本当に便利な香辛料なので、生とは別のものとして、一本手元に置くことをお奨めしたい。 安売りの機会があったら、とりあえず試してみてもらいたい食品のひとつだ。


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2007.05.30

メロン選びは真剣

先週から今週にかけて、偶然にも「メロン運」に恵まれている。 つまり、よく熟した、それでいて熟しすぎていないメロンに当たっているということなのだが、これがなかなか微妙で難しい。 ちょっと気を抜くと殆ど内部が液状化してしまうし、気が早すぎれば香りが無く、硬い歯ごたえで美味しさも半減。 皮がしっかりしている果物なだけに、香りをかいで見たり、掌からなんとなく伝わってくる軟らかさを確かめたりして、何かと気を遣う。 八百屋さんもいい加減で(?)、言うことがあんまり当てにならなかったりして(!)、曖昧な判断ミスをされるよりは、美味しくなかった時に自己責任のほうがまだ納得がいくので、ニコニコと半分くらい聞き流しながら、心は真剣にメロン選びをしている。 ・・そんな自分が妙に可笑しい。

私はどうも見ず知らずの人に話しかけられやすい体質のようだ、という事は以前にも書いた。 今日はメロンを選んでいる最中に初老のご婦人が話しかけてきた。
「これ、どうかしらね?」
独り言とも問いかけともつかない様な微妙な感じで。 でも、顔は明らかに私のほうを向いているしなあ。 無視しようとすれば出来ない状況ではないけれど、それだとあまりにも不親切かなあ?
「メロンは難しいですよね。」
「やっぱり(値段が)高いものを選んだ方が無難かしら?」
内心、『いや、そういうことではないのでは?』と思うが、口には出さなかった。 一応悪い表情はしていなかったつもりだが、返事をしない私に、ご婦人の言葉が続く。
「ぐちゃぐちゃになってたら、嫌なのよね~。」
そりゃあ誰だってそうでしょうよ。 だから真剣に選んでいるんだし。
あんまりいい加減なことを言って、後日偶然に再会して責任問題になったら厄介だし、なんだかちょっとヤバイ雰囲気を感じなくもないお方で。 しかし、食べ物に対して『ぐちゃぐちゃ』っていう表現は気になるな。
「軟らかくなりすぎていたら、ジュースにすれば美味しいですよ。」と、矛先を変えた。
「ああジュース・・。」
「フォークで丁寧に潰すだけで済むし、牛乳とか蜂蜜とか足したりして。」
「ジュースね、ジュース。」 ご婦人がぶつぶつ繰り返している間に、そそくさと一個選び、軽く会釈して場を離れた。

買ってきたメロンは偶然にもよく熟したメロンだったので、一安心。 話のお陰で集中できずに、その結果「はずれメロン」を選んでいたら、さぞかし悔しい思いをすることになるだろうと、切ってみるまでは心配だった。

なんだか、今日の買い物は疲れた。 さて、あのご婦人に買われていったメロンの熟れ具合は、如何だっただろうか。 案外さんざん迷ってから、買わずに帰っていたりして・・? もういいや、考えるの、よそう。


●お酒の好きな方は、熟したメロンを大きめの一口大にカットして、マラスキーノ酒をぼとぼとかけて、冷蔵庫で30分冷やしながら馴染ませて、溜まったジュースごと一緒にいただくと、それはそれはもう至福の美味しさですよ。 マラスキーノ酒は余ったらお好きなお好きなソフトドリンクで割って飲んだり、アイスティーに垂らしたり、お菓子作りする方ならラム酒の代りに使えます。 特にフルーツ系やホイップクリームやカスタードの香り付けに相性が良いです。 (私はオンザロックスで飲んじゃいますけれど。)
 

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2007.05.24

小間物仕事と「いかめし」

魚屋さんの店先で物色していたら、小型の真イカが山盛りで200円だった。 掌くらいの長さのものが、ぱっと見でも15ハイ以上ある。 内心「さばくの、ちょっと面倒だな」と躊躇したが、「いやいや、そんなことで手間を省いてはいけない。」 気を取り直して購入することにした。

ふと、イカの隣に目を移すと、今度は北海道のワカサギがキラキラ光っている。 こちらも小山に盛られている。 冷凍物でない生のワカサギは久しぶりだ。 「また細かいものか・・。」 どうせ手をかけるなら一種類も二種類も一緒だと開き直って、ワカサギも買った。

イカをさばいて掃除をし、とりあえず使わない分はゲソと身に分けて、ラップに包んで冷凍に。 そのうち炒め物かイカ大根にでも使おう。 ワカサギは薄衣をつけてからっと揚げて、たっぷりの新タマネギと一緒に南蛮漬けに。 イカの続きで早い時間に作っておいたお陰で、夕食の準備の時間がずいぶん短縮されて助かった。

久しぶりにこまごました魚仕事。 意外なことに、残ったのは面倒くさかったという気持ちではなくて、「作ったー」という充実感だった。 やっぱりまめにやらないとダメだな、と、自分に発破をかけた。


そうそう。 イカで思い出した。 「いかめし」は人気があるが、自宅で作るとなると面倒だと思われる方も多いかと。 あれ、ね、生のもち米で作ろうとするから大変なのであって、発想を転換すると良い。 近くで「おこわ」を炊いて売っているお店があったら買ってきて、もし、そんなお店が無かったらレトルトパウチの真空パックで、袋ごと茹でれば食べられる「山菜おこわ」を買ってきて、それを下処理したイカに詰めて、口を楊枝でとめる。 おこわが軟らかいうちに、スプーンでぎゅうぎゅう押し込む感じで。 あとは煮魚と同じ配分の(酒・みりん・砂糖・醤油が同量に水を2~3倍程度。)煮汁で煮れば良い。 火が通ったら「いかめし」は筒切りにして、煮汁を煮詰めてトロッとさせたものを回しかければ、簡単に作ることが出来る。 もち米を吸水させたりしなくても良いし、イカの中で膨らみすぎて破裂したり、逆に具が足りなくてスカスカになることも無い。 この方法だと意気込まなくても気楽に作れます。 小型のイカが手に入ったらお試しを。

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2007.05.21

山暮らし

きゃら蕗を煮た話は以前に書いた。 その蕗を摘み取る際に、いくらか成長が良いものを残しておいて、もう少し育ったら煮ものに使おう、と、目論んでおいたのがそこそこに太くなったので、晴れて収穫に。 早いものでひょろひょろと頼り無げだったものが、もう私の小指程度の太さにまで育っている。 小型のナイフを使ってその場でスパスパと葉を落とすと、あたりの空気が蕗色の香りに包まれた。 頭上に広がる楠の梢では、ウグイスが鳴き続けていて、なんとも山らしい。

家族でたっぷり一回分の量を確保してから、斜面を登ろうと視線を動かすと、真っ赤に熟した「くさいちご」の実が飛び込んできた。 あっと思って見渡すと、あちらにもこちらにも赤い実が見える。 とりあえず厨房に戻って蕗をシンクに置いて、小型のボウルを抱えて出直した。 もう一度ゆっくりと斜面を降りて、今度は苺集めにとりかかる。

蕗を荒塩で板摺してからたっぷりの湯を沸かす間に、くさいちごの実を洗ってボウルの中で砂糖をまぶす。 蕗をさっと湯がいて水に取り、冷ましながら、苺のボウルは電子レンジへ。 蕗の皮をすいすい剥いている内に、くさいちごの略式ジャムの出来上がりだ。

蕗は油揚げと煮付けた。 だし1カップに醤油と砂糖とみりんが大さじ1ずつ。 5cmほどに切り揃えた蕗と、8つ切りの油揚げ一枚分。 10分ほど中火で煮たら火を止めて、そのまま夕食の時間まで放置して味を染み込ませる。

くさイチゴのジャムは一晩冷蔵庫で落ち着かせてから、今日のお昼にプレーン・ヨーグルトに混ぜて食べた。 プチプチした触感が楽しく、思ったほど渋みも無い。 鮮やかな赤い色がきれいだった。

ちょいちょいと集めてきて、ささっと手を加えていただく醍醐味は、山ならでは、という気がして、こういった生活をしている自分が時々不思議になる。 誰が想像していただろう、こんな山暮らし。 予想していた部分とは全くかけ離れたジャンルでの、自分の経験量が増えてゆく。 さて、これからどうなるのかな??

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2007.05.17

梅干で。

晴れると汗ばむくらいの陽気になるこの時期は、なぜか梅干を食べたくなる。(私だけかも?。) 筍の姫皮や独活、茹でたモヤシなど梅和えにしたり、鰆を梅醤油で焼いたりして楽しんでいるが、たまには肉も相棒に・・ということで。


 鶏の梅風味の蒸し物    4人分くらい

材料      鶏肉   3枚・360g程度 お好みで胸肉でもモモ肉でも。 混ぜても。
               モモ骨付きぶつ切りなら、なお可。
         長ネギ  白い部分半本
         梅干   大粒のもの3個

       (調味料として)  日本酒   大さじ2
                   醤油    大さじ1
                   砂糖    小さじ1
                   片栗粉   大さじ半分

作り方 1・鶏肉は大きめにぶつ切り。ネギはみじん切りに。
     2・梅干は種を抜いて荒く叩き刻んで、調味料と一緒に混ぜ合わせる。
     3・蒸し器の大きさに合った耐熱容器に鶏肉を並べ、
       2をもみこんでそのまま30分放置。
       味を馴染ませている間に、蒸し器を火にかけて準備する。
     4・湯気の上がった蒸し器に3を器のまま入れて、強火で30分蒸す。
     5・荒熱を取り、器のまま食卓へ。

色合いがさみしいので、蒸している間にネギの青い部分をみじん切りにして水で晒しておき、出来上がりに水を絞って散らすときれい。 万能ネギや茹でたソラマメなどを散らしても。 そのへんはお好みで工夫してください。 梅干が減塩タイプのものだったら、醤油を大さじ1追加しても良いかと。 食べてみて味が足りなければ、回しかける感じで調整しても。 やっぱりと言うのも変だが、鶏肉は「蒸す」と美味しいと思う。

あっさりと初夏の味。 暑かったかと思えば朝方冷え込んだり、で、落ち着かない時期。 どうぞ体調を崩さぬように。

                   

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2007.05.14

ドルチェ

気になっていたハーゲンダッツのドルチェ2種を、やっと食べることが出来た。 コンビニエンス・ストアで買ったのだが、冷凍ケースの中のドルチェのスペースだけがらがらで、あと数時間遅かったら売り切れていたのかもしれない。 レジの店員さんが「これ、売れてますよ。」なんてわざわざ言ってくれた。 好評なんだろう。

美味しかった。 アイスクリームも進化したものだ、と、思った。 歯ごたえとか香りとか、かなり工夫されているという印象を受ける。 独特の「濃い感じ」は、ハーゲンダッツならでは。 ドルチェは「ティラミス」と「クリームブリュレ」が販売されている。 どちらも半分ずつ『ますたあ』とシェアして食べた。 個人的には半分の量でも十分満足。 まあ、夕食後だったせいもあるかもしれない。

山間の過疎の土地では、ちょっと高くてもちゃんと美味しい商品が売られていることが、それだけで単純に嬉しい。 こういう商品も扱ってくれる意味で、ここではコンビニエンス・ストアの存在はありがたい、と、思った。 

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2007.05.08

きゃら蕗

庭に勝手に生えてくれる蕗がわさわさと育ってきたので、雨上がりを狙って昨日適当に摘んできた。

板ずりして、さっと湯がいて、薄い皮を丁寧に引く。 すーっと一気に皮が剥ける感覚は、トマトの湯剥きにも共通して、気持ち良い作業だ。 何回か水を取り替えながら晒してアクを抜き、切り揃えたら、後は煮るだけ。

今年は、仕上げに水あめを使って照りを出してみた。 ちょっと辛味を追加したくて、一緒に唐辛子の輪切りを煮詰めていたのに、「はずれ」の唐辛子だったのか、全く効果が出なくて残念だったが、それでもまあまあの出来上がりに。 早速夕食にちょこっと出して、春の香りを楽しんだ。

たくさん食べるものではないけれど、ご飯をお代わりした時につまめるものがあるのは、なんともシアワセな気分になる。 自宅で作れば、あまり塩加減を濃くしなくて済むので、気が楽。

飽きない程度に作り置きしておこう。 あと数回煮ることになりそうだ。 次回までにちゃんと辛い「当たり」の唐辛子を用意しておかねば。


きゃら蕗の煮汁
 「濃いめの昆布だし」「醤油」「砂糖」「酒」「水あめ」を
 25:10:2:6:4 で。
 蕗がひたひたになるくらいの量を使います。
家族の好みで増減を工夫してください。  

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2007.04.29

急遽方向転換

ソテーにしようと用意した豚肉を目の前にしたら、いきなり無性に「豚の味噌漬け」が食べたくなってしまった。 さすがにこれから漬けたのでは、夕食に間に合わないし。 ということで、こんなものに化かしたら、これはこれで美味しかったので。

    豚肉の味噌焼き    2人分

材料 豚肉(ロースソテー用またはフィレかたまり)   200gオーバーくらい
    日本酒     大さじ1
    片栗粉     大さじ1

    ● 調味料
        味噌、日本酒、みりん  各大さじ2
        砂糖             大さじ1
        ニンニクまたは生姜    1かけら ・・すりおろしておく

作り方

1・豚肉はソテー用なら2cm.幅に削ぎ切り、フィレなら7mm.幅に筒切りする。
2・ボウルに肉を移し日本酒を振りかけて、底に残らなくなるまで揉み込む。
3・2に片栗粉を振り入れて肉に絡める。 均一になるまで。
4・別容器で調味料を混ぜ合わせておく。
5・フライパンに適宜サラダ油を熱し、中火で軽く焦がすような気持ちで肉を焼く。
6・肉に火が通ったら、調味料を加えて絡め焼きする。


お好みで出来上がりに七味唐辛子を振っても。 食べた感じだと、これをご飯に乗せてもみ海苔とミツバでも散らして、丼仕立てにしても美味しいような気がした。

あっさりとした大根サラダでも添えて、どうぞ。              

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2007.04.26

シンプルさが売り

何故か、年配の、巷でお年寄りと呼ばれるくらいの年齢の方々にやたらと好評な焼き菓子。

 サツマイモのケーキ  18×8cm.のパウンド型一台分

材料    サツマイモ    中1本
       バター(有塩)  100g
       薄力粉      120g(ふるっておく)
       上白糖      80から100g(芋の甘さによって調節)
       卵         Mサイズ3個(卵黄と卵白に分けておく)

作り方 0・焼き型に薄くバターか油を塗っておく。
     1・サツマイモは焼き芋にする。 皮を剥いてからフォークで荒く潰す。
     2・卵白を清潔なボウルで泡立てて、3回に分けて砂糖を加えながら8分立てく
       らいのメレンゲに。
     3・バターを電子レンジで『溶かしバター』にする。
     4・2のメレンゲに芋、卵黄、バターを加え、小麦粉を入れてさっくり混ぜる。
     5・型に移し、軽く落として空気を抜いてから、余熱しないオーブンで170℃、
       40分焼く。

始めから焼き芋を買ってきても良いし、蒸かし芋でも構わないし、皮を剥いてから適当な輪切りにして、水で晒してから電子レンジで加熱して使っても良い。(同じ芋でも、焼き芋→蒸かし芋→電子レンジ加熱の芋の順に甘いので、砂糖の量を調節。) フォークで潰す時には、荒く塊りが混じっていた方が美味しく出来る。 無塩バターで作る時には塩を2つまみくらい混ぜてから『溶かしバター』に。

わざと香辛料や洋酒などの香り付けをしないで作るのが、どうも年配の方に受け入れられやすい理由のような気もする。 追加して入れるならシナモンとナツメグ、ラム酒かブランデーというところかな。 しっかりと固めの出来上がりになるので、薄めにスライスするか、ダイス型にカットしても。

新茶のお供にどうぞ。 

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2007.04.23

そうだった

お昼ごはんに何を作ろうか迷った。 半端に残ったベーコンのスライスを片付けておきたかったので、パスタにしようとだけ、とりあえず決めて、お湯を沸かし始める。

さて、と、冷蔵庫の野菜室に顔を突っ込んで、使えそうなものをチョイス。 マイタケとタマネギ、そうだ下茹でしておいたブロッコリーもあったな。 無難な素材が集まった。 まあこの顔ぶれだとニンニク風味で塩と胡椒でささっと合わせるのが無難中の無難かと思われたが、ふと、懐かしの「ケチャップ炒めのナポリタン」が頭に浮かんできた。 考えてみると、トマトソースのパスタはしょっちゅう作っているが、日本人のパスタの原点とも言うべき(大袈裟か。)「ケチャップ炒めのナポリタン」は、ずいぶんと食べていない。 やってみますか、と、人参も取り出す。 本来はベーコンではなくてソーセージかハムで作りたいところだが、思い立ったが吉日ということでそのまま発進。

同じ乾燥パスタでも、ナポリタンになると決まったら、その時点からパスタではなくてスパゲッティーだ。 アルデンテなどに茹で上げてはいけない。 芯がなくなるまでしっかり茹でる。 フライパンに材料を炒めて塩胡椒をし、茹で上がったスパゲッティーを移したら、たっぷりのケチャップ。 煽って煽って、最後に風味付けのバターをひとかけら。 パセリを振って出来上がり。

思った通りの懐かしい、昔の味。 そうだよな、昔はスパゲッティーと言えばコレだったよな・・と、忘れていた大事なものを思い出したような気分だった。 ふいに時代の流れを味わっているような感覚に陥り、急に無口になったまま、神妙に食べている自分が可笑しかった。

オムライスにしても、今日のスパゲッティー・ナポリタンにしてもそうなのだが、ケチャップがフライパンの鍋肌で軽く焦げる香りというのは、懐古的な趣を含んでいるようだ。

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2007.04.17

筍で魚料理

姫皮の部分を活かして。

  白身魚の筍包み

材料 白身魚切り身     人数分
    筍(姫皮部分)    4人前で一本分位
    卵白          4人前で一個分
    塩・胡椒
    ラップ(できればサ○ンラップが厚手で扱いやすい。)

作り方 1・魚の切り身に軽く塩コショウで下味を付ける。
     2・姫皮は長さ3cmで繊維の方向に出来るだけ細く切る。
       (白髪ネギを切るような感覚で。)
     3・卵白をボウルに入れて切るようによく攪拌。
     4・切ったラップの上に切った姫皮を薄く平に敷く。
     5・魚を一切れ卵白にくぐらせてから4に乗せる。
     6・魚の上にも姫皮を乗せて切り身全体を包むようにする。
     7・ラップで全体をぴったり包みこむ。
     8・人数分繰り返す。
     9・耐熱皿に並べてから湯気の上がった蒸し器に入れ強火で10分蒸す。
    10・火傷に注意しながらラップをはずして、フライ返しで器へ盛る。

●キノコあんやバター醤油などをかければ和風に。 トマトソースやレモンバターソース、アイオリソースなどを添えれば洋風に。 熱量制限があればワサビ醤油や柚子胡椒醤油でも美味しく召し上がれます。

卵白を使わなくても魚に薄く小麦粉を振っても作れますし、慣れてくれば何もつけなくても直接包んで作れるようになります。 旬の筍なので姫皮を使いましたが、年中出回っている水煮の筍を使う場合は、根元の方の硬い部分の方が、切った後の長さが揃うので使い易いかもしれません。 白身魚なら何でも使えます。 サワラ・キス・ヒラメやカレイ・鯛など。 皮や骨を除いてから作ってください。 蒸し器の形状や大きさ、また人数を考慮して、魚の切り身の形を整えると便利です。 コッテリ系がお好みなら、ラップで包む前にバターをひとかけら一緒に包み込めば、ぐんとコクが出ます。 いろいろといじって工夫してください。

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2007.04.15

黄粉(きなこ)

ココログで、入所している刑務所で出た食事のメニューを、ほぼ毎日UPしているBlogがある。 別に写真がある訳でもなく、食べた感想が書かれているわけでもなく、ただ単にメニューの羅列があるだけなのだけれど、時々興味本位で見ている。

常識的に考えれば、あまり「美味しい!!」という出来ではないのだろうと想像されるが、メニューは予想していたよりも変化に富んでおり、字面だけ追いかけていればそこそこ美味しそうに見えなくも無い。

基本的に朝は麦飯が主食の和定食風なようだ。(パン食はお昼に提供されることがあるみたい。) 気になっているのは、週に一度ほどの割合で朝ごはんのおかずメニューに「黄粉」とあること。

「黄粉って、あの黄粉のことだよね・・」、と、私。
「安部川餅に使う黄粉でしょ。」、と、『ますたあ』。
「ご飯に黄粉?」
「だってほら、『おはぎ』につけるじゃない。」
「ってことは、砂糖と合わせて甘くしてあるのかな?」
「それはどうか解らないけど。」
「朝から甘いご飯は、ちょっと・・っていう人も居そうだよね。」
「塩が混ぜてあるかもしれないよ。」
「黄粉に塩? やったこと無いけど。 うーん・・。」
「いや、例えばだけどさ。」
「甘い黄粉にはちょっと塩も入れるよね。」
「そのバランスを逆転させているとか。」
「美味しくなさそ気。」
「・・だね。」
「栄養はありそうだけど、黄粉。」
「要するに大豆蛋白でしょ。」
「役割としては納豆と同じか。」

普通の家なら、例えば牛乳に黄粉を混ぜて朝ごはんに飲んでいる方もあるだろうし、蜂蜜や練りゴマと混ぜてペーストにしてパンに塗ったりすることもあるだろうが、さすがに刑務所の食事でそんな手の込んだことをやっている筈も無く。 それとも私が知らないだけで、ご飯に黄粉を振りかけて食べるということも、世間ではそこそこあるのだろうか。

一応コメントは受け付けるように設定されているようだが、閲覧があるのか、とか考えると、ちょっと書き込む気になれずにいる。

朝ごはんの黄粉、気になる。

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2007.04.12

やっぱり重なった

お知り合いが訪ねてくださった。 手に袋を抱えている。 「もしや、それは・・」と、内心ピンときた。

「庭の筍を茹でたので、おひとついかがかと思って。」 やっぱりそうだった。 お年は私の母に近いくらいの方なのだが、気のおけないお付き合いをしてくださっているので、正直に白状した。 「実はウチにも筍がたくさんあって・・。」

「あらそれじゃあ、貰っても困るわよねえ。(笑)」
「でも、せっかくお持ちくださったのに、申し訳ない気がします。」
「こちらも老人所帯でなかなか減らないのよ。」
「そればかりでも飽きちゃいますしね。」
「そうそう。」
「お庭で採れたんですか?」
「そうなの。 取らないと親の竹が弱っちゃうの。」
「へえ知らなかった。」
「取ったのに捨てちゃうのも可哀想だし。」

お話を伺っているうちに、やっぱり食べなくては申し訳ないような気分になってきたので、受け取ることにしようかと思った矢先、先方が仰る。 「きっと竹の種類が違えば、筍の味も違うわよね。 取り替えてみましょうか。 それなら手持ちの量も増えないし、目先も変わるし。」

そうしましょ、そうしましょ、ということになり、私の茹でた筍と交換していただいた。 確かに歯ごたえも香りも、私の筍とは微妙に違っていて面白い。 

昨日は炒め物に使ったので、今夜は煮物に仕立てた。 明日は穂先を使って、何かの和え物にでもしようかな。

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2007.04.11

恒例

そう、筍。 今年も朝掘りの筍を送っていただいたので。 とにかく家で一番大きな鍋でガンガンお湯を沸かす作業から。 泥を軽く流して、外側の皮を剥がし始めると、もうぷーんと香りが漂う。 頭を斜めに落として、一本切込みを入れて、ぐらぐら煮立っている湯の中へ次々投入。 ダイナミックさが妙に楽しい。

実は例年複数の方から生の筍をいただいているのだが、シーズンの始まりに一番に送ってくださるYさんからのものは格が違う。 アクもえぐみも殆ど無いので、茹でる時にも糠や唐辛子を使わずに、ただのお湯で十分なのだ。 新鮮な筍は皮のまま焼いたり、刺身にする手もあるらしいのだけれど、生産農家の方から「ウチの筍はやっぱり茹でてから食べるのが一番です。」と、言われているので、忠実に守っている。 茹でてから刺身にするのもオツ。

立派な筍の下ごしらえを終えて、無事にお役目を果たしたような気分になり、ふっと気が緩む。 ・・さて、どんな料理から作ろうかな。 95%楽しみで、そして、最後まで飽きないように楽しみ切らなくては、という、残り5%のプレッシャーも、毎年恒例になっていたのを思い出した。

そうだった、この感覚だったな。

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2007.04.09

キャベツで困ったら

春キャベツ、買ったはいいが余らせてしまいそうな時には、どーんとこんな手で。

  キャベツの「レンジでチン!」 (ふたり分)

材料    キャベツ  半個   ・・・大き目のザク切り 中心の芯だけ除く
       生鮭    2枚
       バター  大さじ2  ・・・これは減量・省略も可。
       
       (調味料)  味噌    大さじ1強
               砂糖    大さじ1
               日本酒   大さじ1

作り方  1・鮭は皮と骨を取り、一口大の削ぎ切りにして、塩・胡椒する。
      2・耐熱皿(ボウルでも)にキャベツを入れて鮭を乗せ、合わせた調味料を回しかける。
      3・ラップを軽くかけて、500Wの電子レンジで7~8分加熱。
      4・そのまんま2分、余熱で蒸らす。
      5・全体をざっくり混ぜていただく。

鮭は「振り塩鮭」や「甘口塩鮭」でも大丈夫。 その場合は下味は付けず、適宜味噌を減量。 出来上がりにタバスコを振ったり、マヨネーズかけてみたり、調味料に豆板醤を足したりしても。 また、スイートコーンやキノコを足しても美味しい。 非常にシンプルな味なので、いろいろお好みでいじったり工夫してください。 極端な話、鮭じゃなくても肉類や海老なんかも使えるのでは・・?(素材によっては電子レンジでの加熱にご注意を。)

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2007.04.04

主役

キャベツがたくさん売られている。 「春キャベツ」は語呂も良いし、なかなかキャッチーな名前。 耳への響きの良い名前をもらった野菜は、イメージだけでも得をしていると思う。 ほら、「ニガウリ」より「ゴーヤ」の方がやっぱり美味しそうな気がするし・・。

某銘柄牛のスネ肉が手に入ったので、先の事を考えない見切り発車のまま、とにかく表面を焼き付けてコトコト煮込み始めた。 アクを引きつつ、さて何にしようかと迷う。 銘柄牛だけあって肉に力があったのか、思ったよりも旨味の強い煮汁になってきたので、味付けを凝らずに岩塩だけ溶かしてみると、もうそれだけで十分成立するスープになってしまった。 これならあまりいじらない方が美味しそう・・。 相棒に大きなまあるい春キャベツ。 芯をつけたまま4つ割りにして、そのままスープの中へ。 きれいな色の新人参もごろんと一緒に。 あとはスープの表面がゆらゆら笑うくらいの火加減でじっくり煮てゆくだけ。 スネ肉は脂が少ないが、それでも煮ていると少し浮いてくる。 和牛の牛脂には独特のバニラに近い甘い香りがあり、その脂とキャベツが馴染んで良い感じにクッタリ。

大き目のスープボウルにどーんと鎮座まします春キャベツ。 鮮やかに赤い人参。 ほろほろのスネ肉。 そこにスープを張って、粒マスタードでいただいた。 牛肉の香りとキャベツの甘味がナイスな融合!

いつの間にか牛肉は、キャベツに主役の座を取られてしまった感じだ。 さすがは春キャベツ・・ご立派!ご立派!!だった。

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2007.04.01

わらび・ぜんまい摘み

4月。 カレンダーをべりっと一枚剥がす硬い音が静かな部屋に響いて新鮮だ。

雨の隙間を見つけて『わらび・ぜんまい摘み』に。 毎年山桜がぱらぱらと花をつける頃(山桜はもえぎ色の葉を開きながら、てっぺん近くに疎らに花をつける。 植物として木と花の量のバランスが正しいような気がして、こちらはちっとも怖くない。)、雨上がりの暖かい日を選んで出かける。 と、いっても、家から歩いてほんの数100m.程度の土手の斜面だ。 雨水で土が緩んだところに、一斉ににょきにょきと頭をもたげる光景は、土の中でいつ表に出るか相談したかのようで面白い。

指先で軸を折る度、瑞々しいぷつりぷつりとした感覚が伝わる。 春の命を分けてもらうんだなあ、ありがたいなあ、と、神妙に感謝したい気持ちになる。 中腰の姿勢からふと背を伸ばすと、ウグイスが鳴いたり、蝶が目の前を横切っていったりして、妙な一体感。 多分目覚めたばかりのくまん蜂がコロコロの体つきで低空飛行していて、そのユーモラスな不器用さに思わず笑いかけた。 「自然を大切にしよう」なんて本当に傲慢な話だな、と、ふと思う。 自然を利用して生きさせていただいている、その謙虚さが大前提だろう。

自分たち家族が味見する程度の量だけを摘んで、あとは手を付けずに家に戻る。 山の中で暮らすようになってから自分が一番学んだことは、「足るを知る」という感覚なのではないかと思う。

お湯を沸かして重曹を少々。 ワラビもゼンマイも一度にざっと鍋に入れ、ひと煮立ちしたら火から下ろしてそのまんま放置。 摘んできたばかりのものは、アクや苦味もかなり薄いので、そのまま室温に冷めたら水洗いして、もう食べられる。

おひたしもいいし、油揚げと一緒に煮るのも捨てがたい。 せっかくだから美味しい一皿に仕立ててあげなければ、春にも山にも失礼だろう。 こういう素材からのプレッシャーを感じられるのは、料理を作る者として、とても嬉しくて名誉なことのような気がしている。  

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2007.03.24

土筆(つくし)

土筆を摘んできた。 いつものようにウォーキングしていたら、日当たりの良い場所に何かにょきにょき生えている。 眼鏡が無いと世界がぼやけている私は、近付いて相手を確かめなくてはならない。 「あれ?こんな所に土筆・・。」 去年まで見かけた覚えがないのに、どうしたことかたくさん生えている。 目が慣れると実は相当な生え具合だった。 やれやれウォーキングの邪魔になるものを見つけてしまった、と、内心思いつつ、狩猟本能を意思の力で封印して1時間みっちり汗をかき、一度家に戻って袋を持参してから出直した。

今度はのんびり歩きながら、活きの良さそうなもの、笠が開いていないものを選んで摘み取ってゆく。 近くで小鳥のさえずりが聞こえる。 あっウグイスも鳴いた♪ イイ感じで春。 あれよあれよと袋一杯集まって、凄く得した気分で帰ってきた。

早速「はかま取り」。 みずみずしい茎(軸?)を傷めないように、丁寧に剥いてゆく。 あっという間に指先も爪も爪の隙間も、アクで真っ黒に染まる。 そうだった、土筆はこれがあるんだった、などとこの段になって思い出しても、もう遅い。 春をいただくためには覚悟を決めてかからねばなるまい・・。

ゴマ油でジャッと炒めて、みりんと醤油同量で手早く味付け。 それだけのただただひたすらにシンプルな一品。 あんまり面倒なことをしていじくり回したくなかったので、「アレに使っても美味しそう、あんな風にしても良いかも」などと自然に浮かんでくる料理方法を心の中で一蹴して、シンプル・イズ・ベストに徹する。 そうでもしないと春の季節に申し訳が立たないような気分がするから不思議だ。

せっかくなので春にお祝いするような気持ちで、いただきもののサントリー・ローヤルの15年ものを開封した。 美味しい! 幸せな春の食卓。

自分の中の価値観が、どんどんシンプルな方向に移行しているのを感じる。 そういう年回りなのだろうか。

あちらにも、こちらにも、土筆の便りが。 世の中、春だねえ・・。 

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2007.03.16

生鱈で

暖かくなってしまうと会えなくなるので、今の内に食べておかなくては・・という気持ちになる。 塩を引いていない生の鱈を名残惜しみつつ、春野菜を楽しむ感じで、三寒四温をお皿で表現するような一品に。

 鱈の蒸し煮   2人分

材料  生鱈       2切れ・・骨を除いて塩コショウ。各2片にそぎ切り。
     固形ブイヨン  1個
     白ワイン     大さじ2・・日本酒で代用可
     バター      大さじ1

     キャベツ     3枚
     小カブ      1個
     タマネギ     小半個
     ジャガイモ    1個
     人参       5cm分
     カリフラワー   小房3個

1・野菜類を切る。 キャベツは芯を残したまま、大き目のざく切り。
            カブは葉を3cm幅、根は6から8つのくし型切り。
            タマネギ・人参は7mm.厚くらいにスライス。
            ジャガイモは5mm.厚に。
            カリフラワーは軸ごと一口大に。
2・大さじ3のお湯(分量外)でブイヨンをゆるめ、白ワインと合わせる。
3・フライパンに野菜類を敷き詰め、鱈を乗せる。 鱈の上にバターを少しずつちぎって乗せる。
4・2のブイヨンと白ワインを回しかけ、蓋をして中火で10分ほど蒸し焼きにする。
5・蓋を開けて加熱の具合を確認し、必要に応じて弱火でさらに加熱。
6・野菜がしんなりして、鱈に火が通ればできあがり。
7・お皿に野菜を敷き、上に鱈を盛り、フライパンに残った汁を鱈の上からかけてソースとする。


春の野菜なら何でも使えます。 菜の花、インゲン、ソラマメ、筍、キノコ類や海老を追加しても。 お好みでハーブを入れても合います。 オレガノやローズマリー、セージなど。 今の時期なので鱈で作っていますが、鶏肉を使っても美味しく出来ます。(から揚げにするくらいのピースに切ったもので。) カリフラワーやブロッコリーは太い軸の皮を厚めに剥いて、5mm厚に切ってから一緒に加熱すると、甘味が出て美味しい! 捨てずに使ってくださいね。

こういう料理は、加熱している間に別の作業が出来るので重宝だったりして。 へへへ。  

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2007.03.15

美味しくいただくという技術

大事な友人のことを書きたい。  お互い遠く離れているし日々のなんだかんだに追われて、なかなか会えないのが実情だが、会うときにはなるべく一緒に食事をするようにしている。 どうしてかといえば、彼女と食事をすると美味しいのである。 お互いそれぞれの家に家族を残して外食するわけだから、意識せずともどこか家族への負い目のようなものがあり、特別豪勢な食事をするわけではない。 予約が必要なお店も、滅多に選ばない。 落ち着いてゆっくりと食事が楽しめればよく、そこに一杯のビールが付けば、もう御の字だ。 そんな一般的なお店で提供される一般的なごはんでも、彼女と食べると美味しい。 それは、彼女の「美味しくいただく技術」がとても高いからだ。

とにかく彼女はよく料理を褒める。 美味しかったら、「美味しいね」とか「うん、美味しい!」とちゃんと言葉に出して笑う。 特筆すべき程美味しくなくても、「こうやって盛り付ければ良いんだねえ」とか「このお皿はきれいだ」とか、「こんな食材が出るなんて、もうそんな季節なんだね」とか、とにかくいい所を見つけて褒める。 で、食べっぷりもなかなか豪快で、パクパクときれいに残さず全部食べる。 遠慮せずにすいすいお腹に納めてゆく様子を見ているだけでも、なんだか楽しい気分になってくる。 彼女がそんな感じだから、こちらも引っ張られて、「あっ、これは面白い味だね」とか「なかなか個性的な香り」などと、全面的に美味しくなくてもなるべく肯定的に料理を受け止めようとする。 そういう気持ちで食べていると、本当に美味しく感じられるようになってくるから不思議だ。 ふたりとも食事が終わる頃には必ず、「主婦なんてさ、誰かが自分のために作ってくれただけで十分美味しいと思うし、家じゃないところで食事するだけでも幸せなんだから、安上がりよねー・・」なんていう話になり大笑いする。

グルメ情報は氾濫しているが、結局は「そんなこと書いてるアンタは、ナンボのもんじゃい?!」だし、最終的には美味しさの基準は個人的好みの問題になってしまう。 美味しくなるためには、店側からサービスされるものだけが要素ではなくて、いただく側の要素も大事だ。 つまり共同作業なんじゃないか、と、思うようになってきた。 食事のマナーや店・店員・他のお客さんへの配慮、体調の管理、もちろん虫歯は治しておくとか、食事や相手との時間を楽しむための個人的な心がけ、そんなものがたくさんあるような気がする。

美味しそうなお店はちょっと検索をかければ、すぐに情報を得ることが出来るけれど、「美味しくいただく技術」は学習して身に付けなければならない。 どちらに価値があるかは50:50だろうが、どちらが興味深いかと問われたら、私は断然後者に傾きつつある。 色々なことを教えてくれる友人に感謝!だ。

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2007.03.06

なんだか嬉しい

お昼ごはんを作っていて、卵を割ったら黄身が双子だった。
・・得しちゃった気分で、なんだか嬉しかった。

作っていたのは、こちら。

名無し丼 2人分

材料  天かす     大さじ4
     独活の芽と皮 1本分
     菜花       4本
     シメジ      3分の1パック
     長ネギ     青い部分一本分
     卵        2個
     丼つゆ     ダシ大さじ6 みりんと醤油大さじ1杯半ずつ
     ごはん

1・丼の具として適当なサイズに野菜を切る。
2・フッ素加工のフライパンに材料の野菜を散らばるように入れて、上から天かすをパラパラ。
3・2の二箇所に窪みを作って卵をひとつずつ割り入れる。
4・丼つゆの材料を別容器で混ぜてから、フライパンに静かに流し入れる。
5・蓋をして中火にかけ、5分ほど加熱。 具材に火が通り、卵の黄身が半熟になったらできあがり。
6・丼に盛ったごはんの上に半量ずつ乗せて、七味を振って、黄身を崩しながらいただく。

別に材料はあり合わせのもので大丈夫。 タケノコ・三つ葉・キノコ類・ゴボウ・イカや小海老等、目安は「天麩羅に使えそうなもの」。 甘めの味付けがお好みなら、丼つゆに砂糖をひとつまみ追加。 もちろん市販の麺つゆを活用しても。 気にしなくても良い方は天かすを増量するとボリュームが出る。

冷蔵庫の庫内整理に便利なお昼です。

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2007.03.04

酔拳じゃないんだから

どうも酔っぱらった状態で作る料理は出来が良いような気がする。

ペンションのバー・カウンターが稼動していた頃、私は良くお客様と一緒になって飲んでいた。 そこそこのアルコールなら顔に出ない体質だし、接客中という緊張感も(一応は)あるので、「いかにも酔ってまーす」というへロンヘロンの状態になることはなかった(と思う)が。 お酒を飲むお客様というのは同席している人が飲んでいないと、「自分ばかり楽しんで申し訳ないな」と気を遣う方も多く、『ますたあ』にお酒を勧めてくださったりする。 ありがたいことには違いないのだが、仕事上はちょっと困ったりもするので、私が『ますたあ』の分も引き受けてありがたく頂戴することにしていたのだ。 お客様のおつまみリクエストに応えて、ほろ酔いの状態で厨房に戻り、さささっと何か用意してラウンジに戻る、そんなことが多かった。

予め用意しておけるものなら切って盛り付ければオーケイだが、お酒が進むにつれて深夜になり、なにかガッツリしたものが食べたくなるお客様もそこそこに居られる。 と、なると、酔った頭でこちらも冷蔵庫の中身と相談しながら、そこそこに調理をしなくてはならない。 そんな時に作る『ありあわせの一品』にスマッシュ・ヒットが出ることがあるのだ。

酔っている時は基本的に抑制が解かれているらしいので、作る料理も調理作業も大胆になる。 繊細に計算したりしないから、「まっ、こんなもんでしょ!」なんて言いながら、調味料の分量も火加減も、多分しらふの時と比べたらかなりダイナミックのはずである。 良く「男の料理は美味い」という話を聞くが、それに近いことが起こっているのかも知れない。 例えばステーキ肉を焼くような時には、びくびくと弱火で焼いているよりも、がっーっと強火で焼く方が格段に美味しいように。

夜が白々と明ける頃には、こちらもそこそこに酔っぱらうので、ただひたすらに包丁で怪我をしないように、衛生的に問題がないように、とだけ気をつけて、もう何がなんだかよく判らない状態で作っていたりもして。 そんな時に出したものがお客様に大受けで、次に泊まりに来てくださった時に「またアレが食べたい」と言われても、もう再現不可能だったりする。

海外の料理番組のように、放っておいたらキッチンでグラスを傾けながら料理するタイプの人間なんじゃないかと、自分では思っているのだが、中毒になるのも怖いし、他の用事もそこそこあったりして、普段はしっかりとしらふで作っているから、どうぞご心配なく。 お客様相手に酔っぱらって調理する機会が無くなってしまった今、日を決めてたまには新境地開拓のために、レンジの前で飲みながら作ってみるのも良いかも知れない、なんて、ちょっと考えたりするのだ。

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2007.02.22

確かに桜餅だけど

店頭の「桜餅」の文字に惹かれて、初めての和菓子屋さんに。

どちらか選べるなら道明寺タイプの桜餅が好みだが、ショーケースに並んでいるのは道明寺ではないようだ。 内心ちょっと残念に思いながらも、初めて入ったお店だし、まあとりあえずお味見という気持ちで2個だけ包んでもらった。

家に帰って煎茶を丁寧に淹れて、買ってきた桜餅をお皿に移そうとした時、「あれっ??。」

いや、桜餅であることは正しい。 ちゃんと薄ピンクの生地が桜の葉の塩漬けに包まれている。 が、それは道明寺のタイプでもなければ、和風クレープのような生地で餡を巻き込んだタイプでもなく、餅ですっぽりと餡を包んであった。 まさに薄ピンクの大福を桜の葉で挟んだ感じ。 こんな桜餅は初めてだ。

珍しいパターンだな・・と、訝しがりながらの午後のお茶。 餅と餡と桜の葉なので、コンビネーションは合わない筈も無く普通に美味しいが、気持ちの上で戸惑ってしまい、どうも落ち着かない。 しかし、よく考えれば「桜餅」の文字をそのまんま具現化したような商品で、「本来の桜餅とはこういうものなのかも」などとも思えてくる。

地域によってはこのタイプも一般的なのだろうか。 いやあ、こんな身近にもまだまだ知らない食べ物がいっぱいあって、楽しいやら驚かされるやら、である。

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2007.02.20

「ここぞの時」にも

味噌漬けが好きなのだと思う。 魚も豚肉も、ちょっと作り方が違うが野菜も。 時々無性に食べたくなる。 焼いた時に出来る焦げの香りや風味を楽しみながら、お酒を相棒にしているのは、なんとも幸せな気分だ。 あまりガバガバと量を食べるというよりは、じっくり時間を味わうような感じで。

「味(特に和食)にうるさいお客様」がある時にも、これならば胸を張っておもてなしできる逸品をご紹介。 前以て仕込んでおけるのも便利。

牡蠣の変わり味噌漬け

材料   牡蠣     なるべく大粒のもの300グラム程度
      薄力粉    大さじ5~6
      長ネギ    1本分 白い部分の外側だけ使用
      柚子     小型1個
      京白味噌  300グラム
      酒とみりん  大さじ1半ずつ

1・牡蠣は塩水で洗って汚れを落とし、水気を丁寧に拭き取る。
2・牡蠣に小麦粉をまぶして170℃の油で揚げる。
3・ネギを白髪ネギに切り、水に晒してから水気を切る。
4・柚子の皮を薄くむいて千切りにする。
5・味噌と酒・みりんをよく混ぜておく。
6・蓋の出来る密閉容器などの漬け込み容器の底に薄く5の味噌を伸ばし、晒しふきんやガーゼ、キッチンペーパーなどをのせて、その上に2の牡蠣を並べる。 3のネギと4の柚子を牡蠣にのせて再びガーゼなどを被せ、上から味噌を塗る。 これを繰り返して、一番上が味噌になるように重ねて漬けてゆく。
7・蓋をして冷蔵庫へ。 2日目から食べられて二週間くらいは日持ちする。

どちらかと言えば「大人の食べ物」系の味。 盛り付ける時は牡蠣とネギ・柚子を一緒に。 個人的には4日目辺りが一番美味しいと思っている。 使い残した味噌で、豚肉や魚の切り身を漬けて再利用も。(一回だけにしておいた方が良いと思う。 素材に軽く塩を振って30分置いてから水気を拭き取って漬ける。)

丁寧にひとり3粒ずつくらいをこんもり盛り付けて、ぬるめに燗した芳醇なタイプの日本酒と一緒にお出しすれば、そんじょそこらの割烹と勝負できますよ。


      

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2007.02.06

全部使う(ガッテンのカレーその2)

かつて大量に自家製ドミグラスソースを仕込んでいた時には、賄い食のハヤシライスが好評だった。 ご存知の方も多いと思うが、ドミグラスソースでは大量のタマネギ・人参・セロリ(洋食の3大香味野菜)をじっくり炒めて、ブラウンルーと合わせてブイヨンで煮込み、それを濾して旨味が集まった液体部分だけに更に素材を足しながら煮詰めてゆく。 と、なれば、濾した時に残る「炒め・煮込まれ香味野菜」がこれまた大量に存在するわけだ。 過日某テレビ番組で某洋食屋さんが紹介されていたが、そこでは香味野菜を濾し取らずに、全てミキサーにかけて煮込むことでトロミを出しているという。 「うーん、確かにドロッとした感じは出るけれど、それやっちゃうと洗練された味にはならないんだよな」などと、ぶつぶつ文句を垂れながら見ていた。 どうしても雑味が残るし、香りも汚れる。 いえ、あくまでも自分の経験と感覚では、という話だが。 濾す時も強い圧力で押し出したりしてはダメで、自然とシノワ(洋食の調理に使う逆円錐形の濾し器。パンチングされた細かい穴が側面にびっしり。)から流れ落ちるものだけを集めた時と、力任せに濾した時とでは、出来上がりが雲泥の差!

それで、濾し取った香味野菜に薄切りの牛肉と改めてスライスしたタマネギを炒めて足して、出来上がったドミグラスソースとトマトピューレと合わせて煮込み、賄い食のハヤシライスにしていた。 自分たちで食べてしまう分には十分な出来だったし、捨ててしまうにはあまりに勿体無い。 だいたい賄い食なんて、時間をかけずにお客様に使えないような食材で、ぱぱっと作ってがっつり食べるものだし、そういう部分でこそ、実は料理人の創造性やセンスが試されたりする、というのが、当時の持論だった。

さて、先日の「ためしてガッテン」のカレー。 ここでもミキサーにかけた香味野菜を煮込んでから濾して作る。 いくら味が出てしまった後だといっても、タマネギと人参だ。 貧乏性が出てなんとなく捨てられず、ラップに包んで冷凍しておいた。 それを解凍して、合いびき肉のひき肉、冷蔵庫に半端に残っていたさつま揚げのみじん切り、それに歯ごたえの為のタマネギ・人参のみじん切りを合わせて、カレーパウダー、ケチャップ、顆粒ブイヨンなどで調味し、ドライカレーにしてみた。 ガーリックライスと合わせて、お昼の一品に。 遜色無く普通に美味しくて、なんだか笑ってしまった。

今回は作らなかったが、使い道として考えていたのは、「ご自宅カレー」を作る時に煮込んでしまっても判らないだろうし、シチューに混ぜてしまっても大丈夫ではないか、ミートソースでもオーケイだろう、ハンバーグ種に混ぜても良いし、当然ミートボールとかロールキャベツの具とか・・と、その辺りの目論見。 だって、タマネギと人参だもの!

せっかくなので、「ためしてガッテン」のカレーを作ったら、濾し取った野菜も生ゴミにせずに使って欲しいな、と、世の家庭料理人の皆様に期待している。

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2007.02.05

初午(はつうま)

今日は「初午」だとカレンダーに印字されている。 私は初午について詳しい謂れなど全く知らなかったのだが、かつて出版会社で編集の仕事に就いていた『ますたあ』が、毎年初午の日には皆で下請けの印刷所に招かれ、お土産に神田で名の知られたお寿司屋さんのいなり寿司の折り詰めを貰ってきていたので、「初午」イコール「いなり寿司」という構図ができてしまった。 (詳しい初午についてはこちらをどうぞ。)

伊豆に来てからはすっかり初午の存在も忘れていた。 しかし、その代わりにお客様の夜食としていなり寿司を作る機会が増えて、残りを私たちが片付けを兼ねて食べ上げる、という状況になり、いなり寿司を食べる回数は増えていた。 今こうして、お客様にいなり寿司を作ることが無くなってからは、「そう言えば、最近いなり寿司食べてないなあ」という感じで、月日の流れとか時代の変化をしみじみ想う。

・・という訳で、今夜は久しぶりにいなり寿司。

おいなりさん 20個分

材料  油揚げ   10枚
     干し椎茸   4~5枚
     ダシ      1カップ
     砂糖      半カップ強
     醤油      大さじ5~6
     みりん     大さじ4
     ごはん     4合のお米を炊いたもの
     ●合わせ酢
       酢    大さじ8
       砂糖   大さじ5くらい

1・分量外の2カップの水で干し椎茸を戻し、スライスしておく。
2・油揚げを湯にくぐらせて油抜きしてから、半分に切って袋状に開く。
3・大き目の鍋に椎茸の戻し汁・ダシ・砂糖・みりんを入れて、水を絞った油揚げと椎茸を煮る。
4・煮汁が半分くらいになったら醤油の内大さじ4を入れて更に煮る。
5・煮汁が少なくなったら味を見て残りの醤油で調整。煮汁がほとんど無くなるまで煮る。
6・火を止めて鍋ごと荒熱をとり、蓋付きの容器に油揚げを移し(あれば)煮汁をかけて一晩放置。
7・煮た椎茸は別の器に移しておく。
8・ごはんを炊いて合わせ酢を混ぜて寿司飯を作る。
9・寿司飯に椎茸を混ぜて、軽く絞った油揚げに詰める。

寿司飯に炒りゴマや刻んだ木の芽、みじん切りのタクアンなど混ぜても。 合わせ酢の具合はそれぞれのご家庭の味に調整を。 ポイントは煮含めた油揚げをそのまま一晩置くこと・・これで味の沁みたおあげに。 気温が高い時は冷蔵庫へ。 冷蔵庫が大きなお宅は、鍋に蓋してそのまま保存しても可。 煮含めた油揚げは破けやすいので菜箸をひっくり返して太い方を使ったり、フライ返しなど活用したり工夫して、慎重に扱うこと。 袋が破けてしまうとガックリきますから。

余談になるが、寿司飯を詰める際に絞った「油揚げの汁」を、ヒジキや切干大根などの煮汁に加えると美味しい。 捨てずに保存するか冷凍保存しておけば、環境に優しいし便利で一石二鳥。(単にセコイだけか・・。)

煮た油揚げを裏返してから寿司飯を詰めるご家庭もあるようで・・。 昔からの行事食なのでいろいろな風習があるんだろうなあ。
     

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2007.02.03

ガッテンカレー実食

作って食べてみましたよ、「ためしてガッテン」のカレー。

結論から言うと、美味しかったです。
例えば、友人から「カレーパーティーするからおいでよ」なんて連絡貰って、こんなカレーが出されたら、「むむ、こいつやるな・・」という感じですか。 もしくは、サラダとコーヒー付きで1000円ぐらいには設定できます。(立地考慮を除く。) ・・って、何の例えにもなっていませんね、ははは。

一言でまとめると、カレーのジャンルが変わるんです。 市販のカレールウを使った「ご家庭のカレー(おかんのカレー)」ではなく、「欧風カレー」になります。 それを市販のルウベースで作れるようにしたところがポイントなんでしょうね。 うちの『ますたあ』は「あっ、こういうカレー屋さんってあるよね」と、最初に言いました。 外食の味、ね。

番組で強調していた滑らかさは、ピューレにして濾しているから当然だとは思います。 仕上げに近い状態で砂糖を加えるので、少量にも拘らずそれが前面に出てきており、昨日は少々気にはなりましたけれど、翌朝(つまり今朝)もう一度温めてみたら改善されていました。 つまり、前日に作っておいた方がおすすめですね。 バターも仕上げに入れるので、熱々にして食べないと、冷えたスプーンでバターが固まって膜っぽくなりますから、ご注意を。

味は良いのですが、どうしても香りの要素が少ないタイプのカレーなので、個人的にはちょっと仕上げにガラムマサラを振りたくなりました。 日本人向きの万人受けするカレーだとは思います。 あとは好き嫌いの問題で、このカレーを不味いと言う人はいないんじゃないかな。

カツとか揚げ物には合いません。 さっとソテーしたキノコとかホタテ貝柱、ゆで卵なんかが使えそうです。 レシピにはジャガイモが入っていましたが、ジャガイモとの相性も個人的には「んー、いまいち」でした。

カレールウの箱に書いてあるレシピ通りにさささっと作るのと、ミキサー使ったり濾したりしながら手間をかけることを加味して、両者の出来上がりを比べたら、正直言って「特別な日の夕食」で無ければ、私は前者を選びます。 ただ、手持ちの食材でもこれだけ違う種類のカレーを作ることが出来るという方法は、手元において損はないと思うので、レシピは破棄せずに自分のレシピファイルに納めました。 カレーで誰かをもてなす時にはおすすめ出来ます。

詳しいレシピは
NHKオンライン→情報/ワイドショー→「ためしてガッテン」→過去の放送→1月31日等でご覧になってください。 レシピのページへの直接リンクには承認が必要で、面倒くさいのでご勘弁を。

ちなみに、私の第一印象は「どこかでこのカレーの味、食べた記憶がある」で、食べながらずっと考えていたのですが、「あっ!」と思い出したのが、『カールのカレー味』。 これって、いったい・・?!
・・食べた人にだけ通じるか・通じないかってとこでしょうか。 微妙だ。
まだ作っていない方は、忘れてください。


ちなみに、その2。
この件で検索エンジンからおいでくださっている方々が居られるようなのですが、その検索ワードがなかなか可笑しくて。
「NHK カレー」 ふむふむ
「がってん カレー」 ははは
「がってんカレー」 ついに固有名詞
「ためして カレー」 書き込むの長くて面倒だもんね
「ためしてカレー」 おいおい!
誰かが作った感想を調べてから、作ろうか決める気持ちはよく理解できます。


(物事の感想は口語体だと書きやすいな・・と、つくづく。)

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2007.02.02

アリシン恐るべし

先日偶然つけていたNHKの番組「ためしてガッテン」で、美味しいカレーの作り方というのをやっていて、なんとなく見てしまった。 市販のルーを利用するのだが、量を半分に減らして、その代わり番組で独自に割り出した美味しさの素を加えて作る、というカレーだ。 見ていたらポークソテー用の豚肉以外は、手持ちの材料で出来るようなので、肉部分だけは我が家のオリジナルにして、美味しいというソース部分をレシピの通りに作ってみる事に。 ほら、なにせ新し物好きなもんですから・・。

ニンニクとタマネギのスライスをこれでもかと炒めるのが、番組流美味しさの素のようだ。 30分ほどでベースは出来上がって、あとは最後の過程を食前に仕上げようと思っているところなのだが、身体に異変が! いえ、決して悪いことではないのだけれども、お風呂上りのようなポカポカさなのだ。 身体の芯が温まってしまったと言うか、火照っている。 どちらかに分類するなら、明らかに「冷え性タイプ」の私にとって、これは通常では考えられないことで、長い時間仕事でコンロの前にいた時にも経験したことのない温まりよう。 フライパンを操っている時から鼻水との格闘だったから、ちょっと変だな、とは思っていたにしても、季節外れの時間外れの温まりように戸惑っている。

ニンニクとタマネギに含まれるアリシンが、加熱によって一斉に気化したのをまとめて吸い込んだせいか??と踏んでいるのだが、それにしても凄い効果! 食品の効果はばかに出来ないものだ、と、改めて思い知らされた気分。

さて、出来上がったカレーがどれほどのものだったか、このポカポカ感がいつまで持続したか、は、明日にでも。

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2007.01.29

毎日はダメです

この時期、霜の中で育ったホウレンソウはしっかりと甘味が強い。 加熱すれば素早く柔らかくなるし、お値段も手ごろ。 なのでよく使っている。 残念ながら「サラダ用ホウレンソウ」として売られているもの以外は、生食に向かない。 含まれているシュウ酸が、体にあまり嬉しくない役割をするからだ。 これも通常は茹でて水で晒せば殆ど溶出されてしまうので、怖がることはない。 だが、何しろこの時期のホウレンソウの美味しさは格別なので、私はシーズンに数回だけと決めて、ホウレンソウのサラダを作る。 言うなれば禁断の味。 まあ人間の体はそんなに神経質に気を遣うほど、ヤワではないのではないか、と思っている節もあり、と言うか、気を遣う所といい加減な所を使い分けしている、という表現の方がしっくりくるかもしれない。 気になる方はどうぞ「サラダ用ホウレンソウ」で。

ホウレンソウのサラダ

材料   ホウレンソウ  半束くらい
      ベーコン     スライスなら3枚
      ニンニク     一片 ・・これはお好みで。 省略化。
      油        大さじ1弱 ・・サラダオイル、オリーブ油、胡麻油どれでも。
      ラー油      小さじ1
      醤油       小さじ1
      焼き海苔    半枚 

作り方
1・ホウレンソウは葉の部分だけを使用。 大き目の一口大にちぎって皿にこんもり盛り付けておく。
2・ベーコンは細かく千切りに。 ニンニクはみじん切り。
3・フライパンに油を熱しニンニクとベーコンを弱火でじっくり加熱。 ベーコンにチリチリ感が出るまで。
4・3のフライパンに醤油とラー油を加えてから火を止め、皿のホウレンソウの上にジュッと回し掛け。
5・焼き海苔を揉んで「揉み海苔」にして上から散らす。
6・食卓で全体をざっくり混ぜていただく。

お好みでトマトやスライスしたタマネギ、カイワレ菜を混ぜても美味しい。 上からパルメザンチーズを乗せれば一気にイタリアンに。 結構辛いので、お子様がおいでのご家庭では、ラー油は個人で取り分けてから振ってください。 ベーコンによって塩味が違うので、足りなければ食卓で醤油で調整を。

ちょっとだけしんなりしたホウレンソウが魅力的。 出番を限って、もったいぶって、楽しんでください。

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2007.01.28

がーっと親子丼

寝坊してしまった。

言い訳がましく書けば、ちゃんといつもの時間には目が覚めた。 トイレに行ってから布団の中に戻ったら、いつの間にかまた眠ってしまっていたみたいだ。 気がついたら14時過ぎ!!

焦った。 何かの間違いだと思った。 で、慌てて「約束事は無かったか」とか「電話をかける約束は無かったか」とか、「誰かが訪ねてくる予定は無かったか」とか、ぼんやりした頭で一通り考えて、どれも大丈夫だと安心してから、「そうだ、今日は日曜日だったな」などと、とぼけた感じに思い出した。

とりあえず顔を洗って、洗濯機を回して、ひどくお腹が空いていることを自覚する。 なんとなく気持ち悪いのは、寝過ぎのせいじゃなくて空腹のせいだ。

こんな時に近所にお店があったらどんなにありがたいか・・なんて、ぶつぶつ。 使い残した鶏肉があったな、残りごはんを冷凍しておいたものもあるな。 じゃあ、親子丼。

ごはんを解凍しながら、鶏肉、長ネギ、使いかけのタマネギも、そしてマイタケ。 濃縮タイプのめんつゆで手抜きし、ざざざっと加熱。 最後に卵を流して火を止める。 温まったごはんを丼によそってダイナミックに具をのっけたら、七味唐辛子を多めに振って、「いただきます」もそこそこに、もう食べ始めていた。 いつもよりずいぶん早いスピードで食べ終えて、とりあえず日本茶を淹れて、ふーっと溜息をつく。 もうこんな時間じゃあ、新聞読んだけで夜が来ちゃう・・やっと頭も廻り始めたみたいだ。

「がーっと作って、がーっと食べる、こんな時はやっぱり丼に限るな。」
寝坊した後悔の割には、親子丼の美味しさが幸せで、なんだか救われたような気持ちになっている。

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2007.01.26

フキノトウが出た!

陽だまりの枯葉の中から、ぽっかりと薄緑色のフキノトウが顔を出した。 例年に比べたら半月ほど早い。 普通に生活していると、相変わらず寒い寒いと文句を言っているのだけれど、やっぱり巷で言われているように、この冬は暖冬なのだろうか?

早速プティ・ナイフを手に摘みに出た。 冷たい風の中、ちょっと落ち葉を掻き分けて目が慣れてくると、あっちにもこっちにもコロコロ・・で、予想外の収穫量だ。 いつもは5~6個しか採れないのに、今回は例年になく豊作! これでは掌だけでは乗りきらないので、厨房に戻ってボウルを持ち出して仕切り直し。

あまりに小型のものは、なんだか哀れになったのでナイフを入れず、大きくて立派なものを選んで収穫したが、それでも数えてみたら17個もあった。 泥や汚れを落とし、売り物にもなりそうな見た目美人のものを6つだけ選りすぐって、今夜のおかずの天麩羅に残しておき、残りはフキノトウ味噌に。

まだ早いだろうとたかをくくって西京味噌を用意していなかったので、田舎味噌とみりんと砂糖をとろ火で加熱しながらよく練り、ツヤが出るのを待って、そこに荒みじんのフキノトウをザザッと。(正式な作り方?では、一度軽く下茹でしてアクを抜くそうだが、『採ってきて5分後には調理』ならではの地産地消の強みで、私は生のまま作ってしまう。 下茹ですれば上品になるが、どうしても香りが薄くなって勿体無い気がするのも理由のひとつだ。 あと、やっぱり面倒臭いし・・苦笑。) 材料から染み出てきただけの水分を飛ばすようにしたら、香りが逃げないうちに火から下ろして、もうできあがり。 清潔なガラス瓶に収めて冷蔵庫で保管すれば、そこそこ日持ちする。 ・・そんな心配も要らないほどに、どうせ数日で食べ上げてしまうのが、これまた例年の常なのだけれども。

ふろふき大根や田楽、もうすぐ出回るだろう鰆に塗って焼くのもいいだろうし、去年教えてもらった焼きおにぎりも作りたいし・・。 いやいや、まずはシンプルに炊き立てのご飯にのせて食べようかな・・と、想いは膨らんでいる。

これでも食べて暖かい季節を想像しながら、もう少しの間、厳しい寒さを辛抱しなさいね、と、山に言われたような気がした。

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2007.01.21

丸干し

過日、魚屋さんの店先で美味しそうな背黒イワシの丸干しを見つけた。 「どちらかと言えば『昔っぽい味』の丸干しだよ。」と、威勢良く店のオジサンが言う。 「昔っぽい?」笑いながら首を傾げて見せたら、「最近の干物は塩も魚の味も薄いでしょ。 それにひどいのになると甘ったるかったり水っぽかったりしてね。 もうみんな化学調味料使ってさ、扇風機で乾かしちゃってんだよな。 これはあんまり大きくないけど、ちゃんと塩だけ使って日に当てて干してる丸干しだから、味が違うよ。 その代わりちょっとしょっぱめ!」 これだけ丁寧に説明を受けたら買わないわけにはいかない・・実際にその「昔の味」に逢ってみたくなったし。

早速強火で炙ってみると、脂がじんわり染み出てきて良い感じ。 頭ごとかぶりついていただく。 確かにちょっとしょっぱめで、白いごはんが進んだ。(酒量も・・。) 朴訥な印象の飾り気の無い、確かに「昔っぽい味」。 で、美味しかったのだが、4本ほど余らせてしまった。

ご存知の通り、青魚の類は加熱したものが冷めると生臭さが出てくる。 もう一度炙り直すと余計にしょっぱくなりそうだし、どうしようか、と、考えながらクンクン鼻を近づけていたら、「何か別の食品で、これと似た匂いのものが在ったな。」 それで思い出したのがアンチョビだ。 アンチョビの油を切ってからフライパンで炒めて、水気を飛ばしている時の「魚の匂い」そっくりだ。 思い出してみればアンチョビだって種類は違えどイワシだし。 ならば残りの丸干しでパスタにしても美味しいはず!

さっそく大きな骨と頭だけ除いて、ついでに指先で小さめに身をちぎる。 基本はぺペロンチーノ仕立てにして、たっぷりのニンニクと鷹の爪。 相棒は芽キャベツと使いかけのシメジ。 パスタを茹でて、最後の30秒だけ半割にした芽キャベツも鍋に放り込んで一緒に茹でる。 フライパンにオリーブオイルとニンニク、鷹の爪。 香りが立ったら丸干しの身とシメジをささっと炒めて、パスタと合わせ、簡単に塩コショウ、で、もう出来上がり。

生臭さも消えて美味しく出来上がった。 ちょっと混じっている内臓の味も深みを添えて、オツな感じだ。 これならばちゃんとこのために丸干しを買ってきても良いな、と、思えるできばえになり、思いもよらぬ発見に嬉しくなった。

予想外にしょっぱい干物に当たってしまった時には、この手が使えそうである。 ありゃりゃ・・という時にはお試しを。

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少なくても美味しいものを

隣の市で興味深いテーマのイベントがあったので足を運んでみたが、思いっきり、と言うか、内心「やっぱり」と思うほどチャチな企画で、がっくり肩を落とした。 このまま引き下がって寒い家に帰っても、がっくり気分のままダラダラと過ごしてしまいそうで悔しいので、足を延ばして某有名な蕎麦屋へ行ってみることに。

このお店は、『ますたあ』の記憶によると、私たちは二回トライしているのに、まだ食べられたことがなく(一度目は住宅地に迷い込んだ挙句一方通行に阻まれて到達できず、二度目は夜で営業時間が終わってしまっていた。)、三度目のリベンジになる。 遅めの時間とは言え、土曜日のお昼時なので混雑は覚悟の上だ。

運良く駐車場から出てゆく車があってタイミング良く停められた。 見れば他県ナンバーが殆どだし、中には北九州ナンバーまで。 それもBMBだのベンツだのレクサスだのプリウスだの・・ウチの可愛いルノーは恐縮してしまいそうな顔ぶれである。 いやはや世の中こんなに景気が良いのなら、日銀さんも昨日利上げするべきだったんじゃないか、なんて、軽口も飛び出しながら店内へ。 予想通り混み合ってはいたものの、お蕎麦なので客の回転が早くてありがたい。 「以前ウチに泊まったお客さんからの情報だと、『高くてちょっぴり』らしいよ。」

メニューを見ると、確かに蕎麦屋としては高めの値段設定だ。 魅力的なメニューはたくさんあって目移りしたが、ここは実力を見せていただこうと、あえてシンプルな「せいろ蕎麦」を選ぶ。 二枚頼んで、『ますたあ』の「あなご天麩羅せいろ蕎麦」と合わせて、それぞれ一枚半いただく目論見に。

これが、多分私の人生でベスト3に間違いなくランク・インするであろう、すばらしく美味しいお蕎麦だった! 茹で加減も、蕎麦の香りも味も、つゆの具合も、薬味も、蕎麦湯も上出来で文句の付けようが無い。 おまけに『ますたあ』の頼んだ天麩羅も上々で、都内のお座敷天麩羅の老舗の味を上回る出来だと感じた。 調理上の細やかな仕事も職人気質的で申し分無い。

確かに量は多くは無いが、滅茶苦茶に少ないというほどでもなく、こだわりのあるお蕎麦屋さんにはありがちの範囲内。 外食で、久しぶりに心から美味しいと思えるものに出会えた満足感で満たされたので、足りないという印象ではなかった。 例えば、その後でくだらないものを食べてしまうのが悔しい、というくらいの感覚だったのだ。

若い頃はたくさん食べられたし、食欲も今より旺盛だったから、完璧な美味しさでなくてもたっぷり食べられれば満足できていた。 でも、このところは「量より質」で、ある程度少なくても高くても良いから美味しいものを食べたいと、思うようになってきている。 自分がこんな風に外食に対する見方が変化してくるなんて、想像もしていなかったのだが。

B級グルメ的な食事には、今でもちゃんと魅力を感じるし、そういう分野にはそういう基準の美味しさが存在するので、今書いていることとはジャンル違いなのだが、A級を名乗っておきながら儲け主義に走る「エセA級」ばかりが最近目立っているような気がして、そういう食事を摂ると非常に悔しいし満たされない。

我侭なのか贅沢なのか、微妙なところだが、私もついにそんな発想で食事をするようになったかと、自分の変化を少々持て余し気味なのである。

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2007.01.19

それはそれとして

鶏のムネ肉をフライパンでさっと焼き付けて、白ワインでジュッと短時間蒸し焼きにしてから皿に盛る。 ジュースがちょっぴり残ったフライパンで、たっぷりのキノコ類とたまねぎスライスを炒め、先日使い残していたホワイトソースを加えて、簡単に塩コショウ。 これを焼いておいた鶏肉にかけてからパセリをパラパラ、で、今夜のメイン皿。 付け合せはキタアカリのベイクドポテト。

鶏肉を切る時に剥ぎ取った皮は細く切って、少しの胡麻油でちりちりになるまで脂を出してから、切り揃えたゴボウと人参を手早く炒めて、みりんと醤油でキンピラゴボウ。 仕上げに炒りゴマをたっぷり。

使い残していた食材を如何に効率よくリメイクし、材料を無駄なく使い切るか・・そんなことを工夫する間に、勝手に食事の準備が整ってゆくような感じ。 流れがきれいに整っている時は料理の効率も良いし、どういう訳か味付けも一発で決まる。

このところ頭の片隅にいつも陣取っている憂鬱の種があるのだけれど、そんなものを差し置いても美味しいものが出来上がってゆくのは、嬉しいような、自分に矛盾しているような、へんてこりんな気分ではある。 気持ちの状況がどうであれ、お腹は空く。 どうせ食べるなら、美味しいものを食べたい。

やっぱり自分は食いしん坊なんだな、と、ちょっと呆れる。

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2007.01.10

頭の中の美味しさ

義父はこのところ、施設で提供される食事の不満を、よく口にする。 「不味くて全然食べられないんだよな」と、こぼす。 しかし、実際に毎食どのくらい摂取されているかは、ひとりずつ細かく記録がつけられていて、介護に当たってくださっている方々によれば、「パクパクと8割方の量は、ちゃんと召し上がっておられますよ。」だそうだ。 「なんだか、本人が食べられないとこぼしているものですから・・。」と伝えたら、すごくビックリされた。 とてもそんな風には見えない、ということらしい。 施設での食事光景を実際に毎回見ているわけではないから、客観的なことは判らないにしても、少なくとも義父が言うように「全然」などということは無い様だ。 痩せてきた訳でもないし。 提供されれば、文句を言いつつもそれなりに食べられる、ということなのだろう。

多分、頭の中で考えている美味しさと、実際の味覚との間にギャップがあるのかもしれない、と睨んでいる。 少し前、急にあれが食べたい・これが食べたい、と言いだして、フランスパン、コーヒー、あんパン、乳酸菌飲料、などなどリクエストに応えて食べさせたのだが、どれもこれも実際は一度きりで「もういいや」になってしまった。 口に入れて味わってみたら「こんなはずじゃなかった」とか「もっと美味しいと思ったのに、大したことがない」とか、そんな状況なのかも・・と、義父を見ていて思う。 加老による味覚の衰えかもしれないし、脳の衰え、脳内の疾患、消化機能の低下、それに、もしかしたら全然違う分野の何らかのストレスがそうさせている可能性だってある。 総合的な問題だとしたら、本人自身にも、周囲の私たちにも、原因を特定できる部類のものではないだろう。 ただ、体の自由を奪われた上に、食べる楽しみも十分に満喫できないとしたら、切ないなあ、と、思うことしか出来ない。

私自身が、食べることを楽しみにしている部類の人間なので、余計に切ない気持ちになる。 とりあえず、食べてみたいと思ったものがあれば、端から用意してあげて試している、そんな感じだ。 彼にとって「本当においしいもの」が、何か見つかると良いのだけれど。

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2007.01.07

それは単位なのか?

時間潰しにつけたテレビで、旅番組が流れていた。 若い女優さんがどこかの漁師町で、天然物の大ぶりのアナゴをゲット。 地元の割烹に持ち込んで大将に料理してもらうという、よくあるパターンだ。

大将曰く「ずいぶん立派なアナゴ持って来ましたね。 こんなの地元でも滅多にお目にかかれないですよ。」 大喜びの女優さんの「何を作っていただけますか?」に、大将の答えは「しゃぶしゃぶにしましょう。」 ・・で、大きなテーブルには鍋セットが設えられた。 ハモのように切ったアナゴの切り身を箸で掴んだ彼女は、鍋の上で手を止めて、「なんシャブしたら良いですか?」 つまり、鍋の中で具材を一回泳がせたら「1シャブ」、往復したら「2シャブ」、ということらしい。 へえーっと感心するやら可笑しいやらで、思わず半笑いしてしまった。

ちなみに、割烹の大将は、何を聞かれたのか理解できずに素人さんらしく固まっていました、はい。

今夜は七草粥の予定。 猛烈な冷たい強風が吹き荒ぶ中、先ほど庭に出て摘み草をしてきた。 ハコベと芹、ナズナだけ辛うじて見つかってホッと胸を撫で下ろす。 これにカブと大根で「五草粥」になりそうだ。 地を這うようにして体を守りながら葉を伸ばしている草に元気を分けてもらって、切り餅も入れて温まりましょうか、ね。 たくさんの命を、ありがとう。

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2007.01.05

時間が美味しくしてくれる

牛のスネ肉をじっくりと、ほろっと崩れるくらいまで煮込んで、シチューを作った。 実はこういった時間を喰う地味な調理も好きだったりする。 豆を煮るとか、昆布を煮るとか、コンソメを引くとか。 ゆらゆらと煮汁の表面が笑っているような柔らかいトロ火で、ひたすらじっくりと。 時々鍋を覗き込んでご機嫌を伺いながら。

今の世の中、何かと忙しい人もたくさん居られるから、普段から料理にそれほど時間もかけられないし、圧力鍋を使えば驚くほど短時間で煮えてしまうことは、よく解っている。 しかし、私の中では圧力鍋での調理は、「圧力鍋を使っても美味しく作ることができる」というようになっていて、実際にトロ火で煮込んで作ったものとは、全く別物の分類だ。 素材の味を犠牲にしてスープに味を移し、全体が混沌とひとつにまとまった印象は、圧力鍋の調理では表現できない。 出来上がりのイメージによって使い分けすべきもので、同じ料理の調理時間短縮の為だけには、使う気になれないのである。 それはそれ、これはこれ、だ。

ハンド・メイドのニット製品とか、刺繍とかに近い感覚なのかも知れない。 一言で括れば「手仕事」なんだろう。 寒い季節には、そんな手仕事が似合う。 手仕事をすることも似合うし、手仕事で作られた物も似合うし美味しい。 時間が美味しくしてくれる、そんな言葉を思い出した。 

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2006.12.26

クリスマスの次は

本来の意味からすれば、1月になったって『クリスマスのお祝いの期間中』なのだが、日本人的な感覚では、とっととツリーを片付けてお正月飾りに取り替えなければならないから、この時期はなにかと気忙しい。 パーティーを終えて、次はおせち料理をはじめとしたお正月料理といった所だろうか。

もちろん丁寧に作るに越したことは無いのだけれど、やっぱり面倒な気持ちも否めないので、私のお正月の煮物はいつも『炒り鶏』にしている。 ベーシックな美味しさで簡単。 これは結婚した時に貰った実家の母からのレシピだ。

炒り鶏  4人前くらい

材料 鶏モモ肉   1枚
    ゴボウ     1本
    レンコン    小型のもの1個
    人参      半本
    干し椎茸    4枚 ・・水で戻す。 戻し汁をとっておく。
    コンニャク   半枚
    タケノコ    小型1個 
    生姜      ひとかけ
    胡麻油     大さじ2

    煮汁として  ダシ  椎茸の戻し汁と合計で2カップ
            砂糖  大さじ4
            醤油  3分の1カップ
            みりん 大さじ3
            酒    半カップ 

1・鶏肉は一口大に切る。 コンニャクは塩で揉み洗いして手でちぎって一口大に。
2・タケノコは洗って、人参と共に乱切りに。 ゴボウは皮をこそげて斜め切り。 レンコンは皮を剥いて乱切りにしてからゴボウと一緒に酢水に晒しておく。 椎茸は半分に削ぎ切り。
3・鍋で千切りにした生姜を胡麻油で炒め、鶏肉を炒めて色が変わったら取り出す。
4・鍋を洗わずに残りの材料を炒め、全体に脂が回ったら、鶏肉を生姜と一緒に鍋に戻し、煮汁の材料を全て加えて落とし蓋をして、煮汁がなくなるまで煮含める。

ひとつずつ材料毎に作る煮物のような見た目の美しさは無いが、オーソドックスな美味しいお煮しめができる。 三が日を過ぎて余ったら、全てを細かく刻んで酢飯に和えて『五目ちらし寿司』にリメイクするのもオススメ。

お正月に限らず、冬の間には時々作っている。 こういう味をいただいていると、日本人だなぁ・・と、しみじみ思ったりするから不思議なものだ。  

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2006.12.22

ご対面

ついに念願の「ホールのまんまのバタークリームケーキ」とご対面! (事の成り行きはこちらをご覧ください。) 早速午後のお茶の時間にケーキ・カット。 うーん、安っぽさといい、滑らか過ぎるほどの舌触りといい、バニラの香りといい、期待を全く裏切らない懐かしさ大爆発のケーキだ。 なんだか泣きたくなるような味がする。

さすがにバタークリームを搾り出したバラの花型のデコレーションは付いていなかったものの、チョコレートのお家やマジパンのサンタさん、刺さっているプラスチック製の小さなツリーなど、どれもこれも妙に懐かしいものばかりだ。 スポンジは3段にスライスされていて、間にはアプリコットジャムがたっぷり塗られている。 バタークリームの甘さは最低限に抑えられ、その代わりスポンジ生地には、近頃のケーキには珍しいほどのしっかりした甘さ。 そこにアプリコットジャムの甘酸っぱさが重なる。 決して『今時の味』では無い、明らかにカテゴリーの違うもうひとつの完成された味のケーキが、そこには存在していた。 思わず頭を下げたくなるほどのバランス・・ある意味において凄い。 絶対私には作れない味だと思う。

『ますたあ』と唸りながら、ぱくぱく。 食べたかったのは正にコレだった。 満足で幸せ!

さすがにバタークリームだけあって、なんと26日まで賞味期間が保障されているのも驚きだ。 この感じだと味わいの変化も心配しなくて良さそうだし。 しっかり飽きるまで味わって食べようと思っている。 

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2006.12.21

知る人ぞ知る

義父の介護保険の更新手続き云々で出かけ、家に戻って来たら、ポストから何かがはみ出しているのが見えた。 「あの『突き刺さっているもの』は何だ?」 ぎゅうぎゅうに押し込まれているので、引っ張り出すのも一苦労である。 宛名の字で差出人はすぐに理解できた。 ずっしりと重たい包装には「AKUTAGAWA」の金文字。 あっ、これは・・と、思わずニンマリ!! そう、知る人ぞ知る(?)、芥川製菓のミルクチョコレートである。

芥川製菓は大っぴらには小売をしていない。 基本的には「高級チョコレートの卸業」の会社だ。 要人が利用することで有名な某ホテルや、セレビリティなイメージで何かと話題な某ホテルなどの売店で売られているチョコレートの詰め合わせは、実はこの芥川製菓製という話もある。

さすがに原料卸の会社だけあって、何の飾り気も無い生粋の板チョコなのだが、タテ10センチ弱、横30センチ、土台部分の厚さだけでも1センチを超える、総重量350グラムのチョコレートともなれば、その迫力はまさに「ドーン!」という感じだ。 味も香りも歴史を感じるようなしっかりした品物で、甘さもしっかり。 で、口どけもまろやかさも申し分無く、直球ストレート勝負のチョコレートなのである。

多分修道院関係のお付き合いだったのではないかと思うが、かつての職場にはクリスマスシーズンにこの「芥川のジャンボ板チョコ」の注文票が回覧され、毎年申し込んでいた。 そこそこ枚数がまとまれば通販には応じてくれるらしいと聞くが、なにせこのボリュームだから「一家族に1枚」あれば充分で、生協の宅配のように気軽なわけにはいかないかもしれない。 今回わざわざ届けてくださったのも、かつてお世話になった横浜の修道女である。 きっと教会でまとめて申し込んだのかな。

元々羊羹を「バナナ喰い」するような『ますたあ』だから(最近は私がうるさいので控えているようだが。)、久々にお目にかかった巨大な板チョコに小躍りするばかりの喜び様だ。 さすがにこの大きさを一気に「バナナ喰い」するとは思えないけれど、しっかり外箱に線を書いて私の領地を確保しておかなければ・・と、思っているところである。 先だってのバタークリームのケーキといい、今回のジャンボチョコレートといい、大喜びしつつ胸の奥でちょっと体重が心配な年の瀬。

ちなみに・・
芥川製菓株式会社は数箇所に工場をもってるらしく、各工場と本社では年数回チョコレートのアウトレット商品を売るらしいが、各所長蛇の列が出来ると聞く。 近隣の方々にはチラシで日程をお知らせしているとか。 まことに羨ましい話・・。

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2006.12.19

違いの判らない女

納戸として使っている日陰の部屋にお酒のボトルがしまいこまれていて、「このままにしておくのもナンだなぁ」と気になっていたので、秋頃から大好きなビールを我慢しつつ順番に飲んでいる。 多分我々夫婦が(特に私が、か?)お酒好きなのを知っている方々が、珍しいものを届けてくださったり、ちょっとしたお礼やご挨拶でいただいたりしたものが、だんだんと溜まってしまったのだけれど、日本酒・焼酎・スピリッツ・リキュール、ボージョレーヌーボー・新酒・年代物、そして『得体の知れないボトル』も数本、と、まあ個性豊かで、なかなか面白いことになっている。 『呑んべいの勘』を頼りに時間が経つと美味しくなくなりそうなものから飲み始めて、現在ではスピリッツが5本ほど残っているだけになった。

先日封を切ったのが、これまた謂れの判らないボトルで、酒屋の品揃えを覗くのが趣味の私も、全く見たことの無いボトル。 しかも、輸入代理店等の日本語表記も全く無い。 洋ナシのイラストがあるので「洋ナシ酒」なのだろうが、判るのは度数が40%ということと、スイスの酒であるということぐらいだ。 銘柄がまた凄くて、「Willams Christ Birne」である。 セカンドネームがキリストですよ、キリスト! ・・クリスマスの待降節にはぴったりかもしれない。

甘ったるい甘味果実酒だったら嫌だな、と、グラスにちょっぴり注いで、恐る恐る味見。 「・・あっ、いけるいける! 良かった、甘くないよコレ。」 どちらかと言えばほんのりと上品なフレーバード・ウォッカみたいだ。 丸みがあってやわらかい熟成された感じがする。 早速そのままオン・ザ・ロックスで「うんうん、当たりだ!」と楽しんだ。

さて、調べてみようとあちこちネット検索してみると、とりあえず『お酒のくちコミサイト』のリストには上げられているものの、書き込みも無ければ、取り上げている日本語サイトも全く見当たらず、相変わらず謎だらけ。 で、唯一判ったのは『参考価格8000円』であった。 「ええっ?コレ8000円もするんだ!」、こっちの方がビックリである。 急にじっくり飲まなくては申し訳ないような気分になってゆくところが、なんとも貧乏人の悲しさ。 8000円と聞いてしまったからなのか、よくよく見ればボトルのエンボス加工も美しいし、なんだか由緒正しき歴史に裏づけされたお酒のような顔つきに見えてくるから不思議だ。

だいたいスイスの国民が普段どんなお酒を飲んでいるのかすら、こちらはちんぷんかんぷんなのだが、このまったりとした濃さやまろやかさは雪のシーズンに似合いそうではある。 ありがたく楽しませていただくことにしたい。

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2006.12.15

鍋の副菜に迷う

今夜はおでん。 大根をたっぷり入れてホカホカ。

冬の季節には何度と無く鍋物を楽しむけれど、未だに毎回悩むのは、副菜をどうするか、だ。 鍋物はどうしても味の変化が小さくなるので、何かちょっと気の利いた副菜を用意したい気持ちは山々なのだが、あくまでもメインは鍋だから、邪魔にならない程度のもの。 それに、口の中が熱くなりがちなので、どちらかと言えば冷たいおかずのほうが合うかな。 その結果、ちょっとしたサラダとかお浸しとか、浅漬けとか・・あとは『作るのが面倒』という理由で普段から持ち合わせている常備菜など。 食後の果物を多めに用意して代用することもある。

他所のお宅では鍋料理がメインの時、どんな副菜が食卓に並ぶのだろうか。 すこし気になっている今日この頃だったりする。

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2006.12.13

♪誘われたアタシは・・・

初めて吉野家の牛丼を食べたのは、23歳の時だった。 なんて遅いデビューだったんだろう、と、今から思えば不思議な気持さえしてしまう。 それも、テイクアウトされた薄い発泡性のプラスチックに詰められて、蓋に湯気の水滴が付いているような「並」を、マンションの一室で食べた。 なんだか凄く美味しく感じたことを覚えている。

ちょっと前の事のように思えて、実は社会の価値観がずいぶんと変化していることを思い知らされたりするのだが、当時は女性が独りで外食するというのは、なかなか気合が必要なことであった。 ちょっと小奇麗な喫茶店やティー・ルームとか、さもなければ思いっきりカジュアルなハンバーガー・ショップならば、学生の頃からそこそこ通っていたし、働く女性たちもたくさん利用していたので、抵抗無くお店に入ることが可能だったのだが、例えばお蕎麦屋さんとか吉野家とかは、「男性の領域」のイメージが強くて、女性が独りで入店し食事するには、ちょっと抵抗があった。 いや、抵抗は私が勝手に感じていただけなのかも知れない。 決してお嬢様育ちではないのだけれど、母が料理をマメに作ってくれる人だったので、大抵の食事は家で済ませてしまい外食する機会が多くなかったことも関係していると思われる。 なので、道路から見える長いカウンターで牛丼をかき込んでいる男性たちを横目で見つつ、美味しそうだなぁ、羨ましいなぁ、食べてみたいなぁ・・と、一種の憧れを描いていたのだ。

結婚して間もない頃、近くに住む、『ますたあ』と私の共通の、高校時代の同じクラブの後輩(男性)と話していて、何かの拍子に外食の話となり、「最近行ってみたいお店とか、食べてみたい物はあるか」なんていう話題の中、「実は吉野家の牛丼に憧れている」と白状したら、「えー??あの駅前とかにある吉野家のこと?!」と、ひどく驚かれてしまった。 若い男性にとっては吉野家は、『学生の頃から通い慣れた御馴染みの味』であり、『少ないお小遣いでもお腹一杯になることの出来る安心の味』以外の何物でもないのだ。 だから、お店に入ったことが無いとか、食べたことが無いなんて全く想定外のようだった。 私の説明を驚きの眼差しで聞いていた彼は、女性独特の恥じらいの気持ちとか遠慮の気持ちを、少しは理解してくれたようだった。

さて、何週か後、その彼がまた私達のマンションにやって来ることになった。 日曜日のお昼どきである。 「これから行きまーす!」と、電話をくれた彼は、「お昼ごはんに食べてもらいたいものがあるので、持って行くから、味噌汁かお茶だけ用意しておいてください」と、続けた。 その彼が届けてくれたのが、テイクアウト用の牛丼だったのである。 ・・私はつくづく「美味