カマスゴ
ふと立ち寄ったお店の鮮魚コーナーで、今まで見たことの無い魚に出会った。 「かますご」と書いてある。 白魚を縦横3倍に拡大したような、7~8センチの体長、幅1センチ弱のひょろっとした魚で、茹で、または蒸してあるように見える。
「かますご」なんて初めて聞いたし、どうやって食べるのか見当も付かないので、手に取ったまま躊躇してしまった。 「知ってる?」 「ううん、知らない。」 ・・・ 「まあ魚なんだから、何とかなるでしょ。」という、『ますたあ』の声に押されて買ってみた。
インターネットで調べてみると、イカナゴの成魚ということだが、私の知っているイカナゴとは体表の模様も違えば、色も全然違って、どうもイメージが結びつかない。 目の前のカマスゴは薄い緑色をしていて、イカナゴのシンボル的な側線に沿った青いラインも見えない。 本当に、あのイカナゴの親?? 生物は不思議だ。
そのままポン酢で食べるのが一般的なようだ。 ただ、既に加熱してあるものだったから少し気になって、フライパンにごま油を薄く引き、手早く火を通してから、仕上げにポン酢を絡めて皿に移して、青ネギのみじん切りを散らしてみた。
想像したような臭みも無く、上品な白身魚の味。 骨も気にならない。 美味しいじゃないの! これならいろいろな料理に使えそうだ。 オリーブオイルとニンニクで炒めたり、柳川鍋風に出汁醤油でさっと煮て卵とじにしても美味しそう。 キャベツと一緒にパスタも良いかも知れない。 なんだか楽しみになってきた。
近畿圏の方々にとっては、このカマスゴが春を呼ぶ食材のようで、季節物として大事にされているらしい。 一方で魚醤の材料になったり、肥料として畑に蒔かれたり、京都では『下魚』とされていたりもしたらしく、昔は余るほどたくさん取れたのかもしれないな、と、思いを馳せて楽しんだ。
何はともあれ、知らない食材に出会って、それがまた美味しかったりすれば、嬉しさもひとしおだ。 またその内に買ってこよう、と、目論んでいる。 次はどうやっていただこうかな。
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