2007.10.23

魅惑

若い頃からずっとそうだが、私が聴いているのは俗に「Jポップ」とか「日本のロック」などと呼ばれるような、国内アーティストの音楽が主だ。 版権の都合なのか、最近、一度廃盤になっていた昔のレコード盤の楽曲が、デジタルにリマスターされてCDに焼き付けられ、昔とは別のレコード会社から再販される、というケースが目立つ。 で、それを機会にしばらく表舞台から遠ざかっていたアーティストが、またライブをやったりしてくれる。 あまり大きくないライブハウスのような場所でさり気なくという感じで。

アーティストも初老の域に足を突っ込もうかという年齢ならば、あの頃ティーンエイジャーだったオーディエンスも今ではすっかりおじさん・おばさんで、中には制服を着た子供と一緒に来ているなんていう方も居られる。 「ここで踊ってしまって良いものか・・」と、内心ちょっと躊躇する気持ちはみんな同じみたい。 舞台の上のアーティストも、気張って過度に意気込んだりしていないし(もちろん、いいかげんにやっているというのとは違う。)、聴いているオーディエンスも穏やかでありながらワクワク期待している状態だから、双方が丁度良い塩梅で肩の力が抜け、会場全体の雰囲気がどこかほんわかとあったかい。 なんだかライブにしてはちょっと不思議な、でも、居心地が良くてしっくりくる。

ティーンの頃やはたちそこそこで聴いていた音楽というのは、今でもどこかで心の奥を鷲づかみにされているような状態で、表現を変えれば「逃げようと思っても逃げられない」的な部分を否定できない。 いろいろな感覚が総動員されて強く揺さぶられてしまうのは、「匂いや香り」の持っている影響と良く似ている気がして、面白いなあ、と、思う。 魅惑という言葉が相応しい。

こんな年齢になってもライブハウスに足を運んでしまう言い訳を、ちょっと考えて書いてみた。

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2006.08.02

マニアックなツボ

はじめに謝っておきます、ごめんなさい。 これから「解る人にしか解らない話」を少々。

大手の全国的チェーン店舗展開ではない、あくまでも地元密着型の小さなスーパーマーケットに行った。 店内には有線放送が流れている。 大抵は演歌っぽいもので、ほとんどBGMの意識もせずに買い物をしている店だ。 ところが、牛乳を篭に入れていたその時、なんと流れてきたのはごひいきバンドだったMOON CHILDの「Hallelujar in the snow」だ! もうずいぶん前に解散したバンドの曲というだけでもびっくりなのに、真冬の曲がこんな暑い日に!! もう、何がなんだか混乱しながらも、条件反射で口ずさみながら買い物の気もそぞろ・・。 いろいろな懐かしい光景を思い出しながら、物思いにふけっていた。

フルコーラスが流れ終わり、「さてと、買い物の続きを。」と、思いながら豆腐を選んでいたら、続けて流れてきたのはイカ天(TBSで放映されていた「イカすバンド天国」)の有名バンド、マルコシアス・バンプの「おまえの薔薇が好き」!! 何でこんなマニアックな曲が、こんな所で! ビックリするやら嬉しいやら。 マルコシアス・バンプはとてもカッコいいバンドで、そのビジュアル系のルックスとは裏腹にベースとドラムのバランスが素晴らしく、いつも聞き惚れていたバンドだっただけに、思い入れもひとしおなのだ。

日本のどこかで、誰かがこんな2曲をリクエストしてくれて、それを取り上げた「ゆうせん」の担当者がいて・・こんな偶然に心から感謝したい気分だった。 この国のどこかで、私と同じ音楽のツボをピンポイント的に持っている人がいる、そんなことが妙に感動的に思えた。 夏が戻ってきたような暑い午後の偶然に感謝。

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